購入価格 ¥14040(SimWorks直販)
ポーシェリンロケットとは、カナダのブランド。
主にアドベンチャーライドなど、バイクパッキング向けの製品をハンドメイドで生産している、バックヤードビルダーで、ハンドメイドらしく、バイクに合わせたカスタムオーダーも受け付けているという融通の良さも特徴的です。
日本ではSimWorksが代理店をしていて、取扱店は限られるものの、直販でも手に入れることができます。
このシャーリーンのベーシックモデルは、オーダーモデルではない、吊しのサドルバッグで、ポーシェリンロケットのラインナップの中では一番小さいサドルバッグになります。
■なんで手に入れたの?
すでにORTLIEBのサドルバッグLを使っていたものの、色が「ライム」ということで、新しいフレームに似合わないなぁというのもあって、違うサドルバッグを模索。
ちょっと一味違うものを使ってみたいな、ということでチョイスしました。
価格的には決して安くはないですが、それでももっと高価なモデルもあるので、言うほど高価!という感じではないですね。
オーダーでは無数に生地がチョイスできるので、色だったり機能だったり、バイクとのトータルコーディネートも期待できそうです。
■使ってみた感想
公称は3~5Lの容量、ORTLIEBのサドルバッグLの2.5Lよりも多いのですが、実際アレは5Lほど入るという話を聞いていたので、だいたい同じくらいか……というサイズ感ですが、実際に使うと、ORTLIEB(サドルバッグL)よりも入ります。
大体比べて1.5倍程度は入りそうな……あちらだと積載できなかったもう一品が入るような、そんな感じです
生地は丈夫そうに見えますが、比較的ペラペラで軽量なものなので、タイヤに擦ったりするとダメージは大きそうです。
サイトにもありますが、防水性は皆無、通気性重視、とのこと。
防水が必要な物は、予めドライバックを買い、それに詰めてからバッグにパッキングするという感じになります。
しかし、防水性を完全に諦めてるバッグなので、水の侵入を気にしてロールアップを必要以上に巻くこともなく、かなりバッグの口元まで全部パッキングに使えます。
閉じ口にはベルクロがついていて、ここがきちんと閉じさえすれば、ロールアップのバックルも立て付けが良いですし、ガッツリ詰め込んで走れますね。
一応シートポストに当たるような先端部分には、プラスチックのシェルが入っていて、多少ラフにパッキングしても型が崩れたりすることはないです。
ただ、生地自体が割とソフトなのもあって、入れる順番や配置、入れるものの形などで、あまりパッキングがよくないと、太ももに当たったりなど、走りに影響が出たりしそうです。
そう言った部分だとORTLIEBの方が、ラフに突っ込んでも安定していたかな……
自転車へは、シートポストに太いベルクロで留めて、サドルレールにも一本のバックルベルトで止める、わりと古典的な固定方法で、やはり満載した状態だと、ダンシングなどで自転車を振ると、かなりバッグに動きを取られます。
リジッドな感じではなく、ベルトでキツく止めても、構造上割とゆらゆらと言う感じでしょうか。
■総括して
わざわざコレを選ぶ必要はないけれど、でも決して悪いものではないです。
シャーリーンはごくごく普通のサドルバッグです、奇をてらったものもなく、使いにくいところもなく、容量も期待よりもホンの少し多く入り、600kmブルベなら必要十分ですね。
大きいサイズではないので、もっとガツガツ積みたい人は、ワンサイズ大きいヴェラ(Vera)の方が良さそうですが、正直、このシャーリーンで積み込める容量以上をサドルに吊るすと、操縦性を著しく損なうので、個人的には、それなら別の場所に積載したいかな……という感じも。
唯一面白い点は、完全に防水を捨ててる生地という点です。
非防水は、欠点かなと思ったのですが、実際使ってみるとそうでもない……濡れたくないものは、ドライバッグやジップロックそれぞれに詰め込んで入れればいいわけだし、単純にざっくばらんにバッグに入れられないのは、そこまでデメリットに感じませんでした。
むしろロールアップに気を使わなくていいし、ウェットブルベでも、雨水の侵入を気にせずラフに開け閉めができる。
単純に型くずれと安定性を考えてパッキングしていけばいい。
ただ、あくまでもバックヤードビルダーのハンドメイドなサドルバッグです。
搭載方法も極めてトラッドなものだし、ロールアップのベルトやベルクロなんかも、よく出来ているけど、大量生産品のそれとは違った「ファジーさ」がありますね。
生地も結構ペラペラでソフトなものですが、しっかりしたもので、使ってて不安を感じないレベル。
このへんはバックヤードビルダーとはいえ、北米のバイクパッキングでチョイスされているブランドだけあって、間違いはなさそうです。
何よりあのロケットの書かれた「PR」のマーク、なかなか愛嬌があっていいじゃないですか?
信号待ちで振り向いて、バッグ上面にプリントされたロゴがチラと見えると 「なかなかいいな」 って気分になりますよ!!
■余談
このシャーリーンに限った話ではないですが、この手のサドルバッグは、サドルの突き出しが多く出るスローピングフレームと合わせるのが良さそうです。
ホリゾンタルに近いフレームではリアブレーキのワイアーにぶつかったり、最悪パッキングによってはタイヤにあたって破いてしまいそうです。
価格評価→★★★☆☆(安くはないけど、レベレイトデザインやアピデュラよりも安いしね)
評 価→★★★★☆(非防水とややファジーな作りは評価が別れるところ)
<オプション>
年 式→2017モデル
カタログ重量→不明、でもORTLIEBサドルバッグLよりも明らかに軽い。