購入価格:1,615円
実測重量:96g
私は理想を追い求める人間だ。
少し前までは、ブルベで欲しい装備をフルに取付けるとフロントバッグを付けられなかった。優先度はそれほど高くないので後回しにしていたのだが、フロントバッグを使える状態が常に“理想”として念頭にあった。
いろいろと試行錯誤してプランを煮詰め、ライトブラケットを小改造した結果、フロントバッグに遮られない位置にライトを取付けられるようになった。そこで各社各製品を比較検討し、最終的に購入したのが本製品だ。安くて求める機能を満たしていて、CBNにレビューが載っていない。完璧だ。
ここでは、かつて使用していたモンベルのサイクルフロントバッグ(旧型)の使用感を思い出し、比較しながらレビューしたい。
第一印象は「紙風船みたい」だった。軽くて薄くて頼りない。紙風船はさすがに言い過ぎだが、軽いのは間違いない。モンベルの物はプラスチック板で形を保っており、それが重さの原因でもあったが、本製品はそのような工夫はされていない。
ジッパーはひとつだけで開口部が広く、内部には仕切りがないので、スペースを余すことなく使いきれる。保温/保冷のため内部に貼られたアルミのおかげで、暗くても荷物を見付けやすい。開口部の広さもあわせて、中で荷物が迷子になりにくくなっている。だが、このアルミの耐久性には少々不安がある。写真でも確認できるが、既に傷ついて穴が空いてしまっている
モンベルは3気室で、その分ジッパーや仕切りで重量が増えていた。中の仕切りを切り取って2気室に改造したが、開口部の狭さはどうしようもなかった。
防水性能にはまったく期待していない。ごく普通のジッパーと縫い目なので推して知るべし、である。濡れて困るものは入れないか、別途ジップロックなどで保護する必要がある。サイドのメッシュポケットはそれほど伸びないし、落とすのも怖いのでゴミ専用にしている。
取り付けは、縫い付けられた2本のベルトで行う。ベルクロで留めるので、ずれたり緩んだりする心配はほぼない。モンベルのフロントバッグはここに難ありで、純正のベルトは非常に緩みやすく、ベルトの交換やタイラップでの補強は“必須”といえるものだった。
肝心の内容量は、ざっくり表現すると「雑に丸めた旧型ストームクルーザーを楽に入れられる」くらいだ。乗車姿勢のまま取り出して使う物を入れるためには充分な容量だろう。
耐久性に若干の不安はあるが、シンプルで使いやすいフロントバッグである。使う前は保冷/保温機能が余計だと思っていたが、中が見やすいという副次効果が地味にありがたかった。保冷/保温機能については、気が向いたらテストしてみたい。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★☆