購入価格 ¥8,000
シマノ11速専用のバーエンドコントローラー(以下、バーコン)です。
下記カンチブレーキとの互換性の都合上 11速STIレバーが軒並み使用不可なので、
ブレーキレバー+バーコンの組み合わせが事実上 唯一の選択肢でした。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=17293&forum=17○概要
2023年現在、新品で購入できる唯一の9000デュラエースのパーツです(多分)。
まぁ別に何のことはない、モデルチェンジの必要性がゼロだからですが。
価格からして アルテグラや105グレードのものを安価に用意できるとも思えないので、
最初からデュラエースグレードしか存在しません。
11速専用という事で、フリクションモードはありません。
フロントディレイラーを動かす左レバーは ダブルトリプル兼用にするためフリクションですが
(というか どこのバーコンも基本 左レバーはフリクションですが)、
今回はフロントシングルで組んだので そもそも左レバーは居ません。
○組み付け
ドロップハンドルのバーエンドに組み付ける場合、シフトアウターはハンドルには沿わせず、
触覚よろしく空中に飛び出させた方が良いです。
無理にハンドルに沿わせて バーテープに巻き込んだ場合、
○見た目がスッキリする
というメリットに対して、
×下ハンの握り心地が悪くなる
×フラット部の握りが太くなる
×シフトが重くなる
×シフトアウターがハンドルを押す力がかかる
…のように デメリットが多すぎます。
コンポメーカーを問わず シフトアウターをバーテープに巻き込む 現代のロードバイクの場合、
ヘッドチューブのアウター受けに向かって シフトアウターに強い曲げがかかっているため、
シフトアウターの弾力によって ハンドルを中央に保持する力が発生してしまいます。
昔に比べて ハンドリングが重いバイクが多いという事です。
今回のバイクは、1本しかないシフトアウターを 一切バーテープに巻き込まず
空中に走らせて組み付けたため、
11速の機械式コンポの自転車としては 異次元のハンドリングの軽さを手に入れました。
○操作感
↑トップギア
↑ローギア
インデックス式のダブルレバーをバーエンド台座にくっつけただけなので、
ハンドルから手を離さないだけで 操作はダブルレバーそのものです。
慣れてくると、どの程度レバーを倒せば どの程度ギアが軽く/重くなるのか、
手が覚えてきます。
またレバーの動かし方にもコツがあり、ローギアへのシフトダウン時には
レバーを薬指と小指で握りこむようにすると、力が入れやすいです。
シフトアップで、かつレバー位置が中間付近にある場合は、
小指の付け根でレバーに軽く体重を乗せて動かし、
オーバーシフトを防ぐために 裏から薬指と小指で支えてあげればラクに変速できます。
実際に使ってみると、意味が分かると思います。
ダブルレバーやバーコンは、レバーの位置で入るギアが決まるので、
自動車に例えるなら Hパターンのマニュアルミッションみたいなものですね。
対して、STIレバーやエルゴパワー、ダブルタップ、MTB用のトリガーシフトだと、
変速操作をするごとに レバー位置がニュートラルに戻るので、
さながら シーケンシャルシフトといったところでしょうか。
ギア飛ばしが出来ない(やりづらい)点も含めて そっくりです。
もちろん、競技レベルであれば シーケンシャルの方が実用的です。
普段シーケンシャルタイプのシフターを使っている人は、
シフトレバーの位置によってギア位置が決まるのが
却って新鮮に感じられるかもしれません。
○重量
メーカーの公称重量では、ペア153gという事になっているのですが、
今回使用する右レバー単体では、実測値で71gでした。
左レバーが82gもある可能性は無さそうですし、
公称値が 何かしらの付属品を含めているのかもしれません。
そんなことよりも、
今回使用するブレーキレバーは ペア重量が250g、
バーコン片側71gなので、
合計321gとなり、シマノの どのSTIレバーを使うよりも 軽量になりました。
ドロップハンドルの末端重量は いつも気にしている事なので、
これは うれしいポイントです。
ハンドリングが軽快なのは、単純にハンドル周りが軽い事も影響しています。
○最後に
電動コンポ化が急速に進んでいる現代では なかなか伝わらない感覚ですが、
ダブルレバーやバーコンを使った自転車に乗るときは、
「ブレーキング前に予めシフトダウンしておく」という 独特の操作が必要です。
こういう事を言うと、また懐古主義だの何だのと言われそうですが、
こうした特殊操作によって鍛えられる危機管理意識って
結構バカに出来ないと思うのです。
そういうのもあって、どれだけ電動コンポが普及しても
機械式コンポは無くなってほしくないなぁ、と感じた次第でした。
価格評価→★★★★★(←今はもう少しお高い)
評 価→★★★★★