Quarq CinQo SRAM S975
購入価格 中古
パワーメーターを使ってみたいと思っていた折、知り合いが手放すというので譲ってもらった。 クランク型パワーメーターでは流通数が比較的多い製品。 パワータップのほうが安上がりで精度も高い(実質、パワータップが精度の基準になっている)が、クランク型パワーメーターは好きなホイールを使えるメリットがある。
取り付けは普通のクランクとほとんど変わらない。 クランク回転速度を計測するため、BB付近にケイデンスマグネットを取り付ける必要があるくらい。 ただ、パワーメーター無しのクランクと比べると150gほど思いので、手にずっしりくる。
Garmin Edge 800にペアリングすると、すんなりと認識される。 乗車前にはゼロリセットが必要。Edgeのペアリング画面からメニューを選択するか、クランクを5周以上逆回しすることでリセットが行われる。 Edge上からリセットを行った際は画面にオフセット値が表示されるが、これが異常値を示していたり頻繁に大きく値が変わるようなら、チェーンリング取り付けが緩かったりユニット故障の可能性があるとのこと。
パワーはEdgeの画面表示設定を行えば表示できるが、心拍数やケイデンスと異なりパワーは常に大きく変動するので、3秒平均値を表示している。 また、ケイデンスも測定してくれるため、別途ケイデンスセンサーを用意する必要が無い。
パワーメーターを導入後、乗り方が変わった。 パワーを見て比較することで、坂道での頑張りと、平地での頑張りを同じ尺度で比較できる。 信号ダッシュや短い上りでダンシングすると、ごく短時間とはいえFTPの倍以上の高い出力が簡単に出ることも確認できた。 ヒルクライムにおいても、出力を見ながら、オーバーペースにならないよう、かといって力を抜き過ぎないようにイーブンペースで踏み続けることで、初見の峠でも自己ベストに迫るタイムを叩き出せる。
数値で確認すると、上り坂はパワーが出やすいことと、平地で高出力を維持するのは精神的にけっこうキツいことが実感できた。 急坂と平地区間が繰り返すような坂道では、一定ペースで登っているつもりでも、オーバーペースと休憩を繰り返すような効率の悪い走り方をしていたのだ。
パワーメーターを導入してまだ日が浅いうちだったが、数値でペースを管理することで1時間を超えるヒルクライムレースで年代別入賞を果たせた。 とはいえ、こんな使い方は初歩の初歩。パワーメーターは今どれだけパワーが出てるかを見て楽しむオモチャでも、正確な消費カロリーを計測するダイエット器具でもなく、 出力を管理して適切なトレーニングを詰み、長所を伸ばし弱点を埋めるためのトレーニングツールなのだ。
しかし、使い慣れて来た頃、突然パワーを表示しなくなる現象に悩まされるようになった。 電池の接触不良等を疑ってみたが、iPhoneにAnt+アダプタを取り付け、診断・調整用アプリ「Qalvin」で診たところ、クランク角度を検出するリードスイッチが故障していた。
保証が切れていたため、500ドルの有償修理で計測ユニットをCinQoから現行のRikenに交換することになった。 油や泥汚れを掃除した後、右クランクのみを梱包しSRAM本社へ送り返す。 海外通販は頻繁に利用しているものの、こちらから海外に小包を送ることはほとんど経験がなかったため戸惑ったが、郵便局のオバちゃんの助けもあってなんとか発送。 送ってから数週間で、スパイダーアームが新しくなって返ってきた。
精密な電子機器ゆえ、自転車の他のパーツに比べるとトラブルは多いように思える。 多少の価格差なら国内正規品を購入したほうが良いな、と感じた。
価格評価→★★☆☆☆ 冷静に考えると、ロードバイクが1台買える価格。 評 価→★★★★★ 心拍計は置いていってもパワーは測りたい。 実測重量 772g(GXP BB含まず 53-39T)
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