小径車用FD最適化スペーサーManInside 2009-1-15 16:11 13231 hits ManInsideさんのすべての写真 フォトギャラリーTOP これは私にとって思い出深いパーツの一つ。 手持ちの折りたたみ小径車のコンポをシマノ9速からカンパ10速に変更したところ、FDの変速が思わしくなくなった。メンテスタンドの上では問題なく変速するのに、実走すると変速しない。そこでとあるプロショップに相談に行った。もう一年くらい前になると思う。 つい最近、詳しい方から教えていただいたのだが、小径車はBBハイトがリアハブより上に位置しているため通常のスケルトンではベストの性能が発揮できないことがあるらしい(そのため、とあるハンドメイドブランドの小径フレームではFD取り付けパイプがニョキッとBBあたりから伸びているものもあるようです)。私の小径車も勿論BB位置はリアハブより高いので、それが不具合の原因だったのかもしれない。シマノのFDで問題がなかったのは、シマノ製品特有の調整幅の広さのせいかもしれない、とは店員さんの弁。いずれにしても、カンパのFDはケンタウルもベローチェも正常に動作せず。当時はなぜシマノだとOKでカンパだとダメなのかが不明だった。 自転車を預けた翌日、店員さんから電話があった。FDを少し後方にずらす金属製のスペーサーを製作してブレーズ・オン部に挿入したところなんとか動くようになったとのこと(写真に見える半月形の金属部品がそのパーツ)。私はまさかそんなものを「製作」してもらえるとは思っていなかったので驚いたものだ。さらに驚いたことに、この素晴らしい調整は部品料込みでたったの500円。なんとも無欲な店員さんである。少なく見積もっても、製作から調整まで2時間以上はかかっているはずである。このパーツのおかげでFDはきちんと変速するようになった(それでも調整はフルサイズロードに比べるとかなりシビアである)。 この修理をしてくれたのは、小径車で非常に有名なチェーン店の、ある店員さんである。東京のど真ん中にあるショップなのになぜか大阪弁を話す店員さんで、その後は姿を見かけなくなったので他のショップに移動されてしまったのかもしれない。今でも疑問なのは、店員さんがこのパーツをどのように製作したのかということ。自宅に旋盤とか、金属加工に必要な機材を持っていたのだろうか? ゆっくりお話をする時間がなかったので、完全なワンオフかどうかは不明だが(私の記憶の中ではこの店員さんが徹夜・夜鍋で旋盤に向かってくれたことになっている(笑))、こうしたソリューションをすぐに出してくれた店員さんはプロだなあと大変感心したものだ。もしかするとこの手のパーツも市場に流通しているのかもしれないが、それにしてもすごい対応力である。 店員さん特製(?)のこの金属パーツは現在も私のミニベロでひそかに活躍している。いつか店員さんに改めてお礼を言いたいと思っているが、果たして彼はどこに行ってしまったのだろうか。万一このページをご覧になっていたら、改めてお礼を申し上げます。 |