購入価格¥7190
◆購入動機
街乗り用途のMTBで片面SPD片面フラットペダルのPD-M324を使っていましたが、長年使用して古くなったので買い換える事にしました。
XTグレードのPD-T8000かDEORE LXグレードのPD-T421で迷った結果、価格の安い本製品を選びました。
現在はE-BikeのTern VEKTRONに装着して使っています。
◆製品概要
シマノのクリッカーシリーズに分類されている、片面SPD片面フラットペダルです。
クリッカーは街乗りやビンディング初心者向けのシリーズで、ソールが柔らかめのシューズと固定力が弱めのペダルがラインナップされていましたが、シマノの日本サイトを見る限り、現在は本製品のみが継続販売されているようです。
ケージは樹脂製でリフレクターが装備されています。
付属のクリートは、通常のシングルリリースタイプのSM-SH51ではなく、マルチリリースタイプのSM-SH56です。
◆使用感
全体的に非常に使いやすいペダルだと思います。
まずビンディング面ですが、あえてSPDのバネ力を弱くしているクリッカーシリーズなので、固定力は弱いです。
バネ力を強めに調整しても、外しやすい事に変わりはありません。
ステップインは、パチンというよりズルッと勝手に嵌まる感触、外す時もカチャッというよりニュルッと外れる感触で、ステップイン・アウトの心地よさは全くないものの、製品の性格・使用用途を考えると、この設定はちょうど良い感じだと思います。
次にフラット面について。
経験上、こういった片面SPD片面フラットペダルは、どちらかというとビンディング面の性能を重視した物が多い印象ですが、本製品はフラット面の性能が良いです。
踏面がかなり広くソールが柔らかめのシューズでもペダリングしやすく安定感がありますし、ピンがないのでソールを傷めることもありません。
ピンがない事でグリップが悪いのではと思われるかもしれませんが、全然問題ないです。
このフラット面、一見すると単一素材の樹脂でできているように見えて、よく見ると滑り止めの部分は柔らかく粘りのあるゴムのような素材でできています。
ピンのようにガッチリ食い込む固定力はないものの、どんなソール素材・形状のシューズでも安定したグリップを発揮してくれますし、雨天時も全然滑らないので非常に快適です。
旧モデルで本製品と外観がほとんど同じPD-T420は、ここが単一素材でできていて特に雨の日は滑りやすかったのですが、見事に改善されています。
樹脂ケージという事で、やはり傷は入りやすいかなと感じます。
ただ、一般的なSPDペダルのように美しい表面仕上げや塗装がされていない分、傷は目立ちにくい印象です。(本製品もケージ以外の部分は塗装仕上げですが)
滑り止めのゴム部分の摩耗や剥がれもなく、十分な耐久性があると感じます。
軸の回転は若干重めです。
ロードやMTBのペダルならもう少し回転がスムーズな方が良いかなと思いますが、実用ペダルとしては十分な回転性能だと思います。
もちろん、通常時はビンディング面が後側、フラット面が前側になる重量バランスになっているので、発進時の踏面間違えもしにくいです。
◆気になるところ
機能的に仕方ないのですが、踏面が広くてボリュームがある外観なので、見た目的に装着するバイクを選びます。
樹脂製ケージで本体部分の仕上げの高級感もないので、機能面が良くても安っぽいから使いたくないという方もいるかもしれません。
また、クリッカーシリーズ特有のステップイン・アウト時の感触の悪さ(緩さ)は好き嫌いが分かれるでしょう。(バネ力を強めに調整しても弱い)
◆まとめ
過去、PD-M324やPD-T780(PD-T8000の旧型)も使っていましたが、これらはどちらかというとフラット面よりビンディング面の性能を重視しているように感じました。その点、本製品はフラット面の使い心地がとても良いです。
樹脂製ケージのおかげで、大ぶりな見た目の割には重量が軽いのも嬉しいです。(SPDペダルの中では重いですが)
SPDを使いつつフラット面の性能を重視する方や、シューズのソールを傷つけたくない方におすすめしたい、非常に使いやすいペダルだと思います。
価格評価→★★★☆☆(外観だけ見ると高いが、使えば妥当な価格だと感じる)
評 価→★★★★★(地味な存在ながら隠れた名品だと思う)
<オプション>
カタログ重量→ 418g(実測重量 片側214g)