購入価格: ¥8,400 (税込)
標準価格: ¥11,090 (税込)
『重さ以上に得られるメリットが大きい。強度、剛性、直進安定性、ブレーキ性能、ルックス等、全てにおいて満足』
■クロスバイク用の手組ホイールに選んだリム
高性能、高精度なホイールコンポーネントを製造するDT SWISSのロード用リムがRR585だ。PAXCYCLEにクロスバイクGIANT SEEK R3のホイールを依頼した際に提案されたリムがこれだった。高めのリムハイト、剛性感、耐久性、平地巡航、直進安定性という希望を出したので、このリムが選ばれたのだと思う。
DT SWISS RR585を使って組んだホイール。
■自転車の足下を引き締める美しいルックス
オーダーの際にリムハイトは30mmを指定した。リムが高い方がかっこいいが重くなりそうだったので、運動性と見た目のバランス重視した。リムハイトが30mくらいでも、クロスバイクの重厚感は増す。ブレーキ面がCNC加工されているので、実際のリムハイトよりは低く見えてしまうのだが、アルマイト加工されたブレーキ面がボロボロになるよりは良い。
このリムの仕上げは丁寧で、DT SWISSの品質の高さを感じさせる。このリムを使ったホイールをクロスバイクに履かせると、まさにラグジュアリーといった感じだ。また、RR585のブラックは半光沢で、コンポーネントをブラックで統一している場合には合わせやすい。
大きなステッカーはレーシーな雰囲気を出し、ホイールの存在感を強くアピールする。だが、赤のステッカーは私のクロスバイクには似合わなかったので、RR585のロゴを残して赤い部分を切り取った。これならRR585をさりげなくアピールしつつ、フレームやコンポーネントの色に合わせやすい。
丁寧な仕上げとレーシーなステッカー。
■クロスバイクのタイヤ幅にも対応
リム幅は19.5mmだが、タイヤサイズは700×19〜35Cまで対応する。日本の代理店のサイトでは推奨タイヤサイズの記載が異なるが、本国サイトの方が正しいと思われる。もちろん、SEEKに装着した28Cのタイヤでも問題なく使える。28Cより細くするつもりはないが、32Cには戻す可能性もあるので、この推奨タイヤ幅は私には嬉しい。
ただ、純正ホイールよりもリムが細くなったので、Vブレーキのケーブル固定ボルトとクリックリリースの間隔(A寸法)が下限ギリギリだった。SEEKは太めのタイヤも履けるように、フォークやシートステーの左右の幅が広くなっているからだ。特にMTB寄りのクロスバイクに、このリムを使う場合は注意した方がいいかもしれない。
DETONATOR FOLDABLE 700×28Cを装着。
■高い直進安定性が特徴的
さて、実際にこのリムを用いたホイールで走行してみると素晴らしいの一言。SEEK純正ホイールのもっさり感は消え、キビキビと走れるようになった。このリムは硬い円盤が転がるような感覚が印象的で、非常に高い直進安定性を感じた。また、リムの高さのエアロ効果と相まって、今までにキープできなかった速度での巡航ができるようになった。
実はこのホイールをGIANT FIXER Rに付け替えて楽しんだことがある。フロントのみとはいえ、FIXERでも直進安定性の高さを感じることができた。その後に手に入れたKINLIN XR-300を使ったトラックホイールよりも、RR585の方が直進安定性の高さを感じる。うまく表現できないが、リム自体の硬さとでも言ったらいいのだろうか。軽いリムではないが、そのかわりに強度や剛性は高く、平地巡航に向いていると思う。
GIANT FIXER Rに装着してもRR585の特徴を強く感じる。
■ドライコンディション用のVブレーキシューがおすすめ
CNC加工されたブレーキ面は美しく、ブレーキ性能も申し分ない。溶接ジョイントなので当然段差はなく、ストレスなくブレーキをかけることができる。摩耗インジケーターは片側に14箇所もあるのもポイントが高い。
ただ、Vブレーキにこのリムを使う場合、M70CT4のようなマルチコンディション用のシューとは相性が良くない。M70CT4はリムへの攻撃性が高く、少し走っただけでシューに金属の銀色の粉が付着する。問題なく使いたいならドライコンディション用のS70Cの方が良いだろう。
左 : BR-T780のブレーキシューはS70Cに変更。
中央: 溶接ジョイント
右 : 摩耗インジケーター
■重量のデメリットを打ち消す高性能リム
唯一の欠点が585gというリムの重さだが、その代わり高い強度を実現しているので得られるメリットも多い。それでもSEEK純正ホイールよりは軽く仕上がっており、私はメリットのみを享受することができたと感じている。
加速や坂を重視したい場合は、このリムの重さが影響するはず。シングルスピードのホイールもまた、ストップ&ゴーの多い都会ではきつくなるかもしれない。このリムを採用したいなら、平地巡航や直進安定性を重視したい場合になるだろう。
私はDT SWISS RR585をクロスバイク用のホイールに選んで本当に良かったと思っている。高い性能と美しいルックスに大満足だ。
価格評価→★★★☆☆ (値段の高いリムだと思ったが、実際に使って納得)
評 価→★★★★★ (私はそれほど重さを感じない。楽に走り回れるようになって嬉しい)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→585g