購入価格 ¥ちょうど90000円くらい(本製品+6800左クランク+工賃)
馬鹿野郎!
「もう帰りたい」だの「俺、定年退職したらやりたいことやるんだ・・・」だの
どいつもこいつもやりたいことと人生の充実を先送りにしてばかりだ!
お前らはそれでいいのか?
今日という日を充実したものにできない人間に、未来を充実させることなどできるのか?
今日という日は、残された人生の中で、最も若い一日じゃないのか?
その若い体で、やわらかな感性で、お前が今やりたいと思っていることをできるのは今しかないんだぞ!
とはいえ、こんなことを言っても、目には見えないほどにゆっくりと進んでいく老いという形のないものを
リアルに感じ取るのは言葉だけでは難しいだろう。
どうやらここは、俺の体験談を通して、今という一瞬の大切さを感じてもらうしかなさそうだな・・・
それは2013年のある正月のことだ。
俺は行きつけのショップのお年玉セールで、かねてからあこがれだった LOOK 586 UD の前に立って、かれこれ1時間ほど悩んでいた。
俺「あぁ・・・ LOOK 586 UD かっこいいなぁ・・・
最近の変形チューブが多い中にあってほぼゾンタルだし、色合いも黒白で渋くまとまっているし・・・」
その瞬間であった。同じくお年玉セールにつられてやってきていた謎の父親の連れ子の大腿四頭筋が荒々しく隆起し、
所狭しと並べられた高級車という高級車の間を隅々まで走り回った。
ワァァァァー!!
謎の子どもの気合が店内にこだまする。
そして、子どもが「ピナレロ・ドグマ」が展示されているスタンドの前を通りかかったときのことだ。
横でドグマを物欲しげなまなざしで凝視していた男が、急に貧血でよろけたのである。
よろけたはずみで子どもにぶつかり、ぶつかられた子どもが「ピナレロ・ドグマ」のスタンドにぶつかる。
その先には今まさに「ビアンキ・チェレ」をお買い上げしたばかりの稲森いずみ似の女子大生の姿があった。
俺の野生の反射神経が反応し、目が鋭く光った。
アブナーーーイ!
俺はとっさに、女子大生に覆いかぶさった。
そしてそこにUCI規定ギリギリの6.8kgの「ピナレロ・ドグマ」が直撃する。
誰もがこの惨劇に目をそむけた。
しかし、俺の鍛え抜かれた鋼の広背筋が6.8kgの衝撃を完全に跳ね返したのだ。
女子大生「危ないところをありがとうございます。お名前を教えていただけませんか?ぜひお礼を・・・」
俺「いえ、当然のことをしたまでですから、そのお気持ちだけで充分です
男の筋肉っていうのは、いざというときにあなたのようなか弱い女性の盾になる、そのためのものなのですから。」
店内に居合わせたあまたの客たちの目に心の汗が浮かび、割れんばかりの拍手が巻き起こるのだった。
その瞬間、そのまま何も言わずに立ち去ろうとした俺を見た稲森いずみ似の女子大生の上腕二頭筋が荒々しく隆起し、
完全に油断していた俺の眉間を剛腕パンチが的確に捉え、俺は店内の宙を舞った。
稲森いずみ似の女子大生はとっさに急所を外したらしく、俺は頭部のダメージ以外は奇跡的に無傷だった。
そう、彼女は看護師志望だから・・・しかし俺がそれを知るのは、まだ先のことである。
ウグゥゥゥ・・・
稲森いずみ似の女子大生「馬鹿野郎!せっかくのお年玉セールだというのに、何も買わずに出ていくとは何事とは何事だ!」
そんな・・・
確かに俺は LOOK 586 UD が欲しくてずっと見ていたが、買うとは言ってない・・・
こんな横暴が許されていいのか・・・
朦朧とする意識の中、俺の脳裏にはおじいちゃんの名言がよぎっていた。
おじいちゃん「つよし、世の中には3種類の人間しかいない。
カーボンバイクに乗ったことのある人間と、ない人間と、どちらでもない人間じゃよ。」
そうなのだ。
もしかすると今日買わないとしても、いずれ買うのかもしれない。
しかし、今日買わなければ、LOOK 586 UD と走れたはずの今週末は、永久に戻っては来ないのだ。
同時にそれは、今の俺、今の体力、この若さで乗れるのは今しかないことも意味する。
それに595、586のときにそうだったように、欲しい気持ちに手をこまねいているうちに、
メーカーが製造をやめてしまうことだってあるのだ。
欲しい自転車との出会いは一期一会。
稲森いずみ似の女子大生は、そのことを俺に伝えたかったのである。
------------------------------------------【要点をまとめます】------------------------------------------
ついに買ってしまった、初のパワーメーター。
実は2013年1月の LOOK 586 UD 購入時に、パワーメーターの導入は考えていた。
当時の選択肢の最上位にあったのはROTOR POWER(当時のモデルまで覚えてないので、これとは違うかも)
ROTOR POWER
http://www.diatechproducts.com/rotor/power.html選択肢としては
・ROTOR POWERなどクランク型
・パワータップ
・ペダル型
があったが、パワータップは勝負ホイールが使えないのが最大のネックになり購入に踏み切れなかった。
(一方、複数の自転車で使いまわししやすいのは魅力ではあったが・・・)
ペダル型はLOOKペダルに限定される(当時)のと、出たばかりでちょっと不安があった気がする。
で、ROTOR POWERを LOOK 586 UD と一緒に注文しようとしたのだが、
当時品薄状態であり、納期未定、おそらく半年くらいかかる・・・という状況で購入を見送った経緯がある。
それから幾星霜。
当時30万近くしたクランク型パワーメーターも、stagesやSGY-PM910HLの登場により10万円を切った。
stagesとSGY-PM910HLは左クランクにパワーメーターを取り付ける。
で、それを2倍して表示する。
そんな仕組みだから片側で成立するし、値段を抑えられているのだ。
【片側計測のメリット】
○値段が安い。
○左クランクのみなので、複数バイクでの使いまわしも容易。
【片側計測のデメリット】
▲当然、両側クランクで計測するモデルに比べると信頼性は劣る。
▲赤いおにぎりを見せびらかすことができない。
【その他】
両側計測モデルSGY-PM910H2(129,600円)
左側計測モデルSGY-PM910HL(74,800円)
右側計測モデルSGY-PM910HR(74,800円)
いずれもクランク付属せず。
クランクはFC-9000(デュラ)、FC-6800(アルテ)に対応。
今使っている左クランクを取り外して送ることはできず、新品を購入しての取り付けとなった。
とりあえず片側だけ購入、あとで右側も追加、もできる。
当然だが、最初から両側そろえたほうが安い。
購入時にメールアドレスを登録。
詳しい話は忘れたが、パイオニアのサイコン(ペダリングモニター)を使う場合、専用ソフトにログインするのに使うようだ。
注文は約2週間前、納品は2日前。まだ1回しか使っていない。
あるていど使い込んでからレビューするのが私のスタンスだが、
初乗りで新車のとき並みに、いやそれ以上に色々なことを考え、感じたので、ファーストインプレッションを上げる。
【平坦】
・とくに頑張らない、普通にペダリングに集中して走ってる常用速度域では、100W前後で27km/h程度。
・信号明けのダンシングで巡航速度に乗せるときは200Wくらい。
ダンシングは数値的には簡単に上がるが、あまり速度には結びつかない。たわむなどしてロスが大きいのか。
・カッと踏む、アンクリングする、などにもすぐに反応。タイムラグは1秒もない感じ。
【ヒルクライム】
・25分弱のヒルクライム。
やはりというべきか、今までいつもは序盤上げ過ぎていたことがわかった。いつもの感覚で踏むと300W超える。
往路の実験で、300Wまで上げるとその後タレ、そのタイムロスを後から取り戻すのは困難なことがわかっている。
25分弱のヒルクライムを均等なペースで走りたいのなら、心拍的には少し抑えめに入るのが吉。
徐々に、250Wくらいの踏み心地というか、勘どころがわかってくる。
ラクではないが、無駄なペースの上げ下げがないせいか維持するキツさがいつもより少ない。
途中、しばしば280Wくらいまで上がる。どうやら斜度がキツいほうがパワーが出やすいようだ。
自然とパワーが「出ている」ときは「無理して下げない。許容。」ということにする。
それ以上上げなくていい、と自分を安心させながら回す。そんな感じが安定した走りにつながった。
終わってみれば、平均274W、区間ごとの上下動もほとんどないペース配分。
自分の基本となるペースがわかった。
【すぐにできること】
一定ペースで走るためのペースメーカーにすること。
私の場合、自転車歴がそこそこ長く、心拍計は以前からつけており、
またstravaによる(疑似だが)ワット表示で、大まかに自分のFTPはわかっていた。
往路の1時間でstravaのワット表示とのズレ(SGY-PM910HLの方が1割ほど高く表示されるようだ)と
自分がどの領域まで踏んだらどれくらいの時間でタレるのか、がわかった。
それがわかれば、ヒルクライム中に一定ペースを刻むのは容易だった。
そのときのログ。
【これからしようと思っていること】
・今まで私がしていた心拍とstravaパワーによる「疑似パワートレーニング」を、きちんと計算してする。
【その他】
・先述した「パワー表示が1割ほど高い」理由は、製品の特性なのか、
私のペダリングの左右バランスが左の方が強いからなのかは不明。
(利き脚が右なので、左の方が強いのはちょっと考えにくいが・・・)
・フレームにマグネットをつけ、ケイデンスを測る。
これにより、garminなどGPSサイコンなら
ホイールのマグネットと受信機は取り外しても差し支えない。
(速度はGPSだけでも計測可能なため)
私は速度の信頼性を高めるため、残した。
・上記のマグネット取り付け方法は2つあり、
1つはスポンジのような台座のついたシール。
はがれることはなさそうだが、しばらくは気をつけておこうと思う。
また、いかにも安っぽい。
もう1つは、フレームにタイラップ固定。
こっちの方がよさげだが、私の場合クランクと干渉して付けられなかった。
対応できるフレームは限られる模様。
・装着して最初にする「キャリブレーション(校正)」は簡単。
左クランクを真下に向けて、garminの「キャリブレーション」を押すだけ。
私のedge500はものの数秒で認識したが、古いgaiminはえらく時間がかかることもあるらしい(笑)
・店員さんによるstagesと比較したおすすめポイントは「信頼性」「防水がしっかりしている」「サポートが良い」だった。
・楽しい。
勝負レースの英彦山CTTを前に、モチベーションが大きくアップした!
価格評価→★★★☆☆(まだファーストインプレッションなので)
評 価→★★★★★(いいものを買ったと思う。ひさしぶりの心躍る一品だ!)
<オプション>
年 式→2015
カタログ重量→ 22g