購入価格 ¥160000弱(ホイール除く)
カンパニョーロにコンポーネントを移行する際、
普通の方なら、シマノから憧れのカンパへとグレードアップするんだ!
と言う気概を持って行うと思いますが、
私の場合は自分で言うのも何ですが、邪な気持ちが入ってます。
昨今、11速化の流れの中、絶滅危惧種になりかけているのが、
フロントトリプル・前3枚でございます。
どのメディアを見ても、Qファクターの広いフロントトリプルよりも
前50-34か52-36、後11-28又は30もっと言えば32の
ワイドレシオのコンパクトトレーンの方が良いぞ!、と一推ししてるのはご存知と思います。
だが、どうしても体が大きくないくせ(162cm)に、元々から脚は開き気味の上、
高ケイデンスを出せない(平地でも70代)ヘタレの自分は、どうしても重いギアを踏みがちで
28T、ましてや32Tを回し続けられません。
かといって、じゃあ15%以上の激坂では前39T、後23Tでは重過ぎる…。
それではどうすれば良いかとなると、前30Tが欲しくなる。
結果、…フロントトリプルだぁぁぁぁぁ…、前3枚だぁぁぁぁぁ…、となってしまいます。
普段使いで激坂がなくても、たとえば200㎞走った後に標高差800mを登らなければならない
シチュエーションで最終兵器の前30Tでゆっくりながらもこなしていくのが自分の理想なので
ロードに乗り始めてから12年経つにも関わらず、メインバイクは前3枚です。
まぁ、正直殆どインナー30Tは使いませんが、ヘタれた時の保険みたいなもんです。
それはさて置き、
10速(66・67アルテ)仕様のメインバイクを11速化しようと
シマノのカタログをみてみると、ヂュラエースは前3枚がないのはしょうがないとしても
68アルテで前3枚が無くなっている…。
じゃあ、105でいいや!と発売を待ちに待っていたのに,
発表されたラインナップには,
前3枚が無い…
困った、どうしようと困惑していると、「カンパが前3枚発の情報が…、
ネットで確認すると11速でアテナが見事に52-39-30なんて出している。
「これは即、買いだぁ!」
思わぬところで、カンパニョーロに出会うとは…
そんなこんなで、今のメインバイクの姿です。
アテナ11速で、前3速のエルゴパワー姿。
なんだかビミョーですが…、
只、アテナで揃えても良かったのですが、あまり評判のヨロシクないパワーシフトでは面白くないので、
ウルトラシフトにするため、右側のエルゴパワーはコーラスにしています。で、左側は素のままのアテナだとアルミレバーで右のカーボンレバーと合わないので、組んでもらったお店に相談してみると、前3枚用のカーボンレバーがカンパニョーロジャパンから用意出来ると回答があったのでレバーだけ交換してもらいました。
前3速の要の1番目、クランクセットです。
カーボンや黒着色のクランクが主流になってきていますが、磨き上げられたアルミクランクは、
やはり魅力的です。
フロントディレーラー
これも、綺麗な仕上げです。
リアディレーラー
カタログで見たときは華奢な感じがしてましたが、
現物は意外にマッチョな感じです。
…で、肝心の使用感について。
初めてのカンパニョーロ、しかもキワモノ前3枚なので
単純に他のコンポーネントと比較は出来ませんが、以下の様に感じます。
①前3枚の変速はどう考えてもシマノの方が良い。
導入した動機の肝心な部分が良くないというのも変な話ですが、まず組み付け時の調整から難しく、
組んでもらったお店のご主人からして、フロントディレーラーの歯あたりのアウター位置設定が非常にシビアで、
何度もアウターから外側にチェーンが外れるので、内側寄りに調整すると今度はチェーンがアウターに上がらないの繰り返しで調整に苦労したようで、現行の使用では前アウターでリア11~13Tの状態でディレーラーの歯が擦れていますが、滅多に使う事の無いギア比だしあまり気にしてもしょうがないので、そのまま使っています。じゃあ使用感はどうかと言えば、シマノの感覚で扱うと正直動きません。カンパニョーロはインナーからアウターに移行するには2クリックで作動するようになっていますが、前3枚の時はその2クリックを更に強い手力で行わないと作動しません。あまりに力が居るので最初の頃は手が痺れたくらいでした。
シマノであれば、レバーの捻り動作は同じでもレスポンスが明白に速く且つ正確です。そう考えるとシマノのフロント変速能力の高さを改めて思い知らされました。
②エルゴパワーとウルトラシフトは使い勝手が良い。
手が小さい自分には下ハンからの親指シフトは無理だから、カンパは×だろうと思っていましたが実際に使ってみると、ブラケットの取付具合とハンドルの形状にもよりますが、以外に解除レバーが近くて、シマノの解除レバーを人差し指を目いっぱい伸ばして作動するよりかは此方の方が良いかもしれません。
ウルトラシフトはクリック感覚と動作音がハッキリしているので、慣れると実際に何枚上げた・下げたのか判ります。対してシマノはシフトは軽いが、事実上1段動作なので何度も上げ下げ共にクリックしなければなりません。但しこれには使う人の嗜好と感覚がそれぞれ違うので最後は好みの問題になると思います。
③制動力は意外に強い。
前3枚とは関係ありませんが、俗に「シマノは制動力に優れ、カンパはコントロールに優れる」と言われるようですが、意外に止まります。以前、前方を急停止した車に何度か接触しそうになりましたが、寸での処でいずれも回避出来てます。まぁ、あまり参考にはなりませんが…。雨天時の場合でもシマノとあまり変わらない感じです。
④やっぱりカンパはカッコイイ
通勤で使っていると特に感じるのですが、レースイベントでない普段使いだからこそ、カンパは目立ちます。実際、通勤で使用されるロード乗りは自分が知る限り、ほぼシマノばかりです。自分の住んでいる所だけでしょうが…。
でも敢えてカンパニョーロに要望すると言えば、黒一色になってほしく無い、
つまりはカーボンに傾倒するのはどうかな?と…。
カーボンの独特の特性(高強度・軽量性)は確かに必要でしょうが、普段使いの場合やレースイベントに多数参加するパワーユーザーでない限り、その特性を活かす事は無いと思います。なにより、職人さんが精魂込めてバフ掛け処理した妖しい金属光沢のアルミクランクなどは代えがたいモノがあると思うのは自分だけでしょうか?。せめてコーラスにはアルミレバー・アルミクランクのラインアップがあればと思います。
それと、やっぱり、価格が高い…。
まさかシマノ105と同クラスのアテナがホイールを除いても16万円近くかかると当初は思ってもいなかったので、一層感じるところです。
価格評価→★★★☆☆(人それぞれだと思います。)
評 価→★★☆☆☆(やはり、高っ!!)
<オプション>
年 式→2013
カタログ重量→ ?g(実測重量 ?g)