購入価格 ¥3000
Formula現行モデル用のBleeding Kit。シリンジ2本とチューブとブリードニップルが付いている。要はエア抜きキットで、シリンジでエアを吸い出すタイプになる。
重要なのはシリンジではなくブリードニップルで、あとは正直なところホームセンターで売っている物で良い。こんなパッケージで3000円なんてぼったくりにも程があるように思うのだが、どのメーカーもこのぐらいなので仕方がない。指定ブレーキフルードであるDOT4は付属しないので別で購入した。Castrolのフルード(500mlで1400円)を使用しているが、特に問題は無い。シリコン系や鉱油系は使えないので注意。
Formulaのブリーディングは基本的には簡単にできるようになっているのだが、実はセットが最も重要かつ最も用意しにくい。ブリードポートをマスターシリンダー(レバー側)、キャリパー共に真上に向ける必要がある上、ブリーディング中に一度ブレーキを掛けた状態にする必要がある。手順やセットを用意するために必要なものはFormula Brake USAのBleed Instruction(
http://formulabrakeusa.com/formula/wp-content/uploads/2009/11/bleed_instructions_final.pdf)に詳しく記載されているのだが、不要なハンドルバー、クイルステム、ハンドルをしっかりと固定する物(写真ではベンチバイス)が必要とされており、同じ環境を簡単に再現するのは難しい。要するに安定した状態でブリードポートを上に向けられれば良い訳で、そこは何かしら工夫すればできないわけではないが、挑戦する際はここが一番のネックになるのではないだろうか。
これは私がブリーディングした際の写真だが、やはりこれもメンテナンススタンドが無ければ成り立たない。クイルステムはバーエンドで代用したが、ハンドルの固定が一番悩み所だろう。上に書いた通りレバーを握る必要があるため、今回はローターをタイラップで繋いでキャリパーを固定しているが、DOT4がブレーキパッドに付着すると全く使い物にならなくなるため、何れにせよ予備のパッドを用意しておいた方が良い。ローターに関してはパッドスペーサーや厚みのある板などで代用できるが、どこかにキャリパーをうまく固定する必要があるため私はこの形でブリーディングするのが一番楽だった。
詳しい手順は上のリンク先を参照してもらうとして、簡単に手順を説明すると、
1.シリンジを組み立てる。この際、タイラップの固定が甘いと無限気泡地獄に陥るため、とにかく隙間の出来ないようしっかり固定する方が良い。また、標準のチューブは長すぎるため半分ぐらいに切った方が使い易い。
2.DOT4を片方に半分ぐらい、もう片方に少し入れてキャリパー→マスターシリンダーの順にシリンジを繋ぐ。量が多い方をどちらに繋いでも良い。
3.多い方をゆっくり押すと、少ない方からDOT4が出てくる。この際にホース中のエアが抜ける。少しだけ出てくる方を引いてやるとスムーズに流れる。
4.気泡が出なくなるまで繰り返す。
5.ブレーキレバーを握り、マスターシリンダーとキャリパーを隔離する。
6.隔離したまま、マスターシリンダーとキャリパーのシリンジを引き、エアを吸い出す。(片方ずつ作業すればよい)
7.エアが出なくなったら、外す際に軽くシリンジを押しDOT4を完全に充填させてからキャリパー→マスターシリンダーの順に外す。
8.付着したDOT4は塗装を痛めるため綺麗にクリーニングする。
これで完成となる。タイラップの固定が甘いと手順7で苦労するので特に気を付けた方が良い。
隔離した後のエア抜きに苦戦しのべ8回やり直したが、やっと正規のタッチが戻って安心した。やはりどこかで失敗しているとグニャっとしたタッチになるため、正しいタッチを知っている人でないとゴールがどこか分からないかもしれない。
疲れる作業ではあったが、基本的には単純な作業なので難しくはない。ただ、もうエアを噛んで欲しくないのは間違いない。
価格評価→★☆☆☆☆(500円でブリードニップルだけ売ってくれ)
評 価→★★★☆☆(あまり使い易くない)
なお、ここに記載する手順は私が上記のリンク先を読んで解釈した物であり、今の所全く問題は出ていないものの完全に正しいかどうかは分からないため、ブリーディングする際はリンク先を熟読した上で自己責任で行う事を強く推奨する。リンク先を読むのが面倒な人は自分でやらない方が良い。