購入価格 ¥1100~1600くらい (色んな所で買った)
定番中のド定番、パナレーサーの軽量チューブ。
当然ながらブチルゴム。
もうクロスバイクで遊びはじめた初期から、何年も愛用していて、合計で2~30本位は買って使ってたりしているはず……
■あくまでも個人的な意見、見解ではあるのですが、軽量チューブとはチューブそのものが軽量であって、ホイール外周面の軽量化に貢献するという側面。
それから、薄く、しなやかであるゆえ、ロードコンタクト時のタイヤの変形、減速、加速時のホイールの動きに対して、チューブがシュアである(動きに対して素早く同期してくれる、寄り添ってくれる)という側面。
その二点が主な利点かな、と思っています。
このチューブが非常に優れてるな、と思ったのは主に後者で、いわゆる「乗り心地が良い」っていうのは、コレに非常に起因しているんじゃないかな、と思います。
■CST(マキシス)、ビットリア、ミシュラン、シュワルベの軽量モデル、飛び道具的なFOSSと、いろんなチューブをいろんなバイクで色々と試しましたが、自分が試してきた中でブチルチューブというジャンルであれば、このR-Airが恐らく一番しなやかで、乗り心地が良いチューブです。
もう、本当にダントツに良いと言っていいくらい。
特に振動の吸収、減衰性に関しては、圧倒的に良いです。
いろいろあって、R-Airを敬遠している方に薦められた、シュワルベやマキシスの軽量チューブも試しましたが(同じフレーム、同じホイールで空気圧でセッティングかえたりしても!) やはりR-Airには及びません。
荒れたアスファルトの上を滑走していく時のピッチングが解決します。
公道を走ってる時、背後から走ってきたり、駐車していたりする車を避けて、多少荒れたアスファルトに車体を落とした時の、動きがいい。
そう言った場所で、ペダルを踏み込んで、力任せに加速しても、ちゃんとタイヤを路面に当ててくれる。
タイヤが跳ねて、トラクションが逃げてるな、という感覚を本当に抑えてくれる。
タイヤの個性を引き出して、ホイールの回転、タイヤのグリップ感に寄り添ってくれる感じ。
――最近の上質なカーボンフレームの自転車では、路面追従性も上がって、チューブそのものがそこまで仕事をしなくても、しっかりスムースに走ってくれるので、バイクやタイヤによってはいまいちわからないという感想もあるかもしれませんが……
(実際、サイドウォール剛性高いパナレーサーRibmoや、IRCのAspitePROでは、違いは感じますが、そこまで他のチューブとの大きな差を感じませんでした)
・それから特筆すべきなのは、リム打ちパンクの強さです。
他のチューブに比べリム打ちに強い……シクロクロスのレースでも、クリンチャータイヤに、R-Airを組み合わせて参戦していますが、木の根が張ったストレートでリム打ち上等に踏み倒しても、練習やレースでも、今のところ一度も、このチューブでリム打ちでパンクしたことはありません。
一緒に参戦してるチームメイトが、シュワルベのチューブで何度かリム打ちパンクを強いられてるのを見て、自分が彼に「R-Air使うといいよ」と薦め、交換してからは、リム打ちによるトラブルはなくなりました。
(自分自身はC4カテゴリで、昇格争いできるかな程度の走力ですから、それほど速いわけではありません。 速いカテゴリになると違った評価になってくるのかもしれませんが!)
サイズも33Cの太いサイズに対応したものが、入手しやすいというのも良いですね。
CX用のタイヤに使える33C対応のラテックスチューブが、入手困難なのを考えると、クリンチャーで、グラベルを快走するという使い道では、おそらくベストバイといえるのではないでしょうか。
■ただ、そのしなやかさ、走りの上質さはラテックスチューブには劣ります。
ミシュランのラテックスも同条件で履きましたが、やはりR-Airはブチルチューブです。
ラテックスチューブに比べると、振動の減衰感、減速加速の軽快感、走行時のビビリ感はどうしても劣ります。
リム打ちに関しても、データ上ではラテックスチューブのほうがブチルよりも良いと言われてるようですが、コレに関しては、CXに使えるラテックスチューブを手にしたことがないので、なんとも評価しづらいところです。
(チャレンジから出てるらしいけれど、売ってるのを見たことがない……)
なので、ラテックスにも劣らない!というのはさすがに言いすぎかな、と思います。
ここ一番のレースやヒルクライムに遊びに行くなら、自分ならラテックスチューブを入れちゃうかな……
でも、エアの保持はブチルチューブなので安定しています、ラテックスみたいに頻繁に空気を入れないと、気圧下がっちゃって走れないってことはないですね。 その辺は普通のブチルチューブとくらべても遜色なく感じます。
■総括して
ロングライドで走られる方にはおすすめできるチューブです。
乗り心地がよく、いろんなサーフェイスや交通状況に対応していくロングライドには、本当にこのチューブが似合うんじゃないかな。
ラテックスよりもエアの保持もいいし、リム打ちにも強い。
特にレーシーなアルミバイクでロングライドされる方には、少々ファットなタイヤにこのチューブがイージーライドに誘ってくれるはず……
入手性の良さもいいし、サイズのラインナップもいい。
あまり安いチューブではないけれど、それでもたかだか数百円上乗せで快適になるんだから、全然厭わないんじゃないかな。
レースやタイムを争いたいならラテックスチューブが良さそうだけど、ラテックスチューブのカーボンクリンチャーとの相性を考えれば、R-Airの出番はありそうです。
■余談
R-Airのチューブの話題になると必ず上がるのが「品質問題」
バルブが不良だったり、すぐに破けてしまったり、ここでもそう言った感想が上げられています。
しかし、自分自身に限っては、単純に「非常に幸運」なだけなのか、7年近く、最初に上げたように2~30本使ってきて、一度も製品不良に付き合わされたことはありません。
なので「本当なのかなあ……」というのが自分の意見ですね。
異物が原因でないパンクもしたことあります。
同じチューブを4年近く使ってきて、そこで初めて小さく破けたり、コアが傷んでダメになったこともあります。
が、全てにおいて 「自分自身の運用に心当たりがある」 ので、製品不良だと思ったことはないですね……
そもそもR-Airにかぎらず、高圧に常に晒されるタイヤチューブは1年半~2年くらい使ったら、パンクしていなくても新しい物に交換したいところです。
価格評価→★★★★☆(安くはないけど、所詮チューブ、そう高価なものではない)
評 価→★★★★★(これは良い、ブチルというジャンルでは最高に良いと思う)