購入価格: ¥743 (税込)
標準価格: ¥743 (税込)
『TRPのロード用ディスクブレーキパッドと互換性を持つ。特に静粛性が高い』
■ TRPのディスクブレーキパッドと互換性を持つ”B01S”
私が所有するロードバイク「GIANT DEFY1 DISC」には、TRP SPYRE-Cというメカニカルディスクブレーキが採用されている。DEFY1 DISCに付属するローターとの相性は良好だが、急減速する際にキュルキュルと音鳴りがしたり、停止直前にパッドとローターの擦れる音がすることがあった。ストレスを感じるようなレベルではないのだが、さらなる静粛性を求めてパッドを交換することにした。
実はTRPのロード用ディスクブレーキは、「SHIMANO B01S」というレジンパッドと互換性があり、SPYRE-Cにも装着することができた。B01Sは基本的に静粛性が高いブレーキパッドだが、他の性能を十分に発揮できるかどうかは、ディスクローターとの相性次第だ。
SHIMANO BR-M485 レジンパッド(B01S) & 押さえバネ(割りピン付) (左)
B01Sを装着する”TRP SPYRE-C” (右)
■ ワイドタイプのレジンパッド
「SHIMANO B01S」は、ディスクブレーキ用のレジンパッドだ。レジンパッドは、メタルパッドより音鳴りが発生しにくいが、ウェット時の制動力、対フェード性、耐久性では劣る特性を持つという。パッド2枚の他に、押さえバネと割りピンが付属する。
シマノのディスクブレーキパッドの中では最も低価格であり、MTBのグループ外コンポーネントの安価なディスクブレーキに用いられることが多いようだが、トレッキングバイクコンポーネントのDEORE LXやDEOREにも採用されている。
パッド形状タイプは「ワイドタイプ」と呼ばれるもので、TRPのロード/CX用ディスクブレーキ「HY/RD」「SPYRE」「Hylex」のブレーキパッド「B20.11」とも互換性があるのがポイントだ。余談だが、Wiggleの説明では、このTRPのブレーキパッドは「セミメタルパッド」と呼ばれるらしい。TRPのサイトには、ドライコンディションで高い制動力を発揮し、ウェット時には摩耗量が大きいとある。
B01Sはワイドタイプのレジンパッド (左)、B01Sの特性を示すアイコン (右)
■ パッドの交換は簡単
SPYRE-Cへの取り付けはとても簡単で、TRPの純正ブレーキパッドの着脱と何ら変わることなく、特別な工具も技術も全く必要ない。パッドの交換自体はほんの数分で終わるが、ホイールを装着した後に、パッドクリアランスの調整やキャリパーの取り付け角度の修正の作業で少々時間をとる。それでも、デュアルピストン式のSPYRE-Cなら大変な作業ではない。なお、SPYRE-Cにはシマノの押さえバネも使うことができる。割りピンは使用しない。
板バネにセットしたパッドをキャリパーに挿入して取り付ける
■ DEFY1 DISCのローターでは静粛性が向上
DEFY1 DISCには、Tektro TR140-2と思しき160mmのディスクローターが付属している。B01Sに交換したところ、気になっていたフロントの静粛性は向上した。強くブレーキをかけた際にキュルキュルと音鳴りがすることはなくなり、パッドとローターが擦れる音も、劇的ではないが小さくなった。一方、制動力はSPYRE-Cの純正パッドよりも若干低下したが、このことでコントロール性が特によくなったわけではない。音鳴りがしなくなったことには大喜びしたが、思ったほど大きな性能の変化はなかったというのが正直なところだ。
DEFY1 DISCに付属するローターでは音鳴りがしなくなった ※画像はTRPのブレーキパッド
■ SM-RT86では、ほぼ全ての性能の向上を実感
その後、DEFY1 DISCに付属するローターを、アイステクノロジーローター「SHIMANO SM-RT86」に交換したところ、走行中のほぼ全ての性能の向上を実感できた。正直、これには大変驚かされた。制動力やコントロール性は、これまでのローターとパッドの組み合わせを上回り、レジンパッドのタッチのやわらかさも実感できるようになった。
特に際立つのが静粛性の高さだ。パッドとローターの擦れる音は激減し、ドライコンディション用のブレーキシューを装着したキャリパーブレーキやVブレーキに迫る静粛性になり、極めて快適なブレーキ操作ができるようになった。B01SとSM-RT86の相性のよさは、さすがシマノ同士といったところで、B01Sもようやく本来の性能を発揮できるようになったと感じた。
SM-RT86との相性は抜群
■ 慣らし運転は早く終わる
レジンパッドの柔らかさのおかげか、B01Sは慣らし運転でパッドにあたりが出るのが早い。数キロ走れば、パッドとローターの擦れる音が小さくなり、その後は走行を重ねるごとに、制動力などの性能の高さを発揮するようになる。
■ キャリパー周りが汚れやすい
SPYRE-Cのセミメタルパッドと比べて、B01Sはブレーキダストが出やすく、キャリパー周りが汚れやすくなった。この点では柔らかいというより脆いブレーキパッドという表現の方が近いかもしれない。これでもキャリパーブレーキやVブレーキのドライコンディション用のブレーキシューよりは汚れにくく、ホイールやフレーム、フロントフォークはきれいな状態を維持できる。
■ 耐摩耗性は低い
B01Sはブレーキダストが出やすいことから、耐久性(耐摩耗性)が低いということが考えられる。ただ、この点は低価格でカバーできる。また、摩耗が進んで、早い段階でパッドクリアランスの調整が必要になるかもしれないが、TRP SPYRE-Cならアジャスターや調整ボルトで、すぐに調整が終わる。
■ ディスクローター次第で性能は大きく変わる
SHIMANO B01Sは、TRPのセミメタルパッドと比べて、静粛性が高く耐久性が低いブレーキパッドだという印象を受けた。ただ、ディスクローターとの相性次第で、ブレーキ性能が大きく変わってくる。シマノのアイステクノロジーローター「SM-RT86」との相性は抜群で、明らかな性能の向上を実感できる。TRPのロード用のディスクブレーキにおいては、B01SとSM-RT86との組み合わせがおすすめだ。
SM-RT86との組み合わせがおすすめ
価格評価→★★★★★ (消耗品が低価格で助かる)
評 価→★★★★☆ (TRP SPYRE-Cでも使用可能。基本的に静粛性が高いが、他はローター次第)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー