◆購入価格 車体に付属してきたので ¥0
◆製品概要
サドルを自分が設定した高さまでしか上がらないようにする、ブロンプトン純正のオプションパーツです。
このサドルハイトインサート(以下本製品)を装着すると、ブロンプトン展開時にサドルを1番上まで引き上げるだけで自分好みのサドル高になります。
◆購入(使用)動機
1台目のブロンプトンを購入時、本製品が付属してきたのですが(2015年モデル以降のブロンプトンに付属しているようです)、私はしばらく使っていませんでした。
使わなかった理由は、本製品を装着してもサドルのセンターは目視で合わせる必要があり、あまり意味がないと思っていたからです。
当時はマジックでシートポストに印を付けるという一般的な方法でサドル高を合わせていました。
しかし、頻繁に折り畳むせいかブロンプトン純正シートポストの表面が滑らかなせいかはわかりませんが、マジックで付けた印がすぐに消えてしまいます。
金属にも使える特殊用途用のマッキーも試したものの、それでもしばらく使うと消えてしまいます…
というわけで物は試しと思い、使ってみる事にしました。
◆使用感
結論から言うと「とにかく便利!」の一言です。
前述のように、サドル高を一発で決められても結局サドルのセンターは目視で合わせる必要があり、付けても意味がないと思っていましたが、実際はそんな事はありません。展開作業が速く快適になります。
思えば、【サドル高さを合わせつつ、その高さを維持したままサドルのセンターを合わせる】というのは意外に神経と時間を使うものです。
この2つの調整のうちのひとつがなくなるだけで、こんなに快適になるとは…
今まであまり意識していませんでしたが、ブロンプトンを折り畳み状態から展開する流れの中で、サドル高&センターを同時に合わせる作業に地味に時間を費やしていたようです。
私は本製品を使い始めてから、【折り畳み状態→展開→走り出す】という一連の手順にかかる時間が明らかに短くなりました。
あまりに使い勝手が良いので、今では3台所有するブロンプトン全てに装着しています。
取り付け方の詳細は説明書を見ていただいた方がわかりやすいと思いますが、取り付けの流れをザッと簡単に説明すると以下のような感じです。
装着に必要な物は、マジック、ハサミ、5mmの六角レンチです。
外したシートポストは汚れている事が多いので、ウエスもあると良いかもしれません。
取り付け手順は
1. 自分の適正サドル高に合わせ、シートポストにマジックで印を付ける
2. サドルを1番上まで引き上げる
3. シートチューブ上端に本製品の突起がある方を下にして押し当て、先ほど付けた印より上の部分をハサミでカットする
4. サドルとシートポストを外す
5. 本製品を突起がある方を上にしてシートチューブの中に入れる(適切な箇所で止まる形状になっています)
6. シートポストとサドルを元通りに取り付ける。
これで完成です。
私はマジックを使っていますが、付けた印を後で落とすのが面倒なら、代わりにテープか何かを使っても良いかもしれません。
本体には5mm程度の間隔で切れ込みが入っているので、ハサミでも正確に切ることができます。
このように、本製品ではサドル高さを約5mm感覚で調節する事になるので、これより細かい高さ微調整はシートポストのヤグラ側で行います。(純正シートポストは1cm程度の範囲内で無段階でヤグラ高を調整できます)
一旦取り付けてしまえば、構造上、ズレたり外れたりする事は全くなく、ガンガン使っても何の問題もありません。外観上、殆ど目立たないのも美点です。(写真)
ちなみに本製品はあくまでもサドルが設定した高さまで『しか』上がらなくなるパーツであり、設定した高さ以下なら未装着時と変わらず自由に高さ調整可能なので、ブロンプトンを他人と共有する場合でも、自分よりサドル高が低い人と共有する分には、本製品を装着しても問題は起きません。
接着剤で固定しているわけではないので、もし使ってみて気に入らなかったり、ブロンプトンを不特定多数の人と共有する事になっても外せばよく、何度でも再利用可能です。
乗る度に折り畳み&展開を繰り返す普段使いのブロンプトンで3年ほど使用していますが、劣化や不具合は全く感じません。耐久性も十分です。
重量もカット前ですら約12gで、実際に調整してカットするとほんの数gしかありません。
◆気になるところ
上記のように、装着するとサドル高さ&センター調整が格段に楽になり、外観も目立たず、使用によりズレる事もなく、重量増もほんのわずかという良いとこづくめのアイテムですが、本製品によって調整できる上限サドル高は、本製品を装着せず目一杯サドルを上げた状態から大体12.5cm程度下までの範囲内に限られているため、適正サドル高が極端に低い人は装着しても何も意味がありません。(装着しても適正より高い位置までサドルを引き上げる事ができてしまう)
もし装着を検討される方は、自分の適正サドル高が、未装着で目一杯サドルを引き上げた状態から約12.5cm下までの範囲内に収まっているかを確認した方が良いと思います。
また、本製品は、ハサミで切り取るにしたがって、装着した際の上限サドル高が高くなります。
例えば、本製品を装着中に薄いサドルに交換した場合、サドルが薄くなった分、サドル高が低くなってしまいますが、一回取り外してさらに切り取る事で適正なサドル高へ調整し直すことができます。
しかし、切り取って調整する関係上、逆はできません。
本製品を使っている中で、今よりも厚みがあるサドルへと交換したくなった場合は、新しい物を購入する必要があります。
純正シートポストに合わせて作られているので、社外品のシートポストでは使えない可能性が高い事にも注意が必要でしょう。
◆まとめ
とても地味で目立たないながらも、非常に有用なパーツです。
ブロンプトンは、スポーツバイクのようにポジションセッティングをシビアに合わせる自転車ではありません。
とはいえそれぞれの適正なサドル高に合わせる事によって長距離も快適に走れるのは、ブロンプトンもスポーツバイクも同じだと思います。
サドル高さを適当に合わせて走り出したものの、やっぱりしっくりこなくて何度も止まって微調整している方や、シートポストに付けた高さ目印がすぐ消えてしまうという悩みをお持ちの方、ブロンプトンの展開→走行を素早く行いたい方は、1度本製品を装着してみても良いかもしれません。
単体で購入すると高いですが(税抜1600円)、2015年モデル以降のブロンプトンなら小物として付属していますし、使ってみて気に入らなければすぐに外せるので(シートポストを1度下から引き抜く必要はありますが)、気楽に試せるのではないでしょうか。
価格評価→★★☆☆☆(単体では値段を2度見するほど高い)
評 価→★★★★★(ブロンプトンを畳む頻度が高い人なら効果絶大!!)
<オプション>
カタログ重量→ ?g(実測重量12g)