購入価格 ¥最高峰のTTバイク+α ぐらい
もう1台のトランポマシン、スズキジムニーの維持費が異様に安いので、浮いた維持費を貯金して憧れだったTypeRを購入。トランポ性能を考えずにこのクルマを選んだが、トランポにも使えてるのでレビューします。
ジャンル的には普通の3ナンバー中型セダン。
型式;ABA-FD2
エンジン;K20A (2000CC 225PS)
駆動方式;FF(6MT)
燃費;カタログは10・15モードで11.4km/ℓだが、実測13.5~13.8km/ℓぐらい。(ハイオク仕様)
ホンダの歴代TypeRはホンダレーシングスピリッツの象徴。アイボリーホワイトに赤いエンブレムは、ホンダがF1に初参戦した時の車体の色とそこに描かれた日の丸が由来となっている。歴代全てにマニュアル設定しかない生粋の市販スポーツカーである。
【走り】
ノーマルにも拘らず、車高調搭載車並みの足の硬さ。純正タイヤも速さしか考えていない設計のためクッション性皆無。フレームもガッチリしていて剛性感が高く故に乗り心地は恐ろしく悪い。エンジンは低回転域こそ普通のクルマだが、高回転まで回してi-VTECが作動・ハイカムに切り替われば市販車にあるまじきレスポンスと最高出力を発生する。その変貌を自転車に例えるなら、さっきまで普通にポタリングしてた一般人がいきなり本気モードのファビアン・カンチェラーラに変身するようなもんです。
ちなみにメーター読みで9000rpm近くまで回せますw
運転中はというと、
「俺は最高の足回りと最高のシャシーと最高のエンジンを持っている。あんたは俺のエンジンを回し切れるか?出来ないとは言わせない。」
「ATしか運転出来ない未熟者はTypeRに乗る資格無し。俺に乗り心地を求める輩は今すぐ降りろ。速さを求めるなら共に走ろう。」
とクルマが常に訴えてくるので、なだめてやる必要がある。(笑)
それもそのはず。このクルマのセッティングは中規模サーキットに合わせてセッティングされたもの。いわば、本田技研が本気で作った公道走行可能な競技車両である。機械的にしっかり作りこまれた車なので、トラクションコントロール等のドライビングアシスト用電子デバイスはABS以外付いていない。(必要も感じない) そのお蔭でハイレベルなスポーツ走行も可能だが、荷重移動が下手糞だと簡単にグリップが抜ける側面も持ち合わせる。空力性能もそこそこ高く、高速巡航すればダウンフォースと整流による安定性向上を感じられる。上手く走らせれば恐ろしく速く走るクルマです。
シートはオリジナルのセミバケット式でホールド性抜群。(硬いけどw) 目線は近年の日本車の中ではかなり低い方で、セミバケの突起を躱しながら乗り降りするのは若干のコツが要る。ステアリングは小径タイプでカーナビの操作スイッチが付いておりかなり便利。ポジションがずれていたり変な握り方をすると違和感バリバリだが、スイートスポットに入ると突然操作しやすくなる本当の意味でいいステアリング。アクセルペダルはオルガンタイプのバイワイヤ方式で、ペダル反力が弱いので慣れるのに少し時間がかかるが慣れてしまえば操作しやすい。しかし、正しい位置に足がくるポジにシートを調整しておかないと、路面からの衝撃で瞬間的に踏み込んでしまった時にエンジンが瞬時に反応してガクガクする。特に高回転域では注意。ブレーキペダルは踏み応えが強く硬く感じるが、ブレンボ製4ポッド対向ブレーキキャリパの高剛性と相まってフィーリングが非常に良い。ブレーキローターを直接素足で踏んでるかのような感覚である。アクセルペダルが近いのでヒール&トゥも比較的楽。クラッチはこのクラスのクルマでは軽い方。シフトレバーは丸型のショートストロークでスコスコ入る。
・・・どう考えても、自転車のトランポには全く必要ないオーバースペック&ピーキーな車両ですねw
なお、走りに関する悪い点を列記すると、
・ブレーキシステムは超優秀だがブレンボ純正パッドが全然ダメ。効かない・フィーリング悪い・ダスト酷いと3拍子揃ったゴミパッド。
・オーディオはオプション。付けても軽量化優先のため音質は超ショボい。
・トランクスルー機能は機構部が重いという理由で付いていない。
・スペアタイヤも重いという理由で標準で未搭載。(代わりに修理キット搭載)
といったところでしょうか。
ちなみに私の車両はブレーキパッドとスピーカーを私自らの手で交換済み。ついでにエアクリーナとマフラーも自分でジャッキアップして交換済み。VTEC独特の甲高い高周波サウンド(※爆音注意)を奏でる事が出来ます。(元々ノーマルでも排気音大きいクルマですがw)
自分でいじる場合、整備性はかなり悪いので覚悟と整備マニュアルが必要です。
【トランポ性能】
トランクは広く、ホイールを外した状態のロードフレームとホイールセット1台分が余裕で入る容量。写真は着替え&車中泊グッズ一人分とホイール1セットと工具が入っているが、実はまだ奥に空間の余裕がある。
後部座席
これは友人motu氏の飛行機輪行用バックだが、これも余裕で入ってしまう。
motu氏と私がこのクルマ1台でレースイベントに参加する場合の搭載量と搭載場所は以下の通り。
【後部座席】
・ロードフレーム(輪行袋入り)2本
・普段用カバン2個
・風呂セット2名分
・寝袋2個
※フレーム以外は足元の空間に収納。
【トランク】
・ホイールバック(ホイール2セット入り)
・工具
・フロアポンプ
・着替え(ウェア類とシューズとメットと普段着と就寝用)
・雨具
・車載工具
・食料
という内訳。
現地の道路状況が比較的良い鈴鹿や乗鞍へはシビックで、未開の土地へはジムニーで、これぐらいの荷物を積んで出撃します。積み下ろしに掛かる時間はmotu氏と私の場合5~10分。積み方に小細工等は使ってませんが問題なく積めてます。積載量自体は3ナンバー中型セダンのそれと同じでこのクルマが特に広いといった事はありません。同じような大きさのセダンなら積載量は大体一緒です。
なお、後部座席にフレームを積んだままシートを倒す事は出来ないので、大人二人が車中泊する場合はフレームを外へ出す必要がある。一人で寝るなら外へ出さなくてもも大丈夫。
車中泊に若干の難ありですが、普通の(?)セダンでも結構優秀なトランポになります。
価格評価→★★★☆☆(値段以上に高性能。けど高いw)
評 価→★★★★+0.5 (運転は楽しいが、車中泊に難あり)
<オプション>
年 式→2008年式の後期型
カタログ重量→1,260kg