購入価格 ¥13000円くらい。今ならもう少し安い?
オーストリッチの誇る、最も大きいサイズのフロントバッグがF-702です。購入時期は2008年11月で今更感はありますが、現在も商品展開されていますのでせっかくなのでレビューを。
購入当初の使用目的はキャンプツーリング用でしたが、大きいフロントバッグが何かと便利なことから常用バッグに。ブルベやポタリングでも活躍しました。なお、F-702を普段装着している自転車は、ドロップハンドル化した700Cクロスバイクです。
●装着
とにかくでかいです。内容量14.5Lは圧巻ですが、その分重量はバッグだけで900gあります。バッグ本体の重さに内容物の重さも加えると、重さは軽く数kgを越えることからハンドルバーにアタッチメントを付けるタイプの装着方法ではバッグを支えるには重量オーバーです。ですので、使用するためにはバッグを下から支えるフロントキャリアが必須です。バッグ後部につけられたストラップを用いてハンドルに直接装着することは可能ですが、走行時に左右にズレたり、上ハンが握れなくなったりといくつか問題点が浮上します。バッグとハンドル間にスペースを確保するため、また自転車走行時の揺れに対応するために、オーストリッチのフックキャリアK型もしくはC型を併用することを推奨します(私はC型を使用)。圧倒的に安定します。
自転車に装着することが出来たとしても、次の問題があります。バッグの横幅が270mm(カタログ上)あり、ドロップハンドルの幅が広くないとSTIなどのデュアルコントロールレバーを操作する際に干渉します。、幅400mmの普通のドロップハンドル(ランドナーバーみたいにハの字になっていないヤツ)に8速時代のSORAのSTIレバーを使用していますが、ワイヤーを引く(レバーを横に押す)動作にスペースの余裕がありません。リアディレーラーを操作する際は1段シフトダウンで精一杯で2段シフトダウンする分のストロークが稼げません。フロントディレーラーの操作に至っては、シフトアップが満足に出来ません。私はフロントディレーラーの操作のためにバーエンドコントローラーを導入し、ブレーキレバーと役割を完全に分離することでなんとか解決しましたが、正直苦肉の策でした。もう少し幅の広いハンドルを使用すればうまく解決できたかもしれません。ランドナーなどでよく使用される、ブレーキワイヤーが上に飛び出るタイプのブレーキレバーにWレバーを用いればこの問題は存在しないでしょう(そもそもこのバッグを取り付ける想定車種がクラシックなランドナーなのだと思います)。
後は、一昔前のシマノのSTIレバーでよく見られたドロップハンドルの内側方向にシフトワイヤーが飛び出る触覚方式の場合は、ワイヤーがバッグに干渉しないよう変速バナナなどを用いてワイヤーを逃がしてやる必要があります。
●使用感
14Lはすごい。長物以外ならなんでも入ります。私はキャンプツーリング時は一眼レフカメラ(標準ズーム+広角ズーム)に貴重品(スマホや財布)、補給食、救急道具を主に入れていました。なおバッグの底面と側面にプラスチックの厚板が入っているため、バッグが型崩れすることはありません。側面にポケットが備え付けられており、塩タブレットなど厚みのないものが入れられます。前面には大きめのポケットが備え付けられており、付属のレインカバーやショルダーベルト、ティッシュなどを入れていました。おまけに背面にもポケットが2つ。天面にはマップホルダーがついていますが、A5用紙くらいの大きさのため入れる物を多少選びます。また厚みのあるもの(たとえばツーリングマップル)は少し厳しいでしょう。私はここにはあらかじめA5サイズで印刷した地図を入れたり、ブルベ時にはキューシートを入れていました(フロントバッグ天面に入れたキューシートはとても見やすい)。
このバッグは前開きであり、2本の前面ストラップのバッグルを用いて開け閉めするのですが、正直言って不便です。後ろ開きだと走行中でもバッグ内にアクセスしやすくて良いのですが…。横の隙間から手を突っ込み、補給食を取り出すくらいのことはなんとか可能です。一時停車した際の荷物の出し入れのしやすさはピカイチであり、シャッターチャンスが迫っている時など便利に感じる場面も多くありました。
(一眼レフのカメラバッグがすっぽり入り、まだ余裕がある。)
●防水性
バッグの生地の裏面は水を通しにくくなるよう加工されていますが、やはり雨に降られると濡れます。濡れたら困る物は袋に入れるなど対策が必要でしょう。付属のレインカバーの性能には期待してはいけません。ペラペラですぐ浸みます(無いよりはマシ程度)。
●耐久性
とても丈夫な生地でできています。一度走行中取り付けミスによりバッグを落下させたことがありますが、破れることもなく現在(2017年11月)も問題無く使用可能です。
●総評
装着に自転車を選びますが、装着できてしまえば市販されているフロントバッグにおいて最大級な、大容量の便利さには病みつきになります。積載を重視するツーリングはもちろん、普段の自転車ライフに大活躍するでしょう(重さに目をつむれば)。
価格評価→★★★☆☆
評 価→★★★★☆(装着さえできれば…)
(ツーリングでの使用例)