テンションディスク
購入価格 ¥70000くらい
そうだ忘れていました。90年代初頭のマウンテンバイク全盛期の定番(?)パーツ。 ホイールそのものをチューニングするという発想が初めてMTBに持ち込まれた金字塔、 しかも開発は日本。当時ロードはカンパ全盛の中、いわゆるコンポのメーカーが果敢に 新ジャンルのR&Dを行った様に、このテンションディスクも世界商品になりました。 日本人の僕らとしても誇っても良いと思います。
テンションディスクはスポークの代わりに、36Hないし32Hのニップル部分に ケブラーの糸をあやとりする様に張り巡らし、樹脂フィルムでサンドイッチした構成 で、放射状に組まれたスポークドホイール(一部クロスしているけど)より、テンション の伝達性が良く、リムの変形を効率よく分散させることから、ショック吸収が良いと いわれたディスクホイールです。また、走行時なんとも言えない乾いた音がもれなく ついてきて、嫌が上でも気分を盛り上げてくれるレース用パーツでした。
これほどまでにイノベーティブな商品が他にあったろうか?と思うくらいのもので、 非力なエンジンの力をあますところなく路面に伝えるという意味でもサスやディスク と言ったモーターサイクル由来の技術をMTBにアプライするものより独創性に富んでいた と思います。
実際の使用感もグリップの向上、空力等の面で、スポークで組んだホイルを凌駕していた と思います。しかし、構造上、ケブラー糸とフィルムが一定時間走行すると必ず剥離 (早いと2000kmくらいで不具合が出るものもありました)することや、ハブとの勘 合部、ニップル周辺のノビ等耐久性には難がありました。このため、リアサスペンシ ョンが本格的な普及期に入ったあたりで姿を消して行きます。リアサスになると、ホ イルは完全な剛体で、むしろSPINの様なコンポジットホイールの方が(ルックスもあ ると思うけど)珍重された気もします。
でも、なんというか、、決戦の時に使う飛び道具みたいな感じで、今でも印象に 残っている人、多いのではないでしょうか?
価格評価→★☆☆☆(XTとARAYAのRM17、ウィールスミスで組んだ車輪が 35000円くらいだった頃に、リアのディスクシートのみでしかも消耗品が 70000円というのは破格でした) 評 価→★★★★☆(これでしか得られないのり味は確かにあったし、 発想も先進的でした) 年 式→1989あたりにもう、柳原選手が世界戦の選考会で使ってました
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