緑と光の回廊pinkchime 2010-8-31 19:44 4617 hits pinkchimeさんのすべての写真 フォトギャラリーTOP 緩い坂をせっせと漕ぎ上がるのが、トレイルライドにおけるいちばんの醍醐味だと私は思っている。 息を弾ませると、心も弾むからだろうか。 それとも、心ときめくと、身体で喜びを表現したくなるからだろうか・・・・・・。 とにかく、木漏れ日溢れる明るい自然林の尾根道を、どこまでも上ることができれば最高だ。 そして先日、幸運にも、この心象をまるまるそのまま具現化したかのような道を走ることができた。 辺り一面コナラの美しい自然林で、晩夏でも新緑のように若々しく萌える緑に思わず息をのむ。 ちらちら揺れる木漏れ日が目に眩いばかりだ。 忙しげな蝶や蜂もひっきりなしに飛び回っている・・・・・・。 「今年の夏は長くなりそうだね。」 「たしかにそう感じさせるね。」 友人とそんな会話を交わしたそのとき、一陣の風がさっと通り抜けいっせいに木々をざわめかせた。 冷たく乾いた、哀愁を届ける風だ。 そして、ふと足下を見やると、まだ青いドングリがぽつんと落ちていたのだった・・・・・・。 友人と私は顔を見合わせ、微笑を浮かべた。 どうやら同じことを感じ取ったようだ。 夏の終わりがすぐそこまで迫っていることを知り感傷に耽っていたのも束の間、 緑と光の回廊をライン取りとトルクに集中しながらひた走っていると、あの熱い高揚感が私を舞い上がらせる。 やがて至高の瞬間が訪れ、私はどこまでも新たな世界を走り抜けた。 そう、蜘蛛の巣を喰らうまでは・・・・・・。 |