購入価格 約¥61500
当サイトにもレビューがある英国のバイクショップ「Planet X」の系列店「On-One」のプライベートブランド商品のディスク台座付きフルカーボンシクロクロスフレームとフォークのセットです。ディスクブレーキのロードバイクを組んでみたいと思い購入しました。(購入したのはPlanet Xのサイトです)
サイズはXS(50cm)、S(52cm)、M(54cm)、L(56cm)、XL(58cm)の5サイズがありますが私はXSを買いました。
下の写真は到着時の梱包状態です。
開梱した直後の状態です
ご覧のとおりメーカー名も何も書いていません、次の写真のようなデカールが付属していて(私の場合は別便で送られてきましたが)それを自分で貼るようにとのことらしいです。
デカールは文字だけが残るタイプではないので、デカールを貼ったところを近くで見ると「貼ってある感」満載でちょっとチープな感じがします。
重量は実測値でフレームが1103g、フォークが508g(コラム未カット、30cm)でした。Planet XのサイトによるとSサイズではフレーム重量が1260gになるそうです。
このフレームの基本的なデータは以下のとおりです。
表面仕上げ:3Kカーボンつや無し
シートポスト径:31.6mm
FDバンド径:34.9mm
BB:BSAネジ式、シェル幅68mm
ヘッド:上1-1/8インチ、下1.5インチのテーパーヘッド
リアエンド幅:135mm
ヘッドアングル:71°
ヘッドチューブ長:100mm
ホリゾンタルトップ長:523.5mm
シートアングル:75°
シートチューブ長(C-T):500mm
チェーンステイ長:425mm
ディスク台座:ポストマウント
ボトルケージ台座:シートチューブ、ダウンチューブに一箇所ずつ
キャリアダボ:無し
シフトワイヤーはF、Rともにトップチューブ上を通り、FDも上から引くわけですが次の写真のようなバンドで取り付ける滑車が付属しますので下引きのFDも使用可能なようです
ですがシートチューブに付いたアウター受けがかなりフレーム右側に傾けて取り付けられているので
滑車は使用せずハイクランプタイプの上引きFDを使用するのが良いのではないかと思われます。実際にシマノのFD-CX70を装着してみたところ位置、方向ともにピッタリでした。MTB用のトップスイングタイプのFDは装着できなさそうです。
シクロクロスフレームだけにタイアクリアランスは結構大きく取られており、35mm幅のタイアでも大丈夫だそうです。
当初、普通にフロントダブルで組んだのですが「CBN Bike Forums」にて「MTB用のワイドレシオカセットを装着してフロントをシングル化しては」というご提案をnumero_neroさんよりいただき、おもしろそうだなと思いやってみることにしました。
組みあがったバイクは下の写真のような感じです。
BBはタッピングなどしなくてもスムーズにねじ込めましたし、シートチューブ内径、ヘッドチューブのベアリング挿入部、ディスク台座の精度なども特に問題はありませんでした。
ホイールは以下でレビューさせてもらった物を使用しました。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9516&forum=30写真の状態で車重は7.85kgです。
歯数はフロント46T、リア11-32Tにしました。
私は今までロードバイクではフロント50×39T、リア12-25Tのギアを使っていたのですがその場合、ギア比(前ギアの歯数を後ギアの歯数で割った値)はアウタートップで4.17、インナーローで1.56です。前述の歯数でのフロントシングルの場合、トップに入れたとき4.18、ローに入れたとき1.44なのでギア比的には今まで使っていた範囲を全てカバーできることがわかりました。
フロントシングルですとトップやローに入れたときチェーンが斜め掛けになるのが問題ですがその度合いをできるだけ小さくするにはチェーンリングの位置(フレームセンターからの距離)を調整してできるだけリアのチェーンラインに一致させることが重要になるかと思われます。そのために使用しているクランクはロード用ですがBBはMTB用を使っています、なぜかというとシマノのMTB用BBは68mmシェルだと左右にスペーサーを入れて使いますがそれを入れたり抜いたり、薄い物に変えたりしてチェーンリングの位置を微調整できるからです。またクランクはダブル用ではなくトリプル用を使っています。シマノのトリプルクランクはダブル用よりシャフトが長いので通常ロード用BBで使う場合は下のような6.5mmと3mmのスペーサーをシャフトに通して使うのですが
これも同様にしてチェーンリングの位置を微調整できるからです。
トップとローに入れたときのチェーンの状態は下のような感じです。
バイクをディスプレイスタンドに装着してクランクを手で回すと、やはりトップやローの状態ではチェーンリングやスプロケットにチェーンがこすれて多少音鳴りがしますが走行状態で気になるほどではありませんし、常用するようなギアではないので問題は無いかと思われます。
デュアルコントロールレバーはST-5600を使用、カセットはダイナシス(シマノのMTB用10sシステム)の10sカセットCS-HG81-10を使用しています。ここで「ロード用STIとダイナシスのカセットで変速できるのか」(シマノのアナウンスでは互換性無し)という問題が出てきますが結論から言うとできました。
ダイナシスカセットにはダイナシスのRDが良いのかと思い、RD-M980(XTR)を装着してみたのですが全くうまく変速しませんでした。そこで手持ちの部品の中にあったかなり古いモデルのXT(RD-M739、おそらく8s時代の物)を付けて試してみると何の問題も無くスパスパ変速しました(チェーンはロード用10sチェーン)。
strikerさんの以下のレビューによると
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=4771&forum=359s用のSLXのRDがロード用デュアルコントロールレバーで10sでも何の問題も無く動作するとの報告があるのでダイナシスのRDは9sまでのRDとは違い、ダイナシスのシフターに特化した設計になっているのかもしれません。
実際に乗ってみての感想としては、このフレーム、フォーク自体の細かい特性(剛性、振動吸収性、直進安定性、旋回性能など)は鈍感な私には良くわかりませんでした(スイマセン)。乗っていて特に違和感を感じたりするようなことは無かったのでそんなに癖のあるフレームではないと思います。
フロントシングルロードバイクという完成車としての評価は非常に高いです。なぜ今までフロントシングル化をやらなかったのだろうかという感じです。軽量化を主たる目的として始めたこの計画ですが実際に乗ってみて軽量化のメリットより機能的なメリットを大きく感じました。機能的なメリットというのは当たり前ですけどフロント変速をしなくていいということです、あの面倒で気を遣うフロント変速をしなくて良いというのはこれほど楽なものかと痛感しました。
ワイドレシオのカセットということで隣り合うスプロケット間の歯数差が大きく、斜度や路面状況に応じたきめ細かいシフトチェンジができないのではないかと思われる方もおられるかもしれません、こればかりは好みの問題なので何とも言えませんが私としては全くそういう不満は持ちませんでした。ちなみにカセットの歯数構成は11、12、14、16、18、20、22、25、28、32です。
フロントシングルのロードバイクを組んでみて、少なくとも私にとってはロードバイクはフロントシングルで十分ではないかと思いました。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★