購入価格: 完成車付属品
標準価格: 不明
『完成車付属のTEKTROのVブレーキ。しっかり止まれるがコントロールは苦手。リムへの攻撃性が高い』
■クロスバイク等に採用されるVブレーキ
TEKTRO TB07ALは、GIANTの多くの完成車に採用されているVブレーキだ。私のクロスバイクGIANT SEEK R3 2011年モデルに付いていた。ショップで購入できるものではないが、クロスバイクのブレーキ交換の参考までに投稿することにした。
このブレーキのブレーキアームにはロゴが付いておらず、いかにもこの価格帯の自転車に付く無名のブレーキといった感じだが、クイックリリースの刻印からTEKTROであることが分かる。また、仕上げの塗装がどこかチープな印象だ。当然、カートリッジシューは採用されていない。
TEKTRO TB07AL Vブレーキ
■高めのスピードでも減速できるし止まれる
初めてクロスバイクに乗ったときは、軽快車より高いブレーキの効きに驚かされた。TEKTROのキャリパーブレーキR312では、30kmを越すスピードではなかなか減速せず怖い思いをしたが、このブレーキはちゃんと減速できるし止まることができる。
ただし、ブレーキフィーリングはクニャとしているし、繊細なスピードのコントロールは苦手だ。カートリッジシューではない上、ブレーキアームの剛性が低いのが影響しているのだろう。クロスバイクに慣れてスピードが出てきた頃には、このブレーキではちょっと物足りなくなってくる。
このブレーキでもしっかりと止まることはできる。
■リムへの攻撃性が高い
TEKTRO TB07ALに採用されているブレーキシューは、リムへの攻撃性が高い。アノダイズド加工されたリムのブレーキ面を剥がし、リムの破片がブレーキシューに突き刺さる。シューは硬めで減りが遅い代わりに、破片が突き刺さっていなくてもガサーという音がする。もしかしたら全天候向けのものなのかもしれない。リムのブレーキ面まで真っ黒なホイールとは相性が良くないと思った。
このブレーキではブレーキの鳴きに悩まされたことは一度もない。一応トーインがつけられるようになっているが、トーインをつけて使ったことはない。
何度もリムの破片が突き刺さったブレーキシュー。
■用途や目的に合わせて交換の検討を
このVブレーキをシマノのDEOREに交換したら、明らかな性能の向上を体感できた。ブレーキの効き、コントロール製、フィーリング、リムへの攻撃性の少なさ、静粛性、質感の高さ等、全てにおいてアップグレードを感じた。このときの驚きはその後のパーツ交換のきっかけになった。物足りない人はシマノ製に取り替えれば、パーツ交換の楽しさと性能の向上を楽しめる。
自転車メーカーがこのようなブレーキを付けるのは、コストを下げて入門者が購入しやすい自転車の販売価格にするという目的もあるのだろう。クロスバイクを始めたばかりの人が高いスピードを出してもしっかりと止まれるし、ポタリング等がメインならこのブレーキでも十分だ。目的や用途に合わせて交換すれば良いと思う。
SHIMANO DEORE BR-M590に交換して大幅な性能向上を実感。
価格評価→ ー (Y's Roadで1,000円で売ってたTEKTROのVブレーキよりも安そうな感じ)
評 価→★★☆☆☆ (TEKTROでもVブレーキならしっかり止まれるが、物足りなさも感じる。リム攻撃は大きな減点)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→不明