購入価格 ¥6,600
まだスポーツサイクルを始めて間もないころ、度肝を抜かれたのがユッチンソンのパイソンでした。タイヤサイドの黄色のラインがなにしろ強烈で、ブームにも乗せられて買ってしまいました。当時は走行性能なんて気にもかけず、派手なフレームに似合う派手なタイヤ万歳という感じで、ボロボロになるまで使い倒した思い出の一品です。このタイヤの話になると、カラーパーツてんこ盛りのバイクに自慢げに乗っていた己の姿が脳裏に浮かび、顔を赤らめずにはいられないのですが・・・・・・。ほろ苦いですね(笑)
そんな思い出深いパイソンですが、ブロックパターンに若干の改良は加えられたものの、今もなお当時の面影はそのままに、ユッチンソンの主力商品として頑張っています。思い起こせば、私が初めて買ったチューブレスタイヤも、このパイソンなのでした。そして、今現在までパイソンのチューブレスを愛用し続けています。
では、このタイヤの魅力とは一体何なのでしょうか。それは、バランスの良さに尽きると思います。つまり、まずまずのグリップとそれなりに軽い走行感、そして、そこそこの耐パンク性と耐久性です。狭い間隔で並ぶセンターノブが根元で繋がっているため、転がり抵抗が抑えられ、耐パンク性の向上にも寄与しています。また、サイドノブは必要十分な高さとしなやかさを持ち、バイクを倒しこんだときにも安心感があります。このブロックの配置が、上記のどの要素も犠牲にすることなく、バランスのとれた性能を生み出しているようです。それから、手で簡単にタイヤを嵌めることができるのも、忘れてはならない評価ポイントです。舗装路を延々走って林道を登り、シングルトラックを楽しむという私のスタイルに適した、オールラウンドなタイヤなのです。
チューブレス・ライトのほかに、チューブレス、MRCハイ・チューブレスと歴代のパイソンシリーズを10本ほど乗り継いできましたが、致命的な欠陥は見られず、品質が安定しているように思われます。10という数では統計的には無意味かもしれませんが、この印象という要素を品定めの際に排除するのも難しいのではないでしょうか。中には、エア漏れの程度が甚だしいものもありましたが、ほとんどは寿命まで使い切ることができました(現役のものもありますが)。ただ、MRCハイだけは、タイヤサイドのグレーの部分に無数に傷が入ってしまい、途中で使用を中止したことがあります。なお、これら3種類のタイヤの違いは、私のセンサーでは感知することができませんでした。
という訳でパイソンに不満はありませんし、実際素晴らしいタイヤだと思うのですが、長年使い続けてきたために、正直なところ食傷気味なのは否めません。こう書くと否定的に聞こえてしまいますが、過去に試したどのタイヤもこのパイソンを打ち負かすことができなかったからこそ、飽きるほどの長い付き合いになってしまったわけで、パイソンは連戦連勝のディフェンディングチャンピオンといえるのです。今は、このパイソンを凌駕するタイヤとの出会いを楽しみにしています。その最有力候補は、同じユッチンソンのコブラだと踏んでいるのですが。
価格評価→★★★☆☆(いつの間にかひどく値上がりしてた、と思ったらまた値下がりしてた)
評 価→★★★★☆(4.5点かな。満足だが、最高ではないはず。コブラへの期待も込めて)
年 式→2009
カタログ重量→670g