ソーシャルトレイルあるいは長城の起源ManInside 2013-3-8 20:58 6153 hits ManInsideさんのすべての写真 フォトギャラリーTOP 中国には「上有政策、下有対策 」(shàng yǒu zhèngcè, xià yǒu duìcè) という言葉があるのだそうだ。「上に政策あれば、下に対策あり」というあれだ。お上によってルールが設定されても、人民は勝手にうまいことやる、という意味である。 そうした態度の是非はここでは論じないが、この写真の中で発生しているのも似たような事態であるように思われる。車止めで降車したくない何千人、何万人というサイクリストが向かって左の土手側に迂回し続けた結果、立派なソーシャルトレイル(人間版けもの道)が発生した。 行政側はこのソーシャルトレイルが気に入らないのか、あるいは芝生の生育に影響があると考えたのだろうか、フェンスを継ぎ足して徹底抗戦の構えを見せている。しかしサイクリストにとってこの程度の斜面を迂回することは何でもない。というかむしろ喜んで土手を登る者も多いだろう。結果的に、行政によるこのフェンスはトレイルを左上に拡大することになる。そして、そこには更なるフェンスが継ぎ足される。 後の「万里の長城」である。 (民明書房刊「ソーシャルトレイルあるいは長城の起源」より) |