皆さんこんにちは! 第73回アンケートへのご協力ありがとうございました。今回は今年で6回目になる自転車ショップ関連のアンケートでした。ちなみに過去5回の結果は以下のリンクからご覧いただけます。
2008年の結果2010年の結果2011年の結果2012年の結果2013年の結果質問は、前回と同じ以下の4つでした。
Q1. あなたは自転車関連商品を主にどこで買いますか(あえて1つ選択)
Q2. あなたがよく利用する国内通販ショップを教えてください(いくつでも)
Q3. あなたがよく利用する海外通販ショップを教えてください(いくつでも)
Q4. あなたが通販ショップに求めるものは何ですか(※最大3つまで)
今回はQ1の回答者が300人を超えた時点で投票を終了しました。では早速、過去の結果と比較しながら変化の推移を見ていきたいと思います。
海外通販の利用率が激減:2008年の水準近くにまで落ち込む下の表をご覧ください。自転車パーツ通販における「海外通販ブーム」は完全に終焉を迎えつつあるように見えます。ピークであった2012年には56%もの方々が「主に海外通販で購入」と回答したものの今年は24%にまで激減。円安の影響があるのは間違いありませんが、国内の通販ショップ・リアル店舗の利用率は2年連続で上昇。国内では通販ショップのほうが優勢ですが、リアル店舗利用率もじりじりと上がってきています。それは何故でしょうか。推測ですが、日本国内の通販ショップとリアル店舗での価格差が少なくなってきていること(ならばどちらで買っても良いという判断)、さらに「お店なら実際にモノを見て買える・質問できる・相談できる」という付加価値(安心感・コンサルテーション力)が効いてきているのかもしれません。
いずれにしても海外通販の勢いは、最初にこのショップアンケートを実施した2008年の水準にまで下がりつつあります。あれほどまでに私達の胸をときめかせ、私達の貯金を奪い、あなたを離婚にまで追い込んだあのワクワクするような自転車海外通販ブームは、もう二度とやってこないのでしょうか。
Amazonをはじめ国内ショップは全体的に利用率が増加。サイクルベースあさひの利用率低下が目立つ国内ショップの利用率は全体が底上げされるようなかたちで増加傾向にあります。海外通販の利用を控えた層がそのまま国内ショップに流れたものと思われます。しかしその中では国内大手のサイクルベースあさひの利用率低下が目立ちます。Amazonの強さは別格ですが、2番手に付けているワールドサイクルの勢いも目立ちます。また、注目したいのが「その他」の比率です。これまでのアンケートでのリストに存在していないショップを利用している方が増えてきているようです。他にどんな国内ショップが人気なのか気になるところです。これについては後日、あらためて追加のアンケートを実施してみたいと思います。
Q2 あなたがよく利用する国内通販ショップを教えてください (いくつでも) (%) |
| 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 |
Amazon.co.jp | 62% | 58% | 60% | 44% | 40% |
ワールドサイクル | 36% | 33% | 31% | 26% | 25% |
サイクルベースあさひ | 26% | 33% | 34% | 37% | 46% |
ビチネットサナ | 16% | 14% | 13% | 11% | 17% |
アスキーサイクル | 12% | 10% | 9% | 10% | 13% |
ウエムラパーツ | 11% | 11% | 12% | 13% | 21% |
サイクルショップタキザワ | 8% | 7% | 9% | 9% | 11% |
サイクルヨシダ | 8% | 5% | 4% | 5% | 7% |
CS-MAVERICK | 4% | 7% | 7% | 8% | 7% |
コグス | 2% | 3% | 2% | - | - |
カワハラダ | 1% | 2% | 2% | 3% | 3% |
サイクルショップ金太郎 | 0% | 1% | 2% | 11% | - |
その他 | 18% | 15% | 14% | 13% | 11% |
国内通販ショップは利用しない | 3% | 6% | 7% | 7% | 7% |
海外通販勢ではWiggleが辛くも王者を死守するも利用率は過去最低水準に今年は76%もの人々が主に日本国内で買物をするようになったと回答しています。一方海外通販ショップ勢は残りの小さいパイを奪い合わざるをえないレッド・オーシャンに突入。その中でもWiggleはトップの座を死守していますが、ピーク時の2012年からは2年連続で利用率が下落。その分他のショップでの利用率が増えていると考えられますが、今年からアンケートリストに加わったCycling ExpressやBellati Sportなどがそうしたショップなのかもしれません。とはいえ、海外通販の利用率そのものが大きく落ち込んでいる状況です。どのショップも将来を楽観視できない状況になっていると思います。
Q3 あなたがよく利用する海外通販ショップを教えてください (いくつでも) (%) |
| 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 |
Wiggle | 66% | 75% | 79% | 79% | 72% |
Chain Reaction Cycles | 41% | 39% | 48% | 36% | 22% |
Bike24 | 10% | 12% | 11% | 8% | 2% |
Cycling Express | 10% | - | - | - | - |
ProBikeKit (PBK) | 6% | 3% | 4% | - | - |
Evans Cycle | 5% | 5% | 8% | 4% | 1% |
Merlin Cycle | 4% | 3% | 5% | - | - |
Bellati Sports | 4% | - | - | - | - |
Jenson USA | 3% | 5% | 2% | 7% | 3% |
Total Cycling | 1% | 1% | 2% | 1% | 2% |
Planet X | 1% | 1% | 2% | - | - |
その他 | 4% | 8% | 9% | 10% | 5% |
海外ショップは利用しない | 19% | 20% | 16% | 16% | 24% |
いま通販ショップに求められているものは何か大きい傾向として、「価格が安いこと・送料が安い(または無料である)こと・品揃えが豊富であること」の3点は過去のアンケートで長らくトップ3の座を占めてきた属性でした。ここでは視点を変えて、海外通販利用率がピークだった2012年の数値と比較してみましょう。すると不思議なことに、先述の3点(価格と送料が安い・品揃え豊富)はどれもパーセンテージを下げています。恐らく「そんなのは当然」と思われているのが理由ではないかと思います。一方、「注文した物が確実に届く」や「カードが使える」、「サイトが日本語に対応している・サイトが使いやすい」等は上昇トレンド。国内海外問わず、通販ショップの基本的な属性(価格と送料が安く品揃えも豊富)はこれまでにほぼ充実してきたので、現在はそれ以外の部分に注目が集まってきているということが言えると思います。サイトが使いやすい、という属性は特にウェイトが大きくなってきているのではないかと感じます。
Q4 あなたが通販ショップに求めるものは何ですか (※最大3つまで) (%) |
| 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2008 |
価格が安い | 69% | 73% | 89% | 90% | 86% | 91% |
送料が安い・送料無料 | 46% | 44% | 53% | 43% | 46% | - |
品揃えが豊富 | 45% | 44% | 63% | 73% | 71% | 65% |
注文した物が確実に届く | 38% | 41% | 31% | - | - | - |
カードが使える | 33% | 32% | 23% | 32% | 29% | 23% |
納期が早い | 18% | 17% | 17% | 24% | 25% | 43% |
サイトが日本語に対応している | 18% | 16% | 6% | 7% | 15% | - |
サイトが使いやすい | 15% | 15% | 8% | - | - | - |
品切れがない | 15% | 14% | 13% | 12% | 14% | 8% |
カスタマーサポートがいい(質問、返品対応含む) | 10% | 15% | 15% | 15% | 11% | - |
その他 | 3% | 2% | 1% | 2% | 1% | 4% |
総括一時期の「海外通販ブーム」はもはや終わった、という印象を強く抱かせる結果となったアンケート内容でした。円安の影響が非常に大きいのは間違いありませんが、今では大多数の方々が日本国内で自転車パーツ・グッズを買うようになっているようです。こうした状況下で海外通販勢は苦戦を強いられると思いますが、WiggleやChain Reacion Cyclesのようなメガストアの勢いの衰えは、新興ショップにとっては大きいチャンスでもあります。Cycling Expressのような新しいタイプのショップの登場で、海外通販の勢いは再び活性化されることになるのでしょうか。
そしていまふたたびお客さんが戻ってきている日本国内の通販ショップ・路面店は今後も安泰でしょうか。かつて日本のサイクリストは「日本の通販は海外通販よりも価格が高く、問屋システムの存在のため納期も遅く、リアル店舗では店員さんに商品知識もなく、接客もひどい。なら日本国内で買う理由は、一つもないではないか。自分で自転車を組み立てるスキルを身に付け、パーツを安く外国から買おう」と考え、海外通販に流れていきました。その歴史は、いつかまた繰り返されることになるのでしょうか。
それでは皆様、今回もアンケートへのご協力、大変ありがとうございました! 今後もCBNアンケートにご参加いただけると幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。