購入価格 ¥3675
深夜発のロングライドで150キロほど走り、寝不足でヘロヘロの状態で、帰宅するまで少なく見積もっても
まだ80キロぐらいはあるよな~、と薄れつつある意識の中で考えながらペダルを回していると、キィキィと
虫が鳴いているような耳障りな高音が聞こえてきた。
しかも、2~4種類の虫が仲良く合唱してやがる。
横を走る渋滞中の自動車かと思ったが、どうも違う。
ブレーキレバーを軽くにぎにぎすると、鳴き声が止まったり、ちょっとマシになったりする。
げげっ、俺かよ・・・
ディスクブレーキのパッドとローターが擦れている音とは違う気がするのだが、どう考えてもディスクブレーキが
原因だ。
いかにも整備不良の自転車っぽくて、かなり恥ずかしい。
眠いし調整するのが面倒だなと思いながらも、あまりに不愉快な音なので停止してパッドとローターのクリアランスを
調整しても、何度かブレーキをかけているうちに、やっぱり虫の合唱状態になる。
調整中に気がついたのだが、パッドから生えている棒状のタブ(この呼び方でいいのか分からんが、本レビューでは
そう呼ばせていただく)が片方折れてました。
右が折れた方
シクロクロスやった時に小石でも噛んで、折れちゃったかな?その時に、ブレーキそのものも動きが怪しくなったかも
しれない。でも、シクロクロスの帰りはなんともなかったんだけど。
などど考えながら、調整を終えて走り出してブレーキを使うと、やっぱり鳴く。
5回ぐらい鳴く~調整を繰り返して、そのうち「やってられるか!」と思って、鳴きまくるフロントは使わずに
リアだけ使って帰ってきました。
家に帰ってきて、落ち着いて調べてみて分かったのが、ブレーキレバーを握って離すとパッドが元に戻らない。
何度かブレーキを握ると戻ることもあるが、基本的に戻らない。
パッドとローターのクリアランスを緩めると戻る。
→調整前には必ず緩めるので、外出先でこの問題に気がつかなかった。
パッドを外してみると、ブレーキレバーを離した時に、パッドを元の位置に戻すためのバネが折れてました。
そりゃダメだろ。
幸い手元に予備のパッドがあったので早速交換・軽く調整してホイールを手で回してみると、カカカカッとけたたましい
快音じゃなくて異音が。
新品のパッドに交換したのに、悪化してないかコレ?
ディスクブレーキにしてからまだ1年も使ってないのに、ぶっ壊れたか?まさか油圧式に買い換えろというIYH神の啓示か?
何ごと?と思って観察すると、前述のブレーキパッドのタブとIceTechローターの黒いアームが干渉して、強度で
負けるタブがひん曲がってました。
タブが折れたのは、シクロクロスのせいではなく、IceTechローターとの相性が原因であった。
ローター径によって相性問題が発生しない事も考えられるが160mmは、少なくともダメでした。
なんで前回パッドとローターを交換した時に気がつかなかったかはナゾである。
BB7とは仲の悪いIceTechローター
【教訓その1】
BB7のブレーキパッド(SRAM Avid)と、IceTechローター(Shimano XT)は相性が悪い。
右側(内側)パッドのタブを折ってやれば、この相性問題は解決します。
ペンチでむしり取るようにすれば、あまり力を入れずとも、タブは折れます。
パッドを抜いたり、挿したりする際にタブが使えませんが無くてもなんとかなります。
挿す際、私はプラハンマーでタブをぶっ叩いていたのですが、交換用に外したパッドをあてがって叩けばOK。
本来の外し方は、タブを持ってブレーキキャリパーとパッドを引き剥がして、引っこ抜くのですが、キャリパーとパッドは
強固に固着しているわけではないのでマイナスドライバーやカッターナイフの刃で隙間を開けて、ラジオペンチ等で
引き抜けばOKです。
(あんまり推奨できない方法ですが、これでパーツ破壊するとは思えません)
レビューを書いてて思ったのですが、タブは根元から折らなくても、半分ぐらい残しておいてもローターとの干渉は
防げます。でもまあ、全部折った方が、微力ながら軽量化になるんで良しとしよう。
【教訓その2】
予備のブレーキパッドを携帯しておくこと。
バネが破壊された原因は不明です。
最初は折れたタブを噛んだのかと思ったのですが、タブが折れたのは右側で、バネが破壊されたのは左側です。
折れたタブとの関連性は完全には否定できませんが、別の問題であると考えています。
よって、外出先で壊れてもいいように予備のパッドを携帯しておくこと。幸い、サイズ・重量共にたいしたものではないし。
外出先で予備が無くて、私のようにフロントブレーキが壊れた場合は、リアのバネをフロントに移植した方が良いかと
思います。
以下はブレーキパッド単品の評価です。
今回使用したのはオーガニックコンパウンドというもので、きっとパッド部分に天然素材が使われているのでしょう。
以前はオーガニックでは無いタイプも使っていましたが、効きの違いはあんまり感じられません。
どちらかというと製品差よりも、調整に関わる部分のバラつきが多いので、純粋なパッドの評価が出来ないというのが
本音です。
使い始めはパオォーンと鳴きますが、街中で10分も走れば鳴きやみます。
オーガニックの方がパッドの減りが若干早い気がします。
きちんと距離を測ったわけではないのですが、街中メインで2000キロぐらい走ってパッドは半分ちょっと減ってました。
私の場合、使用率の高いフロントは3000キロを超えたら交換目安です。
リアはその2~3倍はもつと思います。
価格評価→★★★☆☆(JAGWIREの方が安かった・・・)
評 価→★★★☆☆