例年、ハンドメイドバイシクルフェアと題してこの時期に行われているイベントですが、今年は身障者・高齢車用自転車を大きめにクローズアップした催しとして、上記の表題で行われています。
1月22日と23日の二日間ですが、22日(土)午前中の様子を速報します。各メーカーの代表作を足早にご紹介。( → 明日もやってます!)
■堀田製作所(東京)
いわゆるスイングレバードライブ式の三輪車。BB下にリターンスプリングが見える。
こんなカッコイイ三輪車も。
■紀洋産業(東京)
車椅子タンデムっていうか二人乗り。今後増えていきそうな種類のタンデムじゃないでしょうか?
■フランスベッド
こちらは車椅子輸送自転車!車椅子を使うじいちゃんやばあちゃん、あの人と一緒にのんびり散歩ができるなんて、素晴らしいじゃないですか。
■アーテック(浜松)
英国KMXkarts社製品を流用したKIT商品?らしいです。四輪リカンベントですが、操舵系アライメントは自動車のそれを踏襲しているように見え、なかなか面白そう。
■ランドウォーカー(大阪府)
事故で四肢麻痺となった自転車野郎、町田敦志氏が発案し、デザイナー、柴田映司氏がデザインし、(有)宇賀神溶接工業が製作したハンドドライブサイクル。その名もTRINITY DRIVE(三位一体駆動)。180数センチの巨体である町田氏がこの巨大なミドシップ前輪駆動自転車をドライブする様は、さぞかしド迫力ではないか?自転車ではない別の「車両」に見えました。9速です。ディレイラがひっくり返っているところにご注目!
■マツダ自転車工業(東京)
リアルレーシングのLEVELは昔から低床車を手掛けている。お年寄りであれ、ロードマンであれ、身障者であれ、その人が喜んでくれる自転車を作るのが自分の仕事、と言う松田さん。カッコイイ町工場ダ!
こちらはカンパのブレーキがついた昔のピスト。LEVELロゴが現在のものとは違います。
■サイクルストアーヒロセ(東京)
重鎮の広瀬さん。スポーツ車コーナーは若手に任せ、こちらのコーナーでのんびりやっていました。4時間程度かけて話し合ったうえでオーダーを受けるこのビルダーは、1台を仕上げるのに1年を要したりするため、全く儲かっていないらしい。好きでやっていてその上お金がもらえるんだから嬉しいよね、っていう自転車職人。
スポーツ車のこれは、現代的なパーツを平然と使ったスポルティーフ。でもステムはNITTOのDynamicでした。
■タカタスペシャル(愛知)
変わったデザインがセールスポイントと言うだけあって、昨年に続いて今年も変わった自転車が!ボトルの取り出しがちょっとだけ大変かもしれません。
■東叡社(埼玉)
ヤフオクで入手するしかないようなユーレー(Huret)のRDなどが使われたいかにも東叡社らしいランドナー。パーツは依頼者の持ち込みだったりします。普通の自転車ももちろん作ってくれますヨ。ここはちゃんと若手を育成しているので当分、安泰でしょう。
せっかくなのでHuretのテンションスプリング辺りをご覧ください。
■プロショップ タカムラ製作所(東京)
最強クラブチームを率いる総帥、高村精一氏が製作するロード。真黒なRDベローチェが目立ちます。外にお客さんが乗ってきた古いラバネロがあったのですが、昔のロゴをつけたそのラバネロもよかった。
■エム、マキノサイクルファクトリー(千葉)
納期1年の人気工房。これはカンパ50周年記念のパーツを使ったロード。チューブはコロンバスSLX。リムはMAVIC GEL330これも古い。カンパ50周年(って1984年頃だったか?)のときには記念の工具セットも発売されましたが、パーツをちゃんと保管している人っているんですね。
これは50周年リヤディレイラー
100万円スポルティーフ“EVOLUTION”もありました。やっぱりツーリングの人、牧野氏。
■ドバッツ・ライノ・ハウス(愛知)
サイスポでも時々みかける中京大学の西井匠氏がオーダーしたらしい29er MTB。仕事柄なのか、SRM付き。のびやかな感じのフィレットブレイジング+ハードテイルで、乗ってみたい!
シクロクロスの方は、ラグが左右非対称。昨年はトップチューブが非対象でしたが、との問いに、「いや~、最近は非対象に凝ってまして~」
■東京サイクルデザイン専門学校
フレームの数値の意味を知るところから入っていくとの印象を受けたこの専門学校。まずは数値を押さえるのが基本ですよね。感性はその人の精進次第、みたいな話で意見が一致しました。
■細山製作所(神奈川)
「個性がないのがうちの取り柄」、という強烈な個性の持ち主である「鉄の魔術師」(by 大前仁氏)細山さんはこの時間帯は不在でした。残念。このロードは身長148センチの女性競技者用に製作したものですが、タンゲプレステージウルトラライトに160mmのスギノマイティツアー。見事な出来上がりです。市販車ではムリでしょう。スバラシイ。
■渡辺捷治製作所(埼玉)
こんなスポルティーフでサイクリングしたら気分爽快でしょう。手前にロードが映っていますが、勿論、ロードも作ってくれます。
■今野製作所(東京)
ブルベ対応でディスクブレーキ装備の全天候型バイク。装飾性も高く、ケルビム二代目のセンスが炸裂!今野真一さんが、一人一人の質問に丁寧に対応していました。
■SANO MAGIC(東京)
モダンな木造船技術を自転車に移植した木ロード。佐野さんは実にまじめに来場者の質問に対応していました。
このバルブキャップも木なんですけど!
■ビチスポーツ モリアイ(岩手)
LEVELに出会い、LEVELで修業した経歴を持つ盛合氏は、アルミやチタンなど幅広く対応していてコラムねじ切りからパイプ差し替えまで各種作業工賃が明朗会計!
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昨年と比べると地味でしたが、楽しいひと時を過ごすことができました。明日もやっています。もしよろしければどうぞ!!
・・・あ、そうそう。外に停まっていたどなたかの古いRAVANELLOにシマノのCRANE(デュラの祖先)がついてました!!
価格評価→★★★★★ 入場無料
評 価→★★★★☆ 楽しいひと時でした
年 式→2011