上の追記レビューです。
皆さんお待たせしました?ようやく私、本人のレビューが書けるようになったので書かせて頂きます。外観に関しては前のレビューを読んでください。今回は実際に乗ってみて感じた性能について焦点を当ててレビューさせていただきます。比較対象はSHIMANOのWH-R561やWH-R500、以前使ったことのあるWH-7801SLです。タイヤはコンチのグランプリ4000Sです。
まず結果から言うと、コストパフォーマンスは高いが値段なりのホイール。決戦用ホイールと呼ぶには性能が足りない。です。
ホイールの性能を語るには登坂での性能(主に軽量性)、平地での性能(主にエアロ部分)、快適性、剛性(縦横どちらも)、ブレーキングだと思いますので、それら一つ一つについて書かせて頂きます。
まず、登坂での性能
一言で言うと良いです。さすが1500g台のホイールであるだけあって軽快に上れます。リアハブのラチェットの掛かりも良いのでダンシングしても良い感じです。特にリアは左右共に交差組みで組まれているのでダッシュしても全たわむ感じはありません。ただ、同じ1500g台のWH-7801に比べると劣ります。WH-7801はWH-R561などに比べギア2枚分軽い感じがしましたが、こいつはギア1枚分ぐらいしか軽くなった感じがしませんでした。ここは値段の差が出てると思います。
次に平地での性能
これはあまりよろしくありませんでした。WH-R561に比べても劣る感じです。R500と比べてもちょっと劣ってるんじゃないかと感じてしまうくらいでス。25km/hまでは良いのですがそれより上、特に30km/hを維持するのが少々しんどいです。漕いでないとすぐ失速してしまいます。これの原因はスポークにあると思います。これはこいつが完組みホイールとして売られていますが実はスポーク数が若干少ないだけの手組ホイールだからです。F20ラジアル、R24の交差組みでスポークは15番プレーンスポークです。対してWH-R561はF16ラジアル、R20フリー側ラジアル、反フリー側は特殊交差組みで、セミエアロスポークが使用されています。R561と比べるとスポークの本数差は8本で更にプレーンスポークとセミエアロスポークの差があります。これらが非常に大きなエアロ性能の差を生んでいるとため平地での性能があまり優れなかったのではないかと感じています。リムの重量差ですがおそらくR561の方が重いのでそれも多少の差はあるかと思いますが、スピードを更に上の40km/h以上から伸ばしていったときの差が非常に大きかったのでエアロ性能の差の方が大きいと思います。写真で見れば一目瞭然です。フロントのみですが
・ALX440SL
・WH-R561
たった4本のスポークの差ですが非常に差が大きく感じます。写真では分からないですがプレーンスポークとセミエアロスポークの差も大きく感じます。
先にも述べたとおりこれはメーカー製の手組ホイールなのでスポークは汎用品ですので、たとえばSAPIMのCX-RAYなんかに交換すればエアロ性能は改善するでしょうが、CX-RAYは現在1本350円程度します。前後交換すると計44本のスポークが必要になりますので、350×44=14960円もかかってしまいます。正直、これでどこまで改善するかも未知数なので、よほど安価にセミエアロスポークが手に入らない限り、交換せず、おとなしくより上位のホイールを買うための貯金をしたり、安いタイヤを付けてるならより良いタイヤに交換するなどのカスタマイズをするほうが効果的だと思います。
次に快適性です。付けているタイヤが4000Sと硬めのタイヤなのもありますが、思ったよりも良くありません。R561と同等レベルだと思います。これはこの440SL自体が、開発する際に参考にされたホイールがMAVICのキシリウムだったそうなのでそれの影響を受けたためだと思います。以前ちょこっとキシリウムに乗らせてもらったこともありますが、確かに近い印象です。ただ、多少の剛性とダッシュ力を犠牲にしてリアのスポークテンションを下げたり、タイヤの空気圧をいじったり、快適性の高いタイヤをあわせれば問題ないと思います。ちなみに快適性は良くないと書きましたが、私自体は快適性の悪い状態に慣れてるのである程度耐性がある人にとっては問題にはならないでしょう。
次に剛性です。
縦横共に良好です。WH-R561より良いと思います。これはスポーク本数が多い恩恵でしょう。踏み込んで上り坂スプリントしたり、下りのカーブでも膨らむようなことはありませんでした。参考にされたキシリウムの影響もあると思います。まぁ私が体重が軽いライダー(現在49kg)だからというのもあるとは思いますが。WH-R561より優れた感じがしますし、正直これくらいの剛性があるなら20kg以上荷物を積むキャンピングツーリングに使ってやっても大丈夫な感じがしていますので、体重が重い方でも剛性不足に悩まされるということはないと思います。
最後にブレーキングですが、これは良好です。
リムのブレーキ面は丁寧に加工されていて効きムラがある感じはありませんし、良好に効いてくれています。ウエットでは試していませんが、この感じだとウエットでも大丈夫だろうと思います。
さて、長々と書かせていただきましたが統括すると
・登坂での性能 ・・・ ★★★★☆
・平地での性能 ・・・ ★★☆☆☆
・快適性 ・・・ ★★★☆☆
・剛性 ・・・ ★★★★★
・ブレーキング ・・・ ★★★★★
・総合 ★3.5くらい
です。やはり同重量レベルで価格が上のホイールと比べると性能不足が否めません。同価格帯のホイールと比較しても平地での性能が若干低いのもネックです。正直、総合的な性能ではWH-R561の方が優れていると感じました。手組ホイールと比べ、やっぱりハブやリムからトータルに設計された完組みホイールの完成度の凄さを感じました。
レースで使用しても問題ないレベルだとは思いますが、性能からするとヒルクライムでタイムアップを狙うには十分だと思いますが、表彰台や優勝を狙うには役不足、ロードレースではエアロ性能がネックです。どちらかというと速く走るホイールではなく、楽に走るためのホイールだと思います。練習でガンガン使っても大丈夫そうな感じですから、デイリーユースでガンガン使ってあげて、途中の上り坂をちょっと楽したいという思いで使うのが良いでしょう。
マジで走ることを目的にして買うとちょっとがっかりしちゃうかもしれません。
とはいえコストパフォーマンスは良好で、メンテナンス性や壊れたときの補修も簡単なのでとりあえず安くそれなりに走るホイールで、特に上りで楽したいならお勧めできます。総合性能を取りたいならこれよりシマノやマビックの同価格帯のホイールのほうが優れていると思います。
価格評価→★★★★★(今回の価格なら、あさひだと4万レベルなのでその価格なら★3つ)
評 価→★★★☆☆(正確には★3.5。正直もう少し、総合性能が高いと嬉しかったがそうではなかった。完組みホイールの凄さを勉強させていただきました。)
<オプション>
年 式→ 2011
カタログ重量→ 1570g(実測重量 1555g)