購入価格 ¥42,000くらい
XTグレードのVブレーキ専用モデル。USTチューブレスに対応している。
「今時Vブレーキ専用?売れるのか?」と思うが、ショップの店員曰く、「ディスク非対応のフレームを使用している人が買っていった」らしい。やっぱ売れないのね・・・。
少しでも軽量化を望み、Vブレーキ専用モデルを好むXCレーサーもいるらしいが、そのような方々はXTRグレードのM970やMAVICのクロスマックスSLR、FulcrumのRedMetal ZEROあたりがターゲットであり、WH-M770に食指が動くかというと・・・というのはまた別の話。
前置きが長くなってしまったが、WH-M770を6000kmほど使用した感想を。
リアキャリアを装備したロングツーリング時に使用。あとは通勤でも使用しているが、通勤は近距離なので参考にならないと思い、ここではツーリング時の使用感を主にレビューさせて頂きます。
(申し訳ありませんが、山道では別のバイクを使用している為レビューできません。)
ツーリング時はリア14kgくらいの荷物と2kgぐらいのフロントバッグ、70kgのエンジンを搭載。1日120km~150kmも走れば良いほうという程度。
車体はハードテイルのアルミフレーム(CannondaleのCAAD4)、Vブレーキは同じくXTグレードのBR-M770、タイヤはSchwalbeのマラソンレーサーを使用。
まず、乗り出して思うのは軽いこと、そしてブレーキングが素直なこと。
XTハブの性能、ホイールの軽さと剛性が組み合わさってか転がりが非常に良い。平地ならばフロントサスをロックすれば軽快に走行できる。足を止めてもなかなか回転が落ちない。が、ある程度のラインを超えるとそれからは早い気がする。重量を考えれば仕方がないのだが。。。
ブレーキングについては、総重量100kg超の重量物を搭載しながらも非常にクイック。これはブレーキ本体の性能にも依存するが、Deoreクラスのホイール・ブレーキでは、ブレーキレバーを握ってから一瞬のタイムラグがあったが、それがない。ホイール剛性が高い為、Vブレーキのストッピングパワーに負けてのホイールの撓みが少ないからであろう。握れば握った分だけ制動力を発揮してくれる。
コストパフォーマンス、重量、剛性、転がりの良さ。総じて見れば非常に良くできたホイールだと思う。
気になる点を上げれば、振れが出やすいこと。個体差かもしれないが、気がつけば0.5mmに満たない程度の横振れが発生しているが、100kg超の荷重を受け止めていれば仕方のない事と言えるかもしれない。
ディスプレイスタンドに乗せた状態で素人でも簡単に直せるレベル。ひょっとして、1つのニップルが悪いだけなのかもしれない。
SHIMANOさんが何を考えてこの価格帯でVブレーキ専用ホイールを設計・製造したのかはわかりませんが、以下に当てはまる人は本当にこのホイールお奨めです。
・MTBでロングツーリングに出たい。(←上記レビューに加え、メンテナンス性が非常に良い。輪行も楽々)
・通勤用のMTBをグレードアップしたい。(←メンテナンス性・軽量性に優れる)
・シングルトラックで楽しみたい。(←油圧に頼りすぎているのがわかります)
・古いMTBをレストアして乗りたい(←ディスク台座分の軽量化と考えるんだ!)
以下、蛇足
現在、MTBを購入すればディスクブレーキ装備がほとんどで、カンチ台座すらないフレームの方が多い。「ロードとの一番の違いはフラットバーとディスクブレーキです」と言って、初心者に対してロードとMTBの違いを喧伝するショップもあるという。
その是非をここで問うつもりは無いが(そもそもホイールのレビューだしね)、「Vブレーキは時代遅れ」というような扱いはどうかとは思う。
再度ディスクとVのお互いのメリ・デリを見直せば、うまく住み分けができると思うのだが・・・
価格評価→★★★★★(この価格でこのホイールは凄いと思う)
評 価→★★★★☆(XTRグレードにもVブレーキモデルがあるので。)
<オプション>
カタログ重量→ 1670g(QR抜き)