2019年1月3日、早朝。
今年最初の自転車走行ということで4時40分に自宅を出て、宇都宮市内の山に向かってMTBを走らせます。暗い農道に出て西進。
豪勢な冬の星座も、オリオン座が真西に沈み、おうし座、ふたご座、小犬座あたりを残して閉店気味。東天には夏のさそり座がはさみをチラつかせています。オリオン座を追いかけるように小犬座も西に高度を下げています。
「ぶしゅゎ~っ、バーン!!!」
4時49分。
日の出の時間までまだ2時間以上あり、真っ暗な時間帯。それは西に低く傾いた小犬座のあたりに唐突に現れ、砕け散って消えました。実は音なんて全く、聞こえていないのですが、その激光を音で表現してみました。つまり、猛烈に明るい流星、「火球」を目撃した、というわけ。
完全に不意を突かれましたが、明るさはマイナス9等級程度、とその時は思いました。ちなみに星の光度はマイナス1等級ごとに2.512倍(100の5乗根)ずつ明るくなるのですが、朝晩の空に輝く金星の最大光度がマイナス4.6等級程度なので、そこからさらに50~60倍の明るさ。(いえいえ、私の体内光度計による計測なので、超々いい加減ではありますヨ)
ちなみに満月はマイナス12.5等級程度。
この火球、明るさの割にはあまり長い弧を描かなかった、というか短くて極太な感じ。最後に爆裂しました。
で、朝7時前に帰宅し、流星目撃情報サイトを調べると、多くの目撃情報が上がっていたのですが、西日本、四国辺りの上空がどうやら、現場だったようです。ものすごい爆音で飛び起きたというような情報も。その日のニュースでは、大きく報道され、東京スカイツリーから捉えられた動画もTV報道されました。
こちらは香川県立三本松高等学校の報告です
http://www.kagawa-edu.jp/sankoh02/home/201901-fireball同校の記事によれば
>この火球は愛媛県伯方島上空から徳島県剣山上空を流れ、隕石落下の可能性があります。
とのこと。私が目撃した栃木県宇都宮市から、直線距離にして700kmほども離れていたことになります。流星が猛スピードで大気に突っ込んで、プラズマ化した大気が発光するのが上空100km程度。すると、私から見て仰角は8度程度となり、まあ、そんなもんだったわなあ、と言う感じです。さらに、この距離と流れた方向を考えれば、光の弧が短く見えたことも納得できます。また、いくら大爆音だったとしても、700kmも離れていると、そもそも音が聞こえるまでに30分以上かかるので、仮に、聞こえたとしても、「何だ今の音??」となっちゃうでしょうねぇ。ま、いずれにしてもこんなにすごいヤツを見たのは小学生の時以来…。
小学校5年の夏だったかなあ。夜、商店にシャンプーを買いに行ってくるように親に頼まれ、真っ暗な道を買いに行ったのですが、その時に、薄雲を明るく照らす強烈な光が天頂辺りをぶわ~っと流れて、それが不思議過ぎて、恐怖を覚えたのを憶えています。
ま、しかし、今となっては全然不思議じゃないんですが、いやはや、正月の初サイクリングでいきなり、イイモノ見ちゃったなあ~。
これで今年の運はすべて使い尽くした、という感じです。
※冬の星空はキレイですが、上を見ながら走るのはクルマや人通りの少ないところでどうぞ。
評 価→★★★★★
年 式→2019