購入価格 ¥3300円くらい
◆購入動機
私はブロンプトンを購入してからずっと純正ケブラータイヤ(現在は廃番)を購入して使い続けていました。
純正ケブラータイヤは、見た目こそ軽快車用っぽい感じですがグリップが良く、軽量で乗り心地も良く、濡れた路面での走行でも安心感があり、とても気に入っていたのです。
しかし、トレッド面に傷が付きやすく、実用自転車のタイヤとしては突き刺しパンクにやや弱い事が気になっていました。
そこで、昔から耐久性に定評のあるマラソン(以下本製品)を使ってみようと思ったわけです。
数年で数セット使ったので、今回レビューします。
◆製品概要
昔からお馴染みの、シュワルベを代表するツーリング向けタイヤです。
小径から大径まで様々なサイズがラインナップされており、市場に出回っている大多数のバイクに装着可能なタイヤでしょう。
今回はブロンプトン用タイヤとしての切り口からレビューしたいと思います。
比較対象は、純正ケブラータイヤ(以下純正ケブラー)です。
◆使用感
【着脱性】
サイドが硬く、若干タイトな作りになっているため着脱性が良いとは言えません。しっかりと手順を踏んで丁寧に作業すれば、そこまで苦労する事なく着脱可能です。
純正ケブラーの異常なまでの着脱のしやすさを知っている方だと本製品は「着脱しにくい!」という感想になるかもしれません。
話が脱線しますが、個人的には、本製品は個体差が大きい傾向があると感じます。サイドの歪みが酷い個体だと、装着自体は普通にできても空気を入れる際にビードが均一に上がらずに難儀することがあります。一旦ビードを均一に上げて使用して馴染んでしまえば、その後の着脱でビードが上がらないという事はほぼないのですが、この点は注意された方がいいかもしれません。
また、重量の個体差も結構激しく、私が昨年買った物の1本が368g、もう1本が403gでした。カタログ重量(420g)より軽いのは嬉しいですが、ここまで重量に差があると…
ちなみに最近購入した物は、どれも歪みが少なくビードがすんなりと均一に上がってくれました。もしかしたら工場や検品体制が変わったのかな?
【グリップ感】
耐摩耗性、耐久性を重視した作りになっている事の代償か、グリップは低めです。純正ケブラーと比べるとグリップは数段劣ります。特に雨天走行時には慎重な操作が求められます。
【乗り心地】
硬めです。純正ケブラーはサイドがしなやかで乗り心地が良いタイヤでしたが、それと比べると本製品は明らかに硬く、段差での突き上げも大きいです。ただ、細かい振動は、きちんと吸収してくれているように感じます。
【転がり抵抗感】
これは結構良く感じます。
中央部のトレッドパターンが連続した形になっているせいか、純正ケブラーと比べると巡航時のロードノイズも明らかに静かです。
純正ケブラーと比べると100g以上重いタイヤですが、平地では重さは感じません。むしろ転がりは純正ケブラーより良いです。
登坂や発進時はやはり重さを感じますが、小径なためか、700Cのバイクで100g重いタイヤを使った時のような著しい差は感じません。
【耐パンク性】
良いです。数年間、数セット本製品を使い続けていますが、今のところ1回もパンクはありません。純正ケブラーはトレッドに傷が付いてガラス編や小石を噛み込みやすく、年1程度の頻度で突き刺しパンクする事がありましたが、本製品はパンクしにくいのはもちろん傷も付きにくいです。
【耐摩耗性】
これも良いです。
小径でタイヤの摩耗が速いブロンプトンですが、日常生活で重めの荷物を運ぶ事もある私の場合、途中前後ローテーションしつつ5000〜6000kmでようやくスリップサインが見えてくるかなという感じです。
人や乗り方によっては8000kmくらい使えそうな気がします。
スリップサインが出てからさらに使い続けると、緑色の耐パンク素材が見えてくるようですが、私はそこまで使ったことはありません。
【耐久性】
十分だと思います。
耐候性が高く、長く使ってもサイドのヒビ割れはなかなか発生しませんし、トレッドのゴムも磨耗して寿命を迎えるまで硬化を感じにくく、柔軟性が保たれています。
【その他使用感】
本製品は、純正ケブラータイヤと比べると細身なので、フェンダーとタイヤとのクリアランスに余裕があります。(純正ケブラーはクリアランスが結構タイトだった)
また、現在のブロンプトン標準装着タイヤであるマラソンレーサーと本製品は表記上は同じ太さですが(35-349)実際にリムに装着すると本製品の方が少し(1.5mmくらい)細身です。
ブロンプトンの魅力の一つに、雨天走行時のフェンダー性能の高さがありますが、本製品は中央部のトレッドパターンが連続しているせいか、水の飛散がかなり少なく感じます。(純正ケブラーやマラソンレーサーの方がフェンダー左右への水の飛散が多い気がする)
個人的には、本製品は若干空気圧低めで使ったほうが良い気がします。
空気圧を下げても転がり感があまり変わらず、腰砕け感もなく軽いままですし、下げる事でグリップの低さや乗り心地の悪さも当然緩和されるので、若干低めがおすすめです。
ちなみに私(体重58kg)は5〜5.5気圧程度にしています。
◆まとめ
趣味でブロンプトンに乗る方や気持ちよく走りたい方には、本製品はあまり向いていません。グリップの低さや乗り心地の悪さ等のネガティブな面が目立つでしょう。
また、他のブロンプトン向けタイヤと比べると2本で200〜300gほど重いので、輪行時の重量を気にされる方にも本製品はあまり向きません。
ただ、ブロンプトンを実用車としてガンガン使う方や、ロングツーリングで使われる方にとってはほぼ本製品一択でしょう。
耐摩耗性、耐パンク性、共に十分だと思います。重量から想像するよりは走りも軽いです。
ブロンプトン用タイヤの中では値段がかなり安い上に1番長持ちするので、維持費も相当抑える事ができます。
個人的にはグリップにやや不満がありますが、サイドカットやトレッド面のキズ等で寿命を迎える事なく、スリップサインが出るまでしっかりと使い切れるので満足しています。
価格評価→★★★☆☆(ブロンプトン純正タイヤと比べると相当安いが、単にタイヤとして見れば普通)
評 価→★★★★☆(製品ムラがなければ、実用タイヤとしては至極真っ当な性能)
<オプション>
年 式→2018
カタログ重量→420g(実測重量403g)