購入価格 ¥4990円@スポーツデポ(定価は19950円)
馬鹿野郎!!
峠のタイムが伸び悩んでいるだと!?
トレーニングってものはなぁ、計算通りに進めればそれでよい結果が得られるようなそんな単純なものじゃないんだよ!!
筋肉とは子育てと見つけたり。
まぁ、トレーニング理論などCBNの読者なら俺が語るのも今更な感じだろうから、どうやらここは俺の過去の経験について語るのが一番の解決策だろうな・・・
それは俺が地元のショップのチームの中でも競技志向の強い「うさぎ」クラスに入ってしばらくがたったある暑い夏の日のことだった。
ロードに乗り、峠に通い始めた俺は、最初は順調にタイムを伸ばしていたのに、ここしばらくは伸び悩んでいた。
その日も俺はチームの仲間といつもの山岳を含む約4時間のコースに練習に出かけていた。
ウェアは酷暑を見越してMAVICのプラズマジャージ。
暑さで苦しむのは根性を鍛える意外、何の意味もないからな・・・
デヤァァー
管理された心拍数を越えないように、節度ある俺の気合がこだまする。
ふと振り返ると、今年チームに入ってきたまさしが必死の形相で俺についてきている。
きつさのあまりフォームは乱れ、この様子では頂上までもつまい。
無理せず自分が走り切れるペースで走った方が、結果としてタイムもいいのに・・・
案の定、まさしは早々にチギれてしまい、残りの上りのみならず復路も全く足が回らず、
チーム員からひとり遅れてショップに帰ってくる有様だった。
俺は誰にともなくつぶやいた。
俺「見ろ、あれが悪い例だ。
平地はとおるさんのペース、山でも俺にくらいつくなんて無茶をするもんだから、復路は足が終わってしまいただ惰性で走るしかない。
あれでは後半はトレーニングにはなっていない。
きっちりとペース配分をして、最後までタレずに走り切る俺とは対極の下等な走りだよフハハハハハ!!」
そんなある日のことだった。
俺が山頂に到達すると、まさしがひとりベンチに座って何か本を読んでいたので俺は横から題名を覗き込んだ。
「はじめての子育て」
俺「ブハハハハハ!!
お前、子どもどころか結婚もしていないのに、なんでそんな本を読んでいるんだ!?」
まさし「ヒルクライムでつよしに勝つヒントを探るためさ」
その時の俺にはまさしの言葉の意味がわからなかった。
しかし大して深く考えることもなく、俺は自分のトレーニング日誌を開き、その日の結果を記した。
俺「しかし、このトレーニング日誌を見ても、ここしばらくタイムが伸びていないなぁ・・・
ちゃんとトレーニングは科学的な計算にもとづいてこなしているし、栄養も休息もきちんととってるのになぁ・・・」
その時まさしが俺のトレーニング日誌を覗き込んだ。
するとまさしの髪が怒髪天を突き、まさに火山が噴火するかのごとき猛烈な勢いで発射された豪腕パンチがうなりをあげて俺に襲いかかった。
ドゴォォォァーーーン!!
俺は高々と宙を舞いながら、何がまさしの逆鱗に触れてしまったのかを必死に考えた。
まさし「馬鹿野郎!!!
お前はこんな物言わぬ機械に対するような態度でトレーニングに臨んでいたのか!
こんな遊びも面白みもないメニューで、お前は筋肉がかわいそうだと思わないのか!!
タイムが伸びないのはなぁ、そんな愛のないトレーニングに、お前の筋肉がグレているんだよ!!」
薄れ行く意識の中、俺はチームに入りたての頃の自分の走りが走馬灯のように脳裏を駆け抜けていくのを見た。
平地では実力が拮抗したたけしとの抜きつ抜かれつが楽しかったし、上りではエースのとおるさんについていけるところまで必死でついていってはチギられていたっけ・・・
その頃の俺の走りは、今のように科学的な要素など何一つなかったが、しかしとても生き生きとした走りだった。
一瞬一瞬、全力を出しつくすことがこの上ない楽しみであり、喜びであった。
思い返せば、当時の俺のトレーニングは一日として同じ展開のない、変化と予測不可能性に富んだトレーニングだった。
そう、その姿はまるで筋肉という一人の子供と一緒に、毎日が新しい発見の連続だったのである。
それが結果として、時には厳しく、時には楽しくトレーニングとなっていたのである。
ところが今の俺のトレーニングはといえば、確かにスポーツ理論にのっとった科学的なメニューではあるのだが、そこには遊びの要素が全くない。
計算通りにトレーニングをして栄養を与えれば勝手に育つ、ただの物のように筋肉を扱っていたのだ。
俺はいつしか、夏休みに縁側ですいかの種を飛ばしながら聞いたおじいちゃんの言葉を思い出していた。
おじいちゃん「つよし、子育てとは、子ども時代を生き直すことじゃよ」
今の俺には、その時おじいちゃんが言いたかったこと、そしてまさしが読んでいた本の意味がわかる。
自転車に乗るという行為は人間の縮図であって、新しいものへの興味、挑戦する勇気、愛情、喜怒哀楽を常に忘れてはいけないのだと。
そしてそれは、子育てに通じるものがあるのだということを―――
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要点をまとめます。
【涼しさ】
★★★★★
これこそ私がこのジャージに期待していたもの。
私の知る限り、最高レベルの涼しさである。
日光を反射する白、そしてこれでもかと多用されたメッシュが生きているのだろう。
【速乾性】
★★★★★
これも最高レベル。
【フィット感】
★★★★★
これは体型、用途、好みによって全く異なるので、話半分で。
私は「international M japan L」サイズを購入、完璧なるジャストフィットである。素晴らしいのひと言。
身長170cm、体重60kgの私は普段はSかMかで悩むことが多いのに、Lサイズとは。
MAVICはちょっと変わったサイズ展開なのか?試着をオススメする。
【防臭性】
★★★★★
もともと私は体臭が薄く、汗もにおわないタイプなのだが、
それでも他のジャージだと4~5時間も走ると、帰宅後クンクンすると少しはにおうこともある。
しかしこのジャージだとそれもない。
【耐久性】
★★★☆☆
これはまだ未知数。
1シーズンの酷使(6~9月の約4か月間、週3回ほどの出動)に耐えて
いまだ目立ったヘタリなどもないのでとりあえず及第点ということで星3つとしておく。
総じて、最高の夏用練習ジャージ。
私は半額以下の破格値で購入したが、高い定価もなるほど納得である。
価格評価→★★★★★(ラスト一枚の特価品。いい買い物だった。定価だったら★2つってとこかな)
評 価→★★★★★(最高。デザインは無難でこそあるが好みではない。しかしそれを補って余りある性能)
<オプション>
年 式→2012