[名所名物] 富士見パノラマMTBパーク
日本国内でDHと言えば富士見、というほど有名で聖地でもある富士見パノラマスキー場ですが、今シーズン3回行くことができたのでレビューしてみます。
カテゴリとしてはMTBのDHで、その名の通りゴンドラで上がってコースを下ってくるというものです。登りはほぼ無いのでDHに特化したバイクが多く見られますが、本気で下ったりしないのであればそこそこのスペックのMTBがあれば十分でしょう。パノラマ内のショップにレンタルバイクもあるので、自分のバイクでは不安がある場合は借りるのも手です。
基本的には3コースに分かれており、一応初級がCコース、中級がBコース、上級がAコースとなっています。ただ、初級のCでもその辺のトレイルに比べれば結構難しいセクションがあり、スピードも出たりするのであまり鵜呑みにしない方が良いかもしれません。以下に簡単ですが私が感じたコース別のプロファイルを書いてみます。
・Cコース 初級となっていますが、距離が6.8kmあり、テーブルトップ(ジャンプできるような台形の盛り土)やバーム(コーナーに設置されたバンク)など、普通のトレイルでは中々無いものがあるため、初めてだと結構面食らいます。とはいえAやBに比べるとかなり難易度は低くスムーズに走れるため、まずはここでスピードとゲレンデ走行に慣れるのが良いと思います。Cならハードテールでも十分ですが、長いのでブレーキのフェードには気を付けた方が良いでしょう。握りっぱなしだと熱に弱いブレーキはフェードします。
・Bコース 一応中級となっていますが、4.8km全域に渡って木の根や小さなドロップが連続する超テクニカルコースです。ヘアピンの途中に障害物やドロップがあるのは日常茶飯事、基本的にはシングルトラックなのでエスケープゾーンもありません。途中からCに行く分岐が2回ほどあるので、とりあえず突っ込んでみても良いですが、前半に比べ後半の方が若干難易度が高いので、前半で苦戦した場合はCに行った方が良いと思います。スピードレンジは低いので、テクニカルなコースが得意な人は楽しめますが、逆に30cmの段差が怖い人にはちょっと厳しいかもしれません。私は一番楽しいコースだと思っています。
・Aコース 一応上級コースですが、ハイスピードコースでもあるのでスピードを抑えればそんなに難しくはありません。前半がテクニカルセクション、中盤が高速セクション、後半が再びテクニカルセクションで最後にA’という最高難易度のセクションへの分岐があります。全体的に坂の傾斜がきつく一瞬でスピードが出るため、良く効くブレーキが必須だと思います。ガレ場やウォッシュボード(その名の通り洗濯板のように路面が掘れている)を高速で通過する事もしばしばあるので、身体的に一番ハードなコースです。機材の要求スペックも最も高いのがAだと思います。最後のA’セクションは入口のドロップを降りられれば問題ないでしょう。私の中ではプチBコースぐらいのイメージです。
こんな具合に性格の異なるコースが3つ用意されており、1日券なら下り放題、あとは3回券と1回券があります。3回行って全部1日券を買っていますが、7本が最高記録でした。往復するのに大体30分程度なので理論的にはもっと行くことができますが、結構1本下るだけでも体力が消耗するので7本でも結構疲れが残りました。内訳は最初からCCAACABと下っています。初めのC2本はアップも兼ねており、1本目で体を動かせるようにした後2本目でスピードに慣れて、これでやっとアップ完了といった感じです。2本目の途中までは結構恐怖心が残っているのですが、徐々に乗れるようになってくると自然とスムーズに乗れるようになってきます。4本下って昼食にしましたが、食後も1回Cに行っているのは最初と似たようなものです。
次に、機材の事を少し紹介しておきます。 基本的にはいつも乗っている通りで良いと思いますが、登りは無いので足つきを考慮してフラットペダルで行った方が初めは楽に下れる場合があります。ただし、普段からテクニカルなトレイルをビンディングで下っている人はわざわざ交換しなくても大丈夫でしょう。最も重要なのはブレーキとFサスペンションだと思います。DHでは前後203mmのローターがスタンダードですが、XCだと前後160mmというバイクも多いはずです。モデルや走り方などによって大きく変わる要素なので一概には言えませんが、引きずるようにブレーキを掛けっぱなしだとエアを噛むことがあります。早々噛むものではありませんが、多少は気を遣うようにする事をお勧めします。また、サスペンションの設定次第で手や腕の負担を軽減できるので、今まで何となくセッティングしていた人はこれを機に見直してみると良いと思います。タイヤは余裕があれば太目の物に交換しておくことをお勧めします。DH用の2.5インチのタイヤはフレームやリムによって入らない物があるので仕方がないとして、2.3インチ以上はある方が安心です。私はトレイル向けの2.4インチのタイヤを履いていますが、それでもDH用に比べると安定感ではかなり劣ります。
トレイル数回分、下手したら十数回分を1日で下れるので、1回行くだけでも相当下りが上達するはずです。交通費やリフト代を含めると決して安い遊びではありませんが、ここでしか味わえない物があるもの事実。迷っている方はぜひ1度行ってみる事をお勧めします。
価格評価→★★★☆☆(常設+平日オープンとはいえ結構高い) 評 価→★★★★★(楽しくてしょうがないです)
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