購入価格 ¥24,853
空力パーツ。
その言葉を耳にすると、とある人物の名が頭に浮かぶ方も多かろう。
──エイドリアン・ニューエイ。
レッドブル・レーシングのチーフ・テクニカル・オフィサーを務める、「空力の鬼才」と称されるF1界のカリスマの一人。
彼の登場によって、嘗てはエンジンパワーがモノを言っていた世界が、空力によって支配される世界へと変貌した。
ニューエイがデザインしたエアロパッケージは、高速区間ではやや劣るものの、中低速区間では圧倒的な速度を誇るダウンフォース重視の設計で、09年後半から現在に至るまで、F1界最速との呼び名が高い。
そんな彼が、自転車用の空力パーツを設計したら、どんなデザインになるのだろう?
フォークにパージボードが着くのだろうか?
ハブにウィングレットが装備されるのか?
チェーンステーにカナードが取り付けられるのか?
興味が尽きない考察ではある。
でも、自転車のダウンフォースを高くしたところで、あんまり意味は無さそうだな(汗)。
そんで本題だが、相変わらず前フリが無駄に長くてメンゴメンゴ(死語)。
所謂エアロデザインのシートポスト。
ロゴが「グランツーリスなんとか」と良く似た、コントロールテックのFeather(フェザー)。
『PROFILE DESIGN』や『TRIGON』、『USE』からも同じような形のものがリリースされており、確か『GIANT』にもあったような気がするが、やはり効果があまり出ない物(それとも単に高価なだけ)なのか、それほど普及しているようには思えない。
サイズは27.2mm、全長250mm及び300mmのオフセット23mmで、チタンボルトが採用されている
レール用ボルトと角度調整ボルトが別々のため、調整が容易……と説明にはあるが、騙されてはいけない。
滑り止めのため、レール固定用の部品には溝が刻まれているが、これがまた頑固な代物で、めがっさ硬くてなかなか回転なんかしてくれない。
一旦取り外し、脱脂及び洗浄した上で、グリスを塗布し直さなければ動いてくれなかったのだ。
簡単に動かれても困る部品だが、回転しにくくても、それはそれで調整が困難になることを考えると、もう少し緩めでも良かったのではなかろうか。
見た目は重そうだが、実はカーボンシートポストの中では、軽量の部類に入る。
恐らく中空で、強度を損なわないギリギリのラインで、かなりのウェイトを絞っているのだろう。
そのお陰なのか、乗り味が柔らかく、ケツへの衝撃がかなり緩和される。
またコイツは、笑ってしまうほど滑り易い。
クランプをトルクギリギリまで締め付けても、乗車1分ほどで5mmは下がってしまうのだ。
クランプの内側に薄い金属板を挟んでも、結果は同じ。
已む無く『FINISH LINE』のFIBER GRIPを塗布し、ようやく滑り落ちを防ぐことが出来た。
偉大なり、FIBER GRIP(笑)。
ちなみに、肝心のエアロ効果は、ハッキリ言って判らない(アカンがな)。
しかし、見た目は「おぉ、なんだか速そう」なので、気分だけでも高めたいなら、値段に眼を瞑るのも良いかも知れないが、お勧めは「しない」。
だって、高いからねぇ……。
今更ながらに気付いたが、こういったエアロタイプ(羽型とか穴空きとか)のシートポストには、サドルバッグが取り付けられないという欠点がある。
いや着けても良いのだが、せっかくのエアロ効果(あるなしは別にして)を、台無しにしてしまう。
ツール缶や、トップチューブバッグに頼らざるを得ないところですな。
価格評価→★☆☆☆☆(たかい)
評 価→★★★☆☆(わからん)
カタログ重量→155g