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[Race & Event] Dirty Kanza 200


 
wichersham  2018-10-27 2:54
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[Race & Event] Dirty Kanza 200

世界で最も有名で、アメリカでは確実に最も人気のあるグラベルレースです。グラベルレース=Dirty Kanza と言っても良いかもしれない、という超有名レースです。16年から参加を考えて、3年越しでやっと2018年に参加し、無事に完走することが出来ました。以下のレビューは、200マイルについて書いています。

https://dirtykanza.com/

【概要】
アメリカ、カンザス州Emporia(エンポリア)という中部大草原にポツンとある小さな町がスタート、ゴールの、200マイル(実は210マイルくらい、320km)グラベルレースです。未舗装路率は、感覚でいうと大体98%くらいになります。320kmのほぼ全てが未舗装路と言っても過言ではありません。完走率は年、その時の天気によってまちまちで、大雨が降った16年は50%以下、18年は大体75%くらいの完走率でした。

【申込み】
2018年から抽選制になっており、日本からの申し込みも可能です。2018年の200マイル枠は1000人で、年齢ごとにいくつかのクラスに分けられています。17年までは申し込み先着順でしたが、18年から抽選に変わりました。17年は全コース(200mile、100mile、50mile)がものの15分で埋まってしまうという猛烈な勢いで枠が埋まったそうです(私もダメでした)。運営が申し込みを抽選に変えたので、18年は比較的のんびり申し込みをすることが出来ました。ここは良い改善点だと思います。申込みの際にクレジットカード番号を聞かれ、抽選で出走できることになった時点で決済されます。出走枠はレースの1~2ヶ月前まで他の人に譲ることが出来ますが、移管のやり取りそのものが、指定された掲示板(The Riding Gravel Forum)のみで、且つ運営側にも連絡する必要があるため、完全に英語でのやり取りになります。お金のやり取りもPaypalアカウントなどが無いと相当難しいと思います。当然、アメリカ人相手ばかりの掲示板に乗り込みますので、英語力が問われます。

【コース】
320kmのうち、310kmくらいがグラベルです。グラベルの質は、尖った石を多く含む、日本の感覚でいうと荒れた舗装路になり、基本農業用トラクター(USA仕様の超巨大なやつ)や、ピックアップトラックだけがたまーに走る、という程度の整備状況です。サスペンションが必要ではないかと思われた区間も多数ありますが、38mm程度のグラベルタイヤを装備しておけばなんとかなります。

下りで調子に乗ってスピードを出しすぎるのは要注意です。シングルトラックではない、基本真っ直ぐな見通しの良いグラベルなので、下りになると多くの参加者がスピードを上げてかっ飛ばすシーンが良く見られましたが、こういう選手は下りきったところで岩にタイヤを激しくぶつけてパンクするか、運が悪ければ酷い落車をしていました。パンクはそれこそ下りごとに毎回2~3人、救急車は自分が見た限りでも2台くらい出動していました。

カンザス州の大草原は真っ平ら、という印象を持たれるかもしれませんが、そんな事はありません。大きな山岳は当然ないですが、こまめに獲得標高10~50mくらいの緩~い上り下りを繰り返しています。320kmで、ガーミン読み・2900m登っていました。

なお、最大の敵はグラベル・距離もありますが、実は風です。大草原なので当然風を遮るものがなく、風は容赦なくまともに吹き続けます。自分が走った際は、折返しのEuraka(ユーリカ)までは追い風、折り返してからゴールまではずっと向かい風でした。ひたすら耐えるだけ…か、他の選手の後ろに隠れて耐えるしか術はありません。自分の持久力、精神力が試されます。また、6月初めとはいえ、プレーリー(アメリカ中央平原)のど真ん中にあるカンザス州は大変暑くなります。後で保水については書きますが、熱風のような気温の中を数時間走ることも必要になります。

【機材】
参加者の80%くらいがグラベルバイクか、シクロクロスバイクで、残りがMTB+ファットバイクという感じです。サスペンションを付けた人は少数派になりますが、珍しいという程でもありません。タイヤチョイスは非常に重要で、最も重要なのは「新品」を使うことです。尖った石を多数含むアメリカ中西部のグラベルはチューブレスタイヤでもパンクさせる凶悪さで、下り道の直後は、ちゃんとスピードを落とさなかったためリム打ち・貫通パンクしたライダーがそこら中に溢れていました。タイヤ幅は38mmが主催者推奨の「最小サイズ」です。自分はパナレーサー・グラベルキングSK 38mm(チューブレス)+Stans' No Tubeシーラント(タイヤ1本あたり60ml)、空気圧3.5barで望み、無事パンクすること無く完走できました。グラベルキングSKは大変素晴らしいタイヤで、グリップも最高でしたが、38mmでもショック吸収の観点からギリギリ最小の太さだと思われました。もしまた参加できるなら、タイヤはグラベルキングSKで40mm以上にしようと思います。

バイクはグラベル専用車が望ましいと思います。カーボンの軽量クロカンMTBでも良いと思います。サスペンションはあれば良いですが、無くても良いです。自分は、サスペンション無しのグラベル専用車で走り、これは良い選択だったと思います。グラベル専用車である理由は、ジオメトリー(長距離を走るための設計)以外に、ボトルが3つ積載できる、泥ハケが良い、40mm以上のタイヤを使える、などが挙げられます。

ボトルをトライアスロンの選手のようにサドルの後ろにボトルケージを取り付けて、ボトルを運んでいる選手が見られましたが、ほぼ押しなべて段差で弾かれてボトルを落としていました。おそらくゴールまでの間に、100本くらい道端に落ちたボトルを見たと思います。ついでにいうと、リアライト、携帯電話、サドルバッグ、シートポスト(!)など、固定が少しでも甘い機材は走っている間に固定が緩み、どんどん落ちていきます。決して誇張ではなく、固定しすぎという程度で望まないと後悔します。自分も100kmも走らないうちに、気づいたらCateyeのライトがシートポストから落ちる寸前でした。どんな手を使ってでも固定が緩まない、という状態で望まないと、必ず何か無くします。

スペアチューブは最低2本です。マストです。理由は簡単で、サグワゴンもありませんし、パンクしたら自己責任です。自分で用意したサポートクルー以外には誰も助けに来てくれません。サポートクルーもなく、完全な単独参加だと、本当に誰も助けてくれません。主催者も救護車を準備していません。一番近い町は、何kmも先です。運良くローカルの農家の家が近くにあれば良いですが、道路脇の民家そのものが猛烈に少ないです。320kmですれ違った一般車は、なんと2台(!)という日本の常識では考えられない超絶「非」人口密集地域です。マーフィーの法則ではありませんが、壊れる機材は壊れます。320kmの荒れた未舗装路を見くびらず、最悪の事態に備え万全を期して望んでください。

【補給食・保水】
速い選手で14時間、半分以上の選手が16~17時間も走り続けます。補給食は自分でコントロールできる最重要事項といっても過言ではありません。ゼリーやジェル、エナジーバーなどは途中で飽きます。また、疲労の限界に達してしまうと、どうしても普段食べ慣れたものを食べたいと思います。自分は片手で食べられるようなミニおにぎり(普通のコンビニおにぎりの1/3くらいの大きさ)を30個位、各チェックポイントに先送りしておいて、エナジーバーと合わせて食べ続けました。ジェルも持っていましたが、最後まで食べませんでした。エナジーバーは、Clif BarとSkratch Labをあわせて10本くらい食べたはずです。塩の効いたおにぎりは、灼熱のカンザス州で最高の補給食だったと言っておきます。なお、おにぎりは宿泊したホテルに炊飯器を持ち込んで作りました。アメリカ人選手でも同じことをする人もいるようです。

保水はおそらく甘く見られがちなポイントですが、レース結果/完走できるかどうかを左右する重要な要因です。カンザス州の大平原(プレーリー)は、6月始めでも快晴時は30℃を超え、猛烈な熱風にさらされます。チェックポイントごとに2リットル近い水を満タンで走り続け、普段から汗を沢山かく方ではないにもかかわらず、正直言いまして全く足りませんでした。参加者の中にはCAMELBAKなどの、リザーバーを背中に背負って走る選手も多数いましたが、次回は自分も最も長いチェックポイント2~3の区間はCAMELBAKを持参しようと主ます。なお、チェックポイント間の主催者推奨の水量ですが、2リットルになっています。個人的には、最も過酷なチェックポイント2~3区間は、3リットル持って走るのが望ましいと思います。

【練習】
本番までにどれだけ乗り込むかが鍵です。持久力、スタミナが全てです。逆にスプリント力などは、ほぼ無視して良いです。自分の場合は、前年の12月くらいから毎月1000kmくらいを目標で走りはじめ、少しずつ距離を伸ばして行くようなメニュー組んで練習しました。直前の2ヶ月位は週末ごとに土日で300~400kmくらい走りました。平均12~15時間/週、最も多い週は20時間/週でした。一日で200km以上走った日も4~5回あったと思います。練習のポイントは、止まらないこと、走り続けることです。幸い、自分の住んでいる環境は100kmくらい信号のない区間で練習できたので、本番でも走り続ける、という点では苦労しませんでした。ボリュームが鍵です、忍の一字で走り込んでください。

ほとんどの方はロードバイク+舗装路での練習になると思いますが、できればグラベルでも練習することをおすすめします。また、レースで使う機材・バイクで200kmくらい走る練習をするのも大変有効です。自分は、ダーティカンザの前に最大で170kmグラベルを走ってみて、体力+機材チェックなどを行いました。

【その他】
参加するにあたり日本語で情報を探しましたが、有用な情報は全く見当たりません。おそらく参加したことのある日本人もかなり少ないのではないかと思われます。ネットで手に入る情報はしたがって(このレビュー以外)ほぼ英語になりますが、気合を入れて読みまくることをおすすめします。機材・心身ともに準備不足で望んでも運よく完走できる、というたぐいのレースではないです。無理です。周到なリサーチを行い、機材に抜かり無く、バッチリ練習して望んでください。

日本からのアクセスはあまり良いとは言えないのですが、最寄りの大都市はKanzas City(カンザスシティ)でしょうか。カンザスシティからだと、車で2時間位でエンポリアです。ホテルはものすごい早い時期に満タンになりますので、少なくとも3ヶ月位前までには予約を入れられることをオススメします。自分は12月にはホテルの予約を入れましたが、便の良いホテルは半分くらい埋まった状態でした。1ヶ月くらい前になると、おそらくエンポリアには泊まれないので、スタート前に早朝車移動せざるを得ないです。早め早めの予約をオススメします。まぁ、日本で言いますと、ツール・ド・おきなわのホテル事情ような具合だと思ってもらえれば良いと思います(エンポリアは名護市より全然小さいです)。

レース前日にはグラベルエキスポが行われており、グラベル好きにはたまらないイベントです。各バイクメーカーがこぞってグラベル新車を発表するのも、このレースの注目度を表しています。

【レースの感想】
ここまで読まれて、何という過酷な、辛そうなイベントか…と思われるかもしれませんが、参加者の高揚感、アメリカ人特有のノリノリムードでレースは大変盛り上がります。困難を乗り越え申込みをして、一生懸命練習して、遠いアメリカに遠征をしても、参加する価値は十二分にあります。ダート好きには力いっぱいオススメできます。エンポリアは本当に小さい田舎町ですが、レースのある週末はグラベルレース一色になり、歓迎一色になります。運営も素晴らしく、申し込み・事務連絡・受付・レース当日のやり取りなど大変スムーズです。世界最高峰のグラベルレースの名に恥じない、超プレミアレースとして今後もアメリカのグラベルシーンに欠かせないイベントであり続けるのではないかと思います。遠い国のレースですが、ぜひ参加を検討されてみては如何でしょうか。

エントリー費:$200(200マイル、2018年)←2019年は$220になるみたいです。

価格評価→★★★★★(お金で買えない価値があります)
評   価→★★★★★(世界最高峰グラベルレースは、プライスレス)
<オプション>
年   式→ 2018年に参加しました。



スタートです。



真っ直ぐです。



ひたすら広い!
 
wichersham  2019-2-26 18:47
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[Race & Event] Dirty Kanza 200

前回のイベントレビューの際に書き忘れた項目を追記します。

・サポート:Never Let Go
自分は個人参加でしたので、「Never Let Go」というレースオーガナイザー主催のサポートに申し込みました。レース申し込みが終わった「後」でもこのサポートは申し込みできます。ここではこのNever Let Goサービスについて書きます。

事前に申し込みをしていた参加者は、レースの前日受付の際に手首につけるリストバンドをもらえます。レース当日はこれを付けて走ることになります。リストバンドにはNever Let Goという文言と、救助を頼む際の電話番号が記載されています。

Never Let Goのサポートクルーがやってくれることには、以下があります。

~エイドポイントでの補水
エイドポイントと言いますが、要するに駐車場です。家族・友人のサポートが無い参加者には、ただの広場でしかなく、誰も何も待っていません。素通りするだけです。6月のカンザスで、320kmを補水なしに走り切ることは不可能ですので、ここは重要です。Never Let Go申し込み参加者は、ボトル/キャメルバッグを差し出すだけで、あとはクルーがどんどん補水してくれます。もちろん自分で補水することも出来ます。

~エイドポイントへの事前バックドロップ
→自分で用意した袋に、カテゴリーとレースナンバーを記載してください。ガムテープにそれらをマジックで書き込んで貼り付けるだけでOKです。大きさ、重さに制限はありませんが、普通のバックパックくらいが多かったです。エイドポイントに到着するとサポートクルーが近づいてきますので、自分の番号を伝えるだけでバッグを探し出してきてくれます。

~リタイアする際の救助
→これは本当に重要です。天気・コンディションに恵まれた年でも25%が途中でリタイヤします。レースオーガナイザーは、レーサーバイブルの中で「主催者に電話しないでください。何が会っても我々は助けに行きません!」と大文字で謳っています。どんな状況でも、怪我しても道に迷っても自転車が壊れても(←全て有りえることです)、誰も助けに来てくれません。なので、Never Let Goチームがトラックで救出してくれる、というだけでかなりの安心感があります。

余談ですが、自分の友人にアメリカのC3(ロードレース・カテゴリー3)で走る屈強なレーサーがいて、自分の参加の前年にダーティカンザにも参加しています。当然、バッチリ練習をして体は用意周到で望んだのですが、機材トラブルでリタイアになり、地獄を見ています。トラブルとは、エイドポイントの間でタイヤのサイドカットになって修理不能に陥ってしまい、次のエイドポイントまで炎天下の中数十キロを歩かざるを得ず(数時間)、なんと途中で脱水状態で気絶→昏倒、たまたまそれを見ていた地域住民に運良く救助されて命拾いをした、という憂き目にあっています。彼は友人のサポートを用意していたようですが携帯の圏外でトラブルになったそうで、連絡が付かず、自力脱出を図ってそうなったそうです。搬送先の病院では、体重が10kg減っていたことが確認されており、命の危険もあったそうです。彼は最悪の事態を迎えた不幸なケースですが、ダーティカンザはこういうことも有りえます。参加者のブログやFBの書き込みを見る限り、昨年もいろいろ不幸な事故が多々あったようです。主催者は当然こういう状況でも絶対に助けに来ません。

~やってくれないこと
サポートクルーがやってくれないことには…「補給食」「機材サポート」があります。補給食は必ず全て自分で用意してください。機材も同様です。チェーンオイルも、ポンプもありません。ポンプはエイドステーションにいる他の参加者の有志から借りることは容易ですが、自力で走る、というのが本レースの基本姿勢なので、それは踏まえておいて良いと思います。

・レース中の服装
200マイルコースは、日の出と共に始まり、15時間後の日の入りあたりで速い選手たちがゴールに帰ってきます。昼間は対応が容赦なく選手を焼き付けますが、朝晩はかなり冷えます。超軽量薄手のウインドブレーカー、ベスト/ジレは有ると良いと思います。長指グローブはなくても良いですが、自分は泥対策と日焼け対策として薄手の長指グローブで望みました。薄手の選択はベストとは言えず、グラベルからくる振動で最後は手のひらの感覚がおかしくなりました。次参加することがあれば、パッド厚めの吸収力のあるグローブで参加したいと思います。日焼け対策のアームスクリーンは大変有効です。また、ヘルメットの下にかぶるキャップ・汗止めヘッドバンドなども有ると良いと思います。日焼け止めは荒れば良いですが、すぐに泥だらけになるので塗り直すのは大変かもしれません。自分はスタート時に厚塗しただけで、塗り直しはしなかったです。

見過ごされがちなのは、ビブのパッドと、シャミースクリームです。320kmという長距離でほぼ全てグラベルですので、サドルとお尻の相性は大変大事です。パッドズレ対策のシャミースクリームは、レーススタート時点で超絶厚塗するか、エイドポイントごとに塗り直すくらいで良いと思います。自分は2回塗り直し、お尻の痛みは最後までありませんでした。

このあたりは事前の練習の中で見極めをするのが良いと思います。例えば、舗装路200km、8時間くらい走って「不快」になるところが少しでも有るならば、グラベル320kmではそれは激痛に変わります。早め早めに最適な服装を探してください。

・レース中の補給/補充
ダーティカンザは比較的フラットで、整備された未舗装路を走ります。とは言え、日本の舗装路とは比べるべくもないあれた路面になります。自分は荒れたグラベル路面でボトルから水を飲むのが得意ではありませんでしたので、この点は事前に荒れた路面でボトルを掴んだり、背中の補給食を取り出したりする練習をしました。結局補給食はベントーボックスをトップチューブに取り付けることで解決しました。ベントーボックスはかなりおすすめです。最近流行りのバイクパッキングで使われるフレームバッグでも良いと思います。

忘れてはいけないのが、Garmingの充電補充です。自分は15時間少々でゴールしましたが、1000人の参加者では上位15%に入っています。つまり、参加者の大多数はそれ以上に長く路上にいるということです。Garminの充電は、当然途中で切れます。ダーティカンザでは大体見える位置に誰か参加者がいますので、誰かと一緒に走ることを心がければ道に迷うということは無いと思いますが、トラブルで独りぼっちになったりするとナビゲーションにこまることも有ると思います。その意味で、GarminなどのサイコンにコースのGPS情報を事前に入れておくことは大事ですし、バッテリーを切らさないことは更に大事です。小型モバイルバッテリーとケーブルはお忘れなく。自分は5000mhのバッテリー1個でGarmin Edge 520とiPhoneの両方を充電して走りきりました。

サングラスは明るさに応じて濃度が変わる調光タイプは有効です。日の入り前にゴールする走力がある選手は、ただの偏光サングラスで良いかもしれませんが、そうでない場合は調光タイプのレンズをオススメします。暗くなると街灯など全くありませんので、必然的に暗闇をライトで照らしながら走ることになります。調光グラスはそういう場面でも有効です。

・自転車あれこれ
先のレビューと重複する点は割愛しますが、脚力に合わせたギア比は大事です。1xと2xで言いますと、7~8割くらいが2xで望んでいるようです。1xは最近の流行りですが、アメリカのグラベルレースは、MTBというよりロードから流れてきた参加者が多いため、フロントギア2枚が主流のようです。自分の場合で言いますと、46/34 + 11/32で望みました。コンポーネントはシマノのロード系が圧倒的に多く、時々SRAMという感じです。Di2の参加者も多いです。チェーンのバタつきを抑えるUltegra RXは、大変有効だと思います。

忘れがちなのが、チェーンオイルです。ダーティカンザは「川」を数回横断することがあり、大体は乗ったまま走り切ることが出来る小さな小川です。2箇所ほど担ぎが入るところがあります。川幅は天気に左右されますが、自分の参加年は一番大きくて20mくらいの川幅、深さは膝下という川が有りました。どのみち、チェーンが濡れることは避けられず、半分も行かないうちに変速に悪影響が出始めます。悪路用のチェーンで行くのが良いと思いますが、粘土が高いせいで泥だらけになる側面もあります。自分はフィニッシュラインのドライ~ウェット潤滑剤を小さなボトルに詰めて、エイドポイントごとにチェーンに塗り直す方法で望みました。変速は最後まで問題なかったので、これでよかったのだと思いますが、ウエット系潤滑剤でも塗り直しの手間を省けるので、良いと思います。セラミック系のドライ潤滑剤は全くオススメできません。

チェーンツール、チェーンリンクは必須です。当然ですね。

ボトルの固定方法はいろいろ皆さんアイデアを出されています。固定力が強いボトルケージを使うのは必須です。サドルの後ろにトライアスリートのようにボトルケージを取り付ける場合は、ゴムバンドで更に飲み口とボトルケージを固定するなどしてください。固定力の弱いボトルケージ、サドル下のボトルケージにただ挿しただけのボトルは面白いように落ちます。100本以上落ちたボトルを見かけた、という表現のは誇張ではありません。

ライトですが、全参加者、前後共に必要です。カンザスの田舎は、日の入り後は街灯もない場所ですので大変暗くなります。キャットアイのそれなりに大きなライト(Volt 700~800など)を持って望むくらいで丁度よいです。重いですが、暗闇の中「未舗装路」を走る、という点を忘れないでください。自分は夕方辺りからVolt 800をミディアムの明るさにして走りました。暗くなるまでは重りでしか無いですが、暗くなってからはこのライトに助けられました。

・役に立つツール
~木製スプーン、「予備の」タイヤレバー
シューズやフレームにこびり付いた泥を取り除くのに大変有効です。自分は古くなったタイヤレバーでシューズのクリートにこびり付いた泥を数回かき出しました。木製スプーンも同じ理由で有効です。カンザスの泥は「団子」になりやすく、雨が降ると路面状況が悪ければ泥地獄になります。自分の参加年も泥のせいで担ぎが入った箇所がありました。先述の、小川を渡る際にシューズ+自転車を洗ってもOKです。その際はチェーンオイルの塗り直しだけはお忘れなく。

~サスペンション・ステム
本格的なサスペンションは不要ですが、小さな衝撃を吸収してくれるサスペンション・ステムは手首の疲労軽減に有効です。自分は普通のステムで望みましたが、手のひら・手首のダメージはかなり酷かったです。後日、Redshift社のShockStopステムを導入したのですが、このステムをダーティカンザで使えていれば楽だっただそうな…と強く思いました。サスペンション機能のないグラベルバイクで望まれる方は、こういうアイテムも検討して良いと思います。

~DHバー
フラットな路面を長距離走りますので、DHバーを付けた選手も多く見ました。アメリカの選手たちの間でも意見が別れているようですが、「かっこ悪い」「グラベルレースで効率求めてどうするの?」という意見もあるようです。自分は付けずに走りましたが、不足は感じませんでした。そもそも未舗装路をDHバーで走るスキルなどないです。使える人には有効かもしれません。

~CamelBakポディウムボトルのマッドキャップ
これはCamelBakのボトルにしか使えないのですが、いわゆるボトルの飲み口をカバーする泥除けです。日本でもポディウム マッドキャップという名前で売られています。自分は泥のついたボトルの飲み口が苦手なのですが、このアイテムのおかげでストレスフリーで補水が出来ました。おすすめです。

また何か思い出したら追記します。

皆様の幸運を祈ります!!

価格評価→★★★★★(←思い出はプライスレス)
評   価→★★★★★(←星10個でも良いです)
<オプション>
年   式→ 2018年参加
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