購入価格 ¥14,164
「イーーーーーーーヤーーーーーーーー!!」(※)
ノルウェーのあまりにも美しい風景が放つ、「自然を貫く果てしない叫び」。
嘗てエドヴァルド・ムンクが耳にし、そして大泉洋・藤村Dを破壊した絶叫が、聞こえた……様な気がした。
その叫びは、身を締め付けられる苦しさによるものか。
それとも、ン十kgの体重を身に受ける責めに耐えられない故か。
或いは、時速40km以上の速度に対する恐怖のためか。
いや、恐らくそれら全てが理由なのだろう。
──ムンクシートポスト。
今にも叫び声が聞こえてきそうなこの造形は、将にムンクと呼ぶに相応しい。
ワンバイエスが提供する、カーボンモノコックデザインのシートポスト。
クランプの下に、まさしくムンクの『叫び』が如く、ポッカリと大口を開けられており、空力性能・振動吸収・軽量化に寄与している……のかな。
カラーは、ブラックとパールホワイトの二種。
ホワイトは、パール塗装がやはり美しい(東京サンエスの流行ですかな)。
サイズは27.2mmと31.6mm、長さは330mmで、オフセットは25mm。
クランプは別売りとなっており、一般的な43mmと特殊な30mmの二種が用意されているが、互換性は無い。
フレーム挿入部には滑り止め(ちょっとしたペタペタとザラザラ)が加工されているのだが、これはちょっと余計なものだと思う。
何故なら、コイツが摩擦(邪魔)となり、かえってシートチューブに入れ難かったのだ。
更には、そのザラザラがこそぎ落とされて、シートクランプ周りに、少ないながらも粉が溜まってしまう始末。
それに、滑り止めの範囲内でクランプするのならともかく、それ以上に深く突っ込んでクランプしたら、ハッキリ言ってまったく意味が無い。
これなら、最初から滑り止めは無かった方がマシというものだ。
もうちょっと考えて欲しかったなぁ(そして、もうちょっと安くして欲しかったところ)。
31mmという、ちょっと「アレ」なサイズのAlu-Carbonシートポストから換装。
DEITY製30.9mmスペーサと0.1mmの銅板を挟んで、27.2mmをセットしたが、特に緩みもガタも無く、締め付けは良い塩梅。
カーボン製ながら、乗り味は若干硬めに感じられた。
とは言え、明らかに前のシートポストよりはマイルドな感じ。
ケツに来る、悪い衝撃・振動の類は緩和されたが、これはまぁカーボン製ならば当然のことか。
使用しているサドルの影響もあるだろうが、他の自転車に装着しているカーボン製のシートポストと単純に比較すると、やっぱりやや硬い。
クランプが完全に独立しているため、単体で強度を高めておく必要があったからだろうか。
実際、イーストンのEC90と比較すると、「厚い」作りだった。
そのせいか、同価格帯の他社カーボンシートポストと比べて、50gほど重い。
穴が空いていたり流線型だったりと、シートポストの形状にもいろいろ工夫があるが、太腿が上下上下と暴れまくるシート付近では、空気も一緒に暴れまくるワケだから、どれほど整流できるかは大いに疑問。
でも、暴れる場所だからこそ、少しでも空気を効率的に流そうとする意図は理解できなくも無い。
しかし、円柱だけのシートポストが多いのは、いくら改善を施しても、あまり意味が無いからではなかろうか。
だから、空力をどうこうするよりは、クッション性や振動吸収性・軽量化の方向に走っているのかも。
などと、エラソウに批評してますが、特に深い意味はありません(笑)。
そこまで突っ込んだ乗り方はしてませんので。
最近増えてきた「インテグレーテッドシートポスト」ってどうなんでしょうねぇ。
価格評価→★★☆☆☆(クランプ込みなら星みっちゅ)
評 価→★★★☆☆(良くも悪くも普通でちょっと重い)
カタログ重量→232g
(※)水曜どうでしょう「ヨーロッパリベンジ北欧編」参照。