皆さん夏休みはどう過ごされていますか。
私は台湾に行ってきました。台湾に行くのは初めてです。
大変素晴らしい土地で本当に楽しい旅行でしたが、皆さん当然気になるのは台湾のサイクル事情ですよね。少しだけご紹介しましょう。
まず台湾で驚くのはスクーターの多さです。今年2008年春、ジャイアントは対前年比167%、メリダは対前年比700%の売り上げを記録したらしく、ジャイアントは名実共に世界一の自転車メーカーなのですが、国内消費はまだまだ未開拓。それはスクーターのせいです。1週間弱の滞在で見かけたロードバイク乗りは5人程度。ミニベロ乗りはその3倍程度。あとママチャリが少し。とにかくスクーターがメインの国なのです。電車がそれほど発達しておらず、しかも暑いとなると必然的な選択かもしれません。
(※以下、写真はすべてクリックで拡大できます)
こういうルック車はたまに駐車されています。また、ママチャリもジャイアントブランドがほとんどだったように思います。
台北ではミニベロが大変良く売れているようでした。雑誌でも小径車特集が数多く見られました。
台北の小さいジャイアントショップです。台北の中心部にはあまり本格的なサイクルショップはありません。土地が高いからだそうです。ただし少し外れにはプロショップもあります。普通に歩いていては見つからないので、後で紹介する雑誌でショップ情報を得てから行きましょう。私が覗いた台北のお店では、Howard Bike というお店が結構充実していました(写真はありません。すみません)。サイクルショップはむしろ台中が充実しているそうです(GIANTの本拠地がある工業都市)。
ちなみに「ジャイアント」と地元の人に言っても通じませんでした。あの有名なジャイアントを台湾の人が知らないわけがなかろうと紙に文字を書いたら、「ああ、ジアントーか」とのこと。
これも別のジャイアントショップ。日本でのブリジストンサイクルショップなみに多くの直営店がありました(他のメーカーのも売ってるけど)
ジャイアントの会長と台湾一周しましょう、みたいな広告でしょうか。
一転、こちらは南の高雄(カオシュン)という台湾第二の都市です。これからフェリーに乗って旗津サイクリングロードで走ってきます。
フェリーにはスクーターも自転車も乗れます。
台湾でよく見かけたタイプのロード系サイクリスト。ご覧のようにリアキャリアにパニアバッグを載せるのが主流のスタイルで、大きくて高価そうな一眼レフカメラを持った方が多かったです。スポーツサイクルはどちらかというとお金と時間に余裕がある人、変わり者向けのマイナースポーツのようです。ただし国や台北市、高雄市は自転車の普及に力を入れているようです。
この方が被っているのはHADみたいなものだと思いますが、「頭巾」としてサイクルショップでよく売られているのを見ました。台湾では必需品なのでしょう。
フェリーの中はこんな感じで待ちます。高雄から旗津という小さい島のような場所に行くところです。15元なので50円~60円くらい。上の階に人が乗ります。旗津の住民は無料らしいです。スクーターの若者の大部分は遊びに来ているようでした。
走っている途中でまたジアントーショップを発見。レンタサイクルもやっています。
海沿いのきれいなサイクリングロードです。東京の新木場あたりのCRに少し似た雰囲気ですが勿論こちらのほうが壮大です。
サイクリングロードは「自行車専用道」といいます。ロードバイクは公路車。MTBは登山車と呼ぶようです。
RIDE LIFE, RIDE GIANTの広告でこういう場所が出ていませんでしたっけ?
堪能したので帰ります。気温35度くらいで蒸し暑いので15kmくらいで死にそうになりました。夏の台湾の気候は自転車向きではないかもしれません。ただ、現地の人はほとんど汗をかいていないように見えました。私はこれまでの人生で最も多量に発汗していたと思います(スクーターの人で長袖を着ている人がいるのは恐らく風を受けて涼しいから、及び日焼け防止のためと思われます)。
スクーターの人はマスクをしています。これは他のスクーターからの排気ガスがすごいからです。クルマの排気ガスはたいしたことはないのですが、スクーターのはひどいです。(※後に、このマスクは日焼け止めの意味のほうが強いとも聞きました。どちらが本当かな?)
さて、本屋さんでこういうのを発見しました。見覚えのある雑誌がありますね。
地元紙としては以下の二冊が有名のようです。情報という点においては日本のサイクル雑誌は重宝されているようで、サイクルショップには日本語のサイスポやバイクラのバックナンバーが置いてあることが多かったです。ここ数年、こうした本格的なサイクル雑誌が出てきたようです。
左側の雑誌は輪行袋特集、右側の雑誌は台湾一周特集がありました(この後者の雑誌を参考にして、高雄のCRに行ってきたというわけです)。雑誌の後ろにはショップ情報があるので、お店を探したいときは参考にしてください。
どこかで見たことあるなと思ったら、これもオリジナルは日本語。日本の出版社もなかなかおいしい商売をしていますね。
あの人も台湾に進出していました。・・・・
高雄ならこのお店がおすすめ。大変親切な店主がいました。大体こういうお店は午後13時頃から夜21時頃までの営業なので午前中には行かないように。John's Craft Cyclists Bike Shopという名前でした。
台湾では夕立が降ります。ものすごいやつです。いきなり降ってくるのでロード系の人にとって夏の台湾は厳しいかもしれません。
台湾で良いものを買いました。一見変哲の無い、トップチューブに乗せるあの小物入れですが、リアキャリアバッグのように二連になっていて、トップチューブの上に乗せるのではなく、ひっかけるようにして使います。日本にもあるのかもしれませんが、私はこれまで見たことがなかったのでこれは便利だなと思い買いました。1500円くらいです。自分の自転車はGIANTではないのですが、今回の旅行でロゴも見慣れ、ちょっとだけファンになりました(洗脳されたとも言う)。どのショップでも売っている小物(グローブとかサドルバッグ)はジャイアント製品がほとんどでした。なお、このタイプのバッグには他にPAZZAZのものと、メーカー不明のものがもう一つありました。私はミニベロで使用したいと思います。
これは記念に購入。いつも愛用しているFINISH LINEのDRYです。商品名もなぜか中文なんですね。雰囲気出ていますね。
以下は雑誌から。さきほど出てきたバイクラは、日本のNo1雑誌として数ヶ月前の翻訳が創刊号として売り出されていました(cbnanashiのアンケート結果からすると、あまり人気がないように思えますが・・・)。森幸春師匠は「森幸春 大師」と紹介されていてちょっとカンフーの世界でした。
「爬」という文字は登るという意味のようです。
ミニベロが流行しているようです。EQUINOXというメーカー。聞いたことがありません。フルカーボンの小径車ですか。タイレルも紹介されていました。これはスカンジウム素材のフレームのようですね。気になりますね
以下、ランダムに。著作権侵害みたいに思われるかもしれませんが、台湾のサイクル雑誌を認知してもらうという観点からは、悪いことではないでしょう。皆さん台湾に行かれたら購入されてみてください。一冊300円程度だったような気がします。
全体の構成や特集などは日本のサイクル雑誌とよく似ています。恐らく日本の雑誌を参考にしているのでしょう。自転車通勤や台湾一周、新製品レビュー、簡単なメンテナンス特集等々がありました。
宮古島で何かの大会に参加したらしい台湾人の特集のようです。
さて、駆け足でのご紹介でしたが如何でしょうか。
総括すると、
・台湾でのスポーツサイクル文化はまだ成熟していない
・どちらかというとマイナースポーツ(でもこれからクルらしい)
・ミニベロはちょっとしたブームになりつつある
・車種に関わらず、リアキャリアバッグを装備したツーリングスタイルが主流
・自転車の生産量が世界一でパーツ関連会社も多いからといって、ショップの中でフレームやパーツが潤沢に陳列されているわけではない(その意味で日本は非常に恵まれていると言えます)
・現地の人は適応しているのかもしれないが、台湾の夏は暑いので自転車に乗るときは熱中症に注意(この意味でも日本の自転車環境は恵まれていると言えます。気象的にという意味ですが)
・サイパッホー(西北雨)というスコールがすごいので夏季のサイクリングにはレインジャケットを持っていたほうが良い
・日本のサイクル関連雑誌が貴重な情報源として扱われているらしい
といったところでしょうか。
今回、私は高雄で自転車をレンタルする予定でしたが、宿泊したホテルでたまたまジャイアントのMTBを借りることができました。しかも無料でした。今回の旅行で台湾は大変気に入ってしまったので、次はもう少し涼しい季節に愛用のミニベロを持っていって台北や高雄でサイクリングを楽しんでみる予定です。
それでは皆さんも楽しい夏休みをお過ごしください。
[管理人より]
【おまけ】
台北で見かけたルック車に乗るサイクリストです。
この方のサドル下に注目。見づらいですが、CD-Rのようなものが括り付けてあります。日光を反射して被視認性を高めているのでしょう。おもしろいアイデアですね。DIYパーツですね。