購入価格: ¥1,040 (税込) ※伝動機ドットコムで購入
標準価格: ¥2,777 (税込)
『White Industriesのフリーギアのシールドベアリングに互換性がある』
■ White Industries フリーギアのベアリングを交換
私はGIANT FIXER Rというシングルスピードに、White Industries ENO Freewheelというフリーギアを取り付けている。このフリーギアにはシールドベアリングが用意されており、ユーザー自身の手で容易にベアリングの交換が可能だ。1年くらいの使用期間では交換の必要はまだないのだが、気分転換に交換することにした。今回はNTN 6808LLBという非接触ゴムシール型を選んでみた。
NTN 6808LLB 深溝玉軸受 非接触ゴムシール型 (左)
分解したWhite Industries ENO Freewheel (右)
■ 高速回転を重視した非接触ゴムシール型
White Industriesのフリーギアに入っていたシールドベアリングは、ENDURO 6808VVというものだ。6808という呼び番号から、寸法は内径40mm、外径52mm、幅7mm。VVという記号から非接触ゴムシール型であることが分かる。これに相当するシールドベアリングがNTN 6808LLBだ。LLBという記号も非接触ゴムシール型を表す。接触ゴムシール型の場合はLLUになる。
非接触ゴムシール型は高速回転を重視したベアリングで、防塵性は良好だが防水性が低い。逆に接触ゴムシール型はシール性を重視したベアリングで、高速回転にはあまり適していない。非接触ゴムシール型は指でスルスルと回転するが、接触ゴムシール型は指で回しても明らかに重たさを感じる。
実際にWhite Industriesのフリーギアに接触ゴムシール型の6808LLUを取り付けると、実用上は全く問題ないが、やや重たさを感じる回転だ。しかも、ゴムシールのリップが内輪に接触するせいなのか、フリーギアが空転する際にクランクも一緒に回ってしまった。こんなこともあって、今回は素直に非接触ゴムシール型の6808LLBを選んでいる。
6808LLBは内輪とシールの間に隙間が見られる ※下は6808LLU
■ 純正のベアリング同様、全く問題なし
実際に6808LLBをWhite Industriesのフリーギアに取り付けてみると、空転時にクランクが一緒に回転することもなく、全く問題なく動作した。シールドベアリングを取り出して確認してみても全く問題はなかった。ただ、NTN 6808は高精度な日本製であるが、標準で採用されているENDURO 6808VVと比べても、走行のフィーリングに大きな変化はない。
そして、White Industriesのフリーギアをメンテナンスする際は、マニュアル通りラチェットにオイルを薄く塗る必要がある。逆にオイルを多く注入すると、シールの隙間から内部にオイルが入り、グリスと混じってシールドベアリングの外に出てくる。すると、オイルと混じったグリスがラチェットに詰まることがある。これはラチェット音が極端に小さくなったり、空転時にクランクが一緒に回転することで確認できる。これはENDURO 6808VVで経験した話だが、構造上NTN 6808LLBも注意点は同じだ。
また、ベアリングは剥き出しになってはいないが、フリーギア表面の金属製キャップやゴムシールには隙間がある。フリーギア内部に水がかかりにくい構造にはなっているものの、洗車の際にシャワーの水を直接かけるようなことはやめた方が良さそうだ。
取り付けた直後の6808LLB。キャップを取り付ければメンテナンス終了だ (左)
分解して取り出した6808LLB (右)
■ White Industriesのフリーギアに最適
NTN 6808LLBは私の好奇心を十分に満たし、メンテナンスを楽しませてくれた。交換しても走行のフィーリングに大きな変化はないということもあって、個人的には6808LLBは互換性のあるスモールパーツという位置付けだ。高精度な日本製の性能を期待してカスタムしても、体感できる効果があるかどうかはともかく、ある程度の満足感は得られると思う。少なくとも後悔はしないはずだ。
また、ENDURO 6808VVをスモールパーツとして海外通販で購入するよりも、NTN 6808LLBの方が国内で素早くリーズナブルに入手できる。何らかの理由で交換するなら、品質の良さと入手製の良さの両方の点でNTN製がおすすめだ。ただし、16Tのみベアリングの大きさが違うので注意が必要。念のため、交換前にベアリングのサイズをチェックしておいた方がいいだろう。
価格評価→★★★★★ (リーズナブルな値段)
評 価→★★★★★ (White Industriesのフリーギアのベアリングに使っても全く問題ない)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー