RNC7 × WH-9000-C50-TUmomochi_gyugund 2014-11-27 21:58 11134 hits momochi_gyugundさんのすべての写真 フォトギャラリーTOP 馬鹿野郎! 「挑戦するエグゼクティブの転職サービス(無料会員登録)」だの「投資のコツを収録した56万円のDVD」だの どいつもこいつもふわふわと時流に乗ったつもりでうまく立ち回ろうとしやがって! そういうのはフットワークが軽いとか先見の明とかじゃないんだよ! 今となってはこんな偉そうなことを言っている俺だが、 動くことと踊らされていることを混同していた恥ずかしい過去があるんだ。 どうやらここは、その体験談を語らなければ納得を得ることは難しいだろうな・・・ あれは2009年6月のことだ。 初めてのロードバイクである CANNONDALE CAAD8 を3年2万kmほど乗ったところで そろそろ新車が欲しくなった俺は、家の近所の自転車屋を訪れたのだった。 その店の店長は風貌は謎の初老の男という感じだが、自転車整備の腕前もさることながら昔ながらの職人気質で、 たとえ俺が札束を握りしめて軽量高剛性カーボンフレームを買いに行っても試乗車に試乗させて その硬さを俺に体感させ頭を冷やさせて追い返す、「自分がいいと思わない物は売らない」そんな男だった。 俺「・・・というわけで、そろそろ3年2万kmほど走ったし、フレームのおいしい時期は終わったと思うんですよね」 俺がその言葉を言い終わらないうちに店長の持つバールのようなものが猛烈な勢いで俺の眼前に迫ってきた。 ドッゴォォォーーーン! 轟音とともに俺は店の壁にたたきつけられ、衝撃で壁から型落ちの「RNC7 エメラルドグリーン」や 「ピナレロ ガリレオ(アルミフレーム時代の)」が俺の上に崩れ落ちてくるのを見た。 だめだ・・・こんな重量級のフレームが当たったらたたでは済まない・・・ 死ぬのか・・・俺ほどの男がこんなところで・・・ 意識朦朧となった俺に、店長はこう言ったんだ。 店長「馬鹿野郎!何が『フレームのおいしい時期』だ! 1万kmとか2万kmとかで、しかもお前ごときの脚力でフレームがヤレるか!」 そんな出来事のあった週末、俺はひさしぶりにおじいちゃんと一緒に船に乗って釣りに出かけたんだ。 唐津の漁師の家系に産まれたおじいちゃんは、長じて英語教師になったが、幼少のころからよく船に乗っていたらしく、 波に揺られる船の上で俺がフラフラと右往左往するのとは対照的に、おじいちゃんは微動だにしないのだった。 おじいちゃん「つよし、体が動かないように、内なる筋肉を使うんじゃよ」 俺はその言葉を聞いたその瞬間に過去の不思議な光景がフラッシュバックしていた。 それは以前、店長率いるお店の走行会に参加した時のことだ。 初老の男である店長は細身で、明らかに俺よりも筋力も心肺機能も劣っているにもかかわらず、 はるかにスムースに坂をのぼっていくのだった。 また、下りでは、俺の下りはいかにもバタバタとしていて、遅いだけでなく危険であった。 今ならばその理由がわかる。 俺はペダルを踏みしめたりハンドルを握りしめたりすることに筋肉を使いすぎていた。 そのため、勾配の変化や疲労の蓄積にともない自転車の上で体が動きすぎてしまい、 フォームが崩れ走りの効率や安全性が落ちてしまっていたのだ。 一方で店長は、刻一刻と変化する路面状況、風向き、自転車の角度に身を任せながらも、 自転車の上の体を内なる筋肉の力で安定させ、小さな脚力を最大限にペダルに伝えていたのだ。 ひいてはそれは生き方の違いでもある。 ニューモデルだの初売りセールだの旧モデルより100g軽量化だの、きらびやかな言葉に躍らされては心乱れる俺と、 昭和から平成という激動の時代を商売という荒波にもまれながらもメーカーにも客にも媚びず良心を貫き通してきた店長との――― 俺は店長と自転車に、人としての生き方を教えられた。 力を発揮するためには、たやすく軸足を動かしてはならない。 変わらないことは一つの才能なのである。 ------------------------------------------【要点をまとめます】------------------------------------------ 11月某日、いつもの山岳TTのあと、ショップ主催の試乗会へ行ってきました。 そこではcannondale super6 evoなど完成車いくつかとシマノWH-9000-C50-TUを試乗。 ホイールは自分の自転車に装着して走らせてもらえるので、ホイールの違いを楽しむことができました。 試乗にしては上りあり下りありの良いコースを、試乗にしては長時間(30分くらい)走らせてもらったものの それでもやはり試乗は試乗、ということであなパーでの紹介としたいと思います。 クライマーである自分にディープリムは無縁・・・と思っていたが、食わず嫌いを思い知らされました。 平坦の巡航がすごく気持ちいい。 普段の私は35km/hを超えるあたりで足が重くなり、疲労の蓄積とともに「踏み負ける」感じになるのですが、 その上限が少し上にシフトします。 普段なら「もうダメ」というところで、まだスッと足が下に落ちていきます。 片鱗は味わったものの、おいしい速度域は多分もっと上でしょう。 平地番長かと思いきや、意外と上りもイケます。 C24比で、重さのネガは感じません。 C24-CLと履き替えて2回同じ坂をアタックしましたが、C50-TUが1:29、C24-CLが1:36でC50-TUの勝ち。 C50-TUの上りでの長所は、たぶん縦剛性。C24-CLよりも、ダンシングに移った瞬間の加速が良いと感じました。 長いヒルクライムで私がシッティングメインで上る理由の一つは、ダンシングに移る瞬間に失速するから。 しかし、C50-TUにはそれがありません。というか加速しました。 たぶんこれが縦剛性のなせるわざかなぁと。 「BORAはね のぼりもイケる ディープリム」という句がありますが、よく言ったものです。 軽いディープリムは上りで積極的に選ぶ理由があるかもしれない、と思わされます。 というか、恥ずかしながら、C24-CLとC50-TUの乗り比べで、初めてホイールの剛性の意味がわかりました。 今まで剛性が低いことに気付いてなかったんですね。 そして何より・・・細身のホリゾンタルによく似合う・・・ |