皆さんこんにちは! 第51回アンケートへのご協力ありがとうございました。今回は今年で三回目になるショップ関連アンケートでした。ちなみに過去二回の結果は以下のリンクからご覧いただけます。
2008年の結果2010年の結果質問は、前回と同じ以下の4つでした。
Q1. あなたは自転車関連商品を主にどこで買いますか(あえて1つ選択)
Q2. あなたがよく利用する国内通販ショップを教えてください(いくつでも)
Q3. あなたがよく利用する海外通販ショップを教えてください(いくつでも)
Q4. あなたが通販ショップに求めるものは何ですか(※最大3つまで)
では早速結果を見て行きましょう。今回は過去三回分の結果を比較しながら見ていきたいと思います。
まずQ1では、国内リアル店舗・国内通販ともに利用度が減少傾向にあり、逆に海外通販の利用比率が伸びています。CBNの掲示板でも、国内リアル店舗・通販ショップでのトラブルや不満といった話題が上がることがありますが、同時に、私達は"LBS" (Local Bike Shop・・・地元のショップ)も大事にしていく必要があるのではないか? このままでは日本のLBSは絶滅してしまうのではないか? といった興味深い議論も発生しています。
通販・物理店舗に関わらず、日本のショップはどのようにすれば生き残れるのか。どんなショップが生き残れるのか。その答えは簡単ではないと思いますが、以下のトレンドを見ている限り、少なくとも何らかの対策を講じない限り生き残りは難しいということは明らかです。
Q1 あなたは自転車関連商品を主にどこで買いますか (あえて1つ選択) |
| 2011 | 2010 | 2008 |
海外通販ショップ | 41 % (202) | 31 % (134) | 17 % (72) |
国内のリアル店舗 | 28 % (139) | 31 % (135) | 39 % (163) |
国内通販ショップ | 26 % (132) | 33 % (140) | 38 % (159) |
国内オークション | 2 % (14) | 3 % (15) | 4 % (19) |
海外オークション | 0 % (3) | 0 % (0) | - |
その他 | 0 % (0) | 0 % (0) | 0 % (4) |
%Base= | 490 | 424 | 417 |
次はよく利用する国内通販ショップ。Amazon.co.jpがダントツの一位となっています。基本的に送料が無料で発送も速い、しかも在庫が多いのでワンストップで買物ができるからでしょうか。アマゾンが在庫を持っていない商品でも、他のショップも出店しているので「気分的にはワンストップ」で買える点も評価されているのでしょうか。
他に明らかに伸びているのはCS-MAVERICK。このショップは在庫状況が一目でわかるという日本のショップには珍しい強みを持っています。また、去年はリストに入れ忘れていたサイクルショップ金太郎も、恐らく上り調子であると思われます。このショップは超迅速なレスポンスと丁寧な対応で、非常に短い期間で絶大な信頼を得たのが記憶に新しいお店です。
あさひは下落傾向にありますが、それでも強いですね。とはいえ、ついに首位の座をAmazonに奪われてしまいました。あさひは大幅にサイトを改良し、クレジットカードが使えるようなったりしましたが、それだけでは満足できないユーザーが多かったことが伺えます。
Q2 あなたがよく利用する国内通販ショップを教えてください (いくつでも) |
| 2011 | 2010 | 2008 |
Amazon.co.jp | 44% (218) | 40% (165) | 16% (60) |
サイクルベースあさひ | 37% (185) | 46% (187) | 47% (176) |
ワールドサイクル | 26% (127) | 25% (102) | 12% (43) |
ウエムラパーツ | 13% (64) | 21% (87) | 28% (106) |
ビチネットサナ | 11% (57) | 17% (68) | 12% (45) |
サイクルショップ金太郎 | 11% (54) | - | 7% (27) |
アスキーサイクル | 10% (50) | 13% (53) | 22% (81) |
サイクルショップタキザワ | 9% (43) | 11% (47) | 11% (40) |
CS-MAVERICK | 8% (39) | 7% (30) | 5% (18) |
サイクルヨシダ | 5% (23) | 7% (28) | 7% (25) |
カワハラダ | 3% (13) | 3% (14) | 5% (20) |
その他 | 13% (66) | 11% (47) | - |
国内通販ショップは利用しない | 7% (33) | 7% (28) | - |
%Base= | 498 | 409 | 373 |
次は海外通販ショップの利用実態を見て行きましょう。Wiggleは強いですね! 一昔前は、日本でサイクルパーツを通信販売で買う、という場合、サイクルベースあさひが標準だった時代がありました。そして、ちょっとマニアックな人はアスキーサイクルでより安く買う。現在は、それがちょうどWiggleとChain Reaction Cyclesに置き換わったといっても過言ではないでしょう。
Wiggleの独走をよそに、二番手のChain Reaction Cyclesの利用率もかなり大きく上昇してきていますが、最近では日本語のインターフェースや日本語でのカスタマーサポートも導入し、着々とWiggleの背後で足を溜めている(笑)感じのCRC。今後この両者でどのような争い(=セール合戦 ←妄想 )が繰り広げられるのかに注目ですね。また、最近のユーロ安・ドル安を反映してか、BIKE24とJensonUSAの利用率も上がっています。
Q3 あなたがよく利用する海外通販ショップを教えてください (いくつでも) |
| 2011 | 2010 | 2008 |
Wiggle | 79% (321) | 72% (255) | 20% (73) |
Chain Reaction Cycles | 36% (147) | 22% (79) | 5% (19) |
Bike24 | 8% (31) | 2% (7) | 2% (7) |
Jenson USA | 7% (29) | 3% (11) | 1% (3) |
Evans Cycle | 4% (17) | 1% (3) | - |
Slane Cycles | 2% (8) | 2% (8) | - |
Bellati Sports | 2% (8) | 1% (5) | 1% (5) |
Total Cycling | 1% (6) | 2% (8) | 2% (8) |
その他 | 10% (39) | 5% (18) | - |
海外通販ショップは利用しない | 16% (66) | 24% (84) | - |
%Base= | 406 | 353 | 373 |
最後に、通販ショップに求められているもの、リクワイヤメントを見て行きましょう。安く買えること、そして、何でも安ければ良いのではなく、自分が欲しいものを売っている、その二点は一貫して重要な要素となっています。それ以外の点では、クレジットカードが利用できること、サイトが日本語に対応していることのアドバンテージが高まっているように思います。
また、以下の表から簡単にまとめると、「カードが使えず、納期が遅く、サイトが日本語でなく、質問しても返事をくれない、返品できない、注文してもいつも欠品」といったサイトでは、買わない、という傾向が読み取れると思います。
Q4 あなたが通販ショップに求めるものは何ですか (※最大3つまで) |
| 2011 | 2010 | 2008 |
価格が安い | 90% (394) | 86% (354) | 91% (314) |
品揃えが豊富 | 73% (318) | 71% (294) | 65% (222) |
送料が安い | 43% (190) | 46% (190) | - |
カードが使える | 32% (140) | 29% (119) | 23% (79) |
納期が早い | 24% (107) | 25% (105) | 43% (149) |
サイトが日本語に対応している | 15% (64) | 11% (45) | - |
カスタマーサポートがいい(質問、返品対応含む) | 12% (53) | 14% (56) | 8% (28) |
品切れがない | 7% (31) | 15% (63) | - |
その他 | 2% (9) | 1% (5) | 4% (14) |
%Base= | 438 | 412 | 344 |
こうして何年かのデータの推移を眺めてみるのはおもしろいですね。とはいえ、日本のリアル店舗・通販ショップの利用率下落傾向が気になるところです。
リアルショップについては、日本には自転車屋さんが多すぎるのではないか? という意見もあるようです。また、代理店・問屋などが介在する日本の特殊な流通システムは、小売店側の在庫リスクを減らし、ある程度の価格統制も可能なので、これまでは特殊なスキルや優れたサービスをオファーできないショップでも、なんとか自転車店を営むことが可能だった、ということも言えるのかもしれません。
「誰でも自転車ショップを営める」という時代はもう終わりつつあるのかもしれません。ただ、それでいいのか? という問題はあります。というのも、質の悪い技術とサービスを高コストでしか提供できないショップは、淘汰されても止むなし、といった点では、多くの人の意見が一致するとは思うのですが、仮にそれが運悪く「県唯一のプロショップ」だとしたら? そのお店が潰れてしまうと、その地域のサイクリストは何らかのかたちで困るはずです。
また、大人気ではないけれど立ち寄りやすい近所の中堅ショップが消えてしまったら。メンテナンスを教えてくれるあのおっちゃんや、ポジションをアドバイスしてくれるあのお兄さん、自分に似合うヘルメットをおすすめしてくれるあのお姉さんがいなくなったら。チェーンが切れてタイヤサイドが裂けて5時間歩き通しても、一件もショップがなかったら。ショーウィンドーで素敵なANCHORのロードを見かけて、胸をときめかすことがなくなってしまったら。それはちょっと困るし、寂しい、というのはあります。
つまり、リアルショップには地域の自転車文化を担う、というもう一つの機能があるのだと思います。そうしたショップがなくなっていくのは、やはり問題でしょう。
逆に言うと、技術がなく、サービスも悪く、価格も高く、地域の文化の担い手でもないショップが仮にあるとしたら、それは全ての人に見放されていくのではないでしょうか。
週末に東京の「なるしまフレンド」というリアルショップに足を運ぶと、びっくりするくらいの人だかりです。通販でも、いつのまにかCS-MAVERICKのような工夫のある新世代ショップが現れはじめています。
たぶん、必要とされていて、価値があるものはちゃんと生き延びるし、そうでないものはただ消えて行くのではないでしょうか。
それでは皆様、今回もご協力ありがとうございました!