購入価格 タキザワ¥4900を冬のセールで10%オフ
馬鹿野郎!!
さっきからレビューを見ていれば、着心地だの速乾性だの口当たりのいい言葉ばかりを並べやがって・・・ウェア選びのキモはそんなことじゃないんだよ!まず「着る」ことができなければ、
体にフィットしなければ、どんなに高価なウェアでもg.uにすら劣る事だって有り得るんだよ!
・・・お前らのレビューを見ていると、俺の忘れたい過去を刺激されて思わず感情的になってしまったようだ。
どうやらついに俺の心の扉を開かなければならない時が来たようだな・・・
あれは俺が小学校に入学するときのことだ。
新入生に配布されるあの黄色い帽子が、頭の大きい俺には入らなかったのだ。
俺に帽子をかぶらせようとした担任の先生は困惑したに違いないが、
そこは大人の余裕か、にこやかにこう言った。
「つよし君のは明日までに特別注文しておくね」
特別注文。そのスペシャルな響きに俺の心はときめいた。
翌朝、喜色満面の表情でウキウキと登校する俺がいた。
そんな俺に、担任の先生は今度は「きちんと入る」黄色い帽子をかぶせてくれた。
昨日の今日なのに、もう特別注文ができたなんてすごい!
「どうなっているんだろう?」
目をキラキラさせながら帽子を脱ぐ手ももどかしく、帽子の後頭部部分を見た俺に、子どもの夢を打ち砕く無情の結末が待っていた。
そこには、明らかに素人がはさみで入れたと思われる切り込みがあったのである。
それから十数年。大学生に成長した俺は野球部員として活動していた。
相変わらず俺の頭は大きく、ヘルメットのサイズは「XO」でなければ入らない。
しかし、困ったことがふたつ。ひとつは、俺の部にはXOのヘルメットはひとつしかないこと。
もうひとつは、俺と同レベルのでかあたまが、もうひとりいたことである。
あれは忘れもしない、1年生の新人戦のときである。
初打席を華麗にセンター前ヒットで飾った俺に、不可解なタイムがかかる。
見ると、次の打者であるたけしがこっちにやって来るではないか。
「つよし、ヘルメットを交換してくれ。俺はそのヘルメットしか入らないんだ」
打者と走者。どう考えても頭部に球をぶつけられる危険が大きいのは前者である。
俺は仕方なく「XOの」ヘルメットを差し出し、次に大きい「Lの」ヘルメットを受け取った。
窮屈どころのさわぎではなく明らかにサイズが小さく、側面がこめかみに引っかかって浮き上がっているのがはた目にもわかる。
それ以来、俺は対外試合のたびに「オマリー」と野次られることになったのである。
そんな俺も長じて自転車乗りとなった。
OGKエントラのM/Lサイズのおかげで、「オマリー」と野次られた暗い思い出も過去のものとなった頃、忘れた頃に「Craft Pro Zero Extreme」はやって来た。
早速着ようとしてみるが、首の部分が引っかかって頭を通すことができない。
できるだけ周長の短い部分で通そうと、引っ張ってみたりななめにしてみたりと工夫を凝らしたが、
これはもう明らかに「俺の頭の周長>>>越えられない壁>>>Craft Pro Zero Extremeの首部分の円周」なのである。
物理的に着用は無理と思われた。しかしそこはCBNでもウワサの高機能ウェアである。
ここからグイッと引っ張れば、奇跡のようにこの頭を中に納めてくれる、何がしかの工夫が施されているかもしれない・・・
おれは祈るような気持ちでグイッといった。
ブチブチッ
その嫌な音は、新品のウェアがもはや修復不可能な傷を受けたことを物語っていた。
ウワァァァァーーーン!!
俺の声にならない悲しみが福岡の夜空にこだまする。
しかし、とにもかくにも着用することはできた。少なくない犠牲とともに―――
タキザワのカタログの注意書きに従って、身長170cm、体重59km、リーチ175cm、チェスト91cm、ウエスト73cmの俺はサイズSを選択。ジャストフィットである。・・・頭以外は。
冬用アンダーウェアは、アンダーアーマー(コールドギア)とパールイズミのヒートテックセンサーを持っているので、それらとの比較を記しておく。
【じっとしている時の暖かさ】
アンダーアーマー>パールイズミ≧Craft Pro Zero Extreme
【汗冷えする】
アンダーアーマー>パールイズミ≧Craft Pro Zero Extreme
【乾きの早さ】
Craft Pro Zero Extreme>パールイズミ>アンダーアーマー
【コンプレッション感】
アンダーアーマー>>パールイズミ=Craft Pro Zero Extreme
なお、サイズはアンダーアーマーMとパールイズミMとクラフトSがほぼ同等である。
防風性は、これらの3商品ともあまり考慮されていないようで、差は感じられない。
総じて、よい冬用アンダーウェアである。背中長め、袖長め、汗冷えのしにくさなど、
自転車乗りの要求を一通りカバーし尽くしていると言える。
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価格評価→★★★★★(安いでしょう)
評 価→★★★☆☆(世のでかあたまたちにも愛を)
<オプション>
年 式→2010、冬