作成費用:25000円以上
天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ、カエルグッズが俺を呼ぶ!
というわけで、CBNに生息するカエラーの皆様お待たせしました。
全サイクリストカエラー化計画に実現に向けて、カエル型サイコンカバーの量産の目途が立ちました。
これでまた全サイクリストカエラー化計画が一歩前進するわけだ。
いずれはツールドフランスのバイクにカエルグッズが並ぶと想像しただけで、鼻息も荒くなろうってもんです。
前作は勢いで作ちゃった感があり、正直なところ出来栄えには納得していなかった。
見た目はいちおうカエルなのだが、なんというか心がときめかない、つまり萌えないのだ。
自称カエラーが萌えないカエルグッズを作ってどうすんじゃー!!
私の実力があんなものだと勘違いされては困るので、本気で作ってみたのが本作。
ちょっと本気を出しすぎて、ついてこれる人(真似して作ってみようという人)がいないのではないかと思うぐらいだ。
これまでも、誰もついて来ていない気がするが、細かいところは気にしないでおこう。
手順は簡単、サイコンを一次原型として、シリコン型を作成。
さらに、シリコン型から、別のシリコン型を作成。サイコンの形をしたシリコン型が出来上がるわけです。
シリコン型から、レジンキャストで二次原型を作成。
これを加工して、カエル型にしたのが三次原型(マスター原型)となります。これが、量産品と同じものになります。
三次原型をシリコンで型取りして、柔軟性のある樹脂を流し込めば、出来上がり!
言葉で説明しても分からんと思うので、画像を交えながら説明します。
今回も生贄となったのは、キャットアイのCC-RD100。お台場で開催されていたイベントで1500円で投げ売りされていたのを購入。
有線で使いやすいのだが、残念ながら生産終了してしまいました。
新品のCC-RD100を容赦なく、シリコンに埋めて型取りします。
ちなみに型取り用シリコンは模型専門店や東急ハンズで売ってます。
シリコンで型取りするのは、10年以上やっていなかったのだが、最近のシリコンは優秀で驚きました。
サイコンの上面にある、微妙な隙間やら、クリック部の凸、さらにはプリントされたCATEYEロゴの微妙な凹凸までとれました、恐るべし。
出来上がったシリコン型がこちら
このシリコン型にシリコンを流し込んで、さらにシリコン型を作成します。
出来上がったシリコン型に、油粘土で壁を作って、レジンキャストというものを流し込みます。
こいつは何者かというと、2液混合型の硬化するとプラスチックになる素材です。
プラスチックで自作パーツを量産する場合に、使用するものです。
混合比がシビアなので、デジタルスケールは必須です。
これをシリコン型に流し込んだ後で、自作の加圧脱泡機(圧力鍋)に入れます。
圧力鍋に空気入れが繋がっていて、なんとも不思議な光景です。
レジンキャストというのは、気泡と呼ばれる空気が入りやすいので、それを少なくするのが脱泡機です。
圧力鍋にレジンキャストを流したシリコン型を入れて、空気入れで空気を入れると、気泡がなくなるという便利アイテムです。
出来上がったものが二次原型です。
同じものがいっぱい出来るのは、嬉しくなります。今回は、5つ複製しました。
これを削りまくり、パテ盛りまくりで、三次原型とするわけです。
左から削っていないもの。削り途中。参考用のカエル型サイコンカバー。
ひたすらに木工用ヤスリで削ります。
ある程度削ったら、パテを盛り付けます。
使うのは、模型用の盛り付けができるパテ。
盛り付けができるとはいえ、粘土のように使えるわけではなく、粘性の低いものを過剰に盛っていきます。
化学反応で硬化するので、いっぱい盛っても硬化時間が短いのが利点です。
逆テーパーになっていると、あとで型から抜けなくなるので、そこを考慮しながら作りますが。今回は一品物で作ったものと同じような形状なら問題なさそうなので、深く考えずに作業を進めます。
パテを盛って顔を削っているところ
最初は顔だけパテで造形すればいいかと思ったのですが、身体の雰囲気が硬かったので、身体にもパテを盛り付けます。この辺りは、なんとなく感じるままに作業します。
前作も参考にしますが、あまり前作に捕らわれ過ぎないようにします。
前作は顔が三角形っぽい感じだったので、今回はちょっと丸くします。そして、口を笑った雰囲気にします。
眼は全部パテで作ろうと思っていたのですが、方針変更して、ぬいぐるみ用の9mm義眼を入れました。
義眼の周りは、粘土状のエポキシパテを使っています。こういう部分は、粘土状の方が使いやすいのと、柔らかい線を出しやすいためです。
義眼が入ると、とたんに可愛くなって一気に作業ペースが上がります。
愛らしくて、身悶えして、ベロベロ舐めてしまいたいくらいですが、パテの削りカスまみれなので、自粛します。
あとはひたすらに、パテを盛り削り、表面の傷をならしては、またパテを盛ってを狂ったように繰り返します。
だんだん、嫌になってくるので、嫌になったら、妥協して先に進みます。
出来上がったものが三次原型となります。
うまくいけば、この通りの物が量産できるというわけです。
もうちょっとで三次原型(マスター原型)作成完了の時
灰色なのは、サーフェーサーです。
ちなみにこの状態では硬すぎてサイコンにはまりません。
その為、出来上がったものが、サイコンに合うのかどうか分かりません。
型取りミスや、素材が収縮したりで、サイコンと合わない可能性も捨てきれません。
三次原型ができたら、再びシリコンで型取りします。
型取り終わったのがこれ。
最後の注型に入る前に、義眼を細工します。
義眼の裏に金色っぽいシートを貼り付けます。
今回使用したのは、ファンタゴールデングレープ味のペットボトルラベル。これをポンチでくり抜くのですが、100円ショップで買ったポンチ使えね~!
跡が付くだけで、全然切れません。私の方がブチ切れそうです。
どうにか準備した義眼をシリコンに糊で貼り付けます。
分かりにくいですが右がペットボトルラベル付き。
今回、注型に使用するのはグミーキャストという、柔らかい樹脂です。
ハードとソフトがあるのですが、ソフトはべたつくらしいし、そんなに変形させないので、ハードでも十分だろうと判断してハードを使用しました。
グミーキャストは乳白色なので、ピュアカラーという塗料で着色します。
そして、グミーキャストをシリコン型に流し込んで完成!
硬化時間の6時間が経過すると、できあがったのはベタベタと手に付くカエル型の物体。
色といい、ベタ付きといい、草餅みたいだな。
つまり、失敗です。
画像の白っぽい粉はベタつき防止のシッカロールです。
うーむ、何が間違ったんだ?
想定される原因を考えてみる。
1.水分に弱い性質なので、湿気が入って硬化不良を起こした。
2.使用前によく振るように書いてあるが、混ぜていなかった。
3.着色料との相性が悪かった。
4.硬化剤が足りなかった。(実は、これの前に硬化剤の分量を間違えて、スライム状のものが出来上がった)
Webで調べてみたのだが、ベタつくという報告はあっても対処法は、見つかっていないようだ。
3は、実績報告が上がっているので除外しても、よいとは思うが、分量が多かったかもしれない。
一度失敗した感じでは4が怪しいと思い、硬化剤(A剤・B剤あるうちのB剤のこと)を指定料よりも増やしてみた。
ついでに、着色料も減らしてみました。
構成は、A剤30g、B剤は本来は7.5gのところを8.8gに増量。着色料は2滴。(2の対応として使用前にちゃんと振ってます)
ビンゴ!
今度は、問題無く硬化しています。
そして、出来上がったのが、こちら。
前回の作と違って、裏面も綺麗です。
ちょっと失敗したのが、今度は義眼を最初から茶色で着色してあるものを使ったことです。
面倒ですが、自分で金色のシートを貼った方が、出来上がった感じはいいですね。
着色料には抹茶色を使ったのですが、使用料を減らしたら、こんな黄色になってしまった。
カスタードクリームっぽくて、おいそうです。
失敗だったのは気泡が入ったこと。
これはおそらく、湿気が入ってしまったためですね。
圧力鍋はを使った脱泡は、ほっておくと空気が抜ける関係で、短時間硬化するものにしか使えないからな~。(いちおう使った)
この気泡は、課題だな。
このサイコンカバーを屋外で長期間使用した場合の、使用感は分かりません。
消しゴムとプラ定規が合体するように、グミーキャストとプラが熱で癒着するという噂もあるので、サイコンと合体するかもしれません。
冬になると縮んで外れやすくなるかもしれません。
自転車整備とは無縁の作業ばかりで、こんなもん作るなんて難しすぎと思うかもしれませんが、私に言わせればホイールを手組みする方が難しそうです。(自分でホイール組んだことなし)
色々と応用が利く手法なので、こんな方法もあるぐらいに軽く記憶にとどめておいてもらえれば、いいかと思います。
こいつの為に色々と購入しました。シリコン、レジンキャスト、ウレタングミ、着色料、離型剤、ポリパテ、エポパテ、シンナー、油粘土、石膏、ブロック、ヤスリ、圧力鍋、コーキング剤・・・・総額いくら使ったのやら。
怖くて、途中で計算をやめてしまいました。
何はともあれ、カエル型サイコンカバー最高!!
今まで自作した中でも、かなり満足感の高い仕上がりです。
前回の手作り感満載のものとは違い、商品として売っててもいいぐらいのレベルじゃないかと自画自賛してます。
売ってたら、間違いなく買いますね。
今回、使用したのはストラーダCC-RD100ですが、以降の型番も外観はいっしょみたいなので、そのまま使えるのではないかと期待しています。
これを1個1000円で売れば、全国に1000万人はいるカエル好きの自転車乗りが一人一個は買うだろうから、1000円×1000万個=1000000万円!って、いくらだよ。
えーっと100億円!マジか!
ざっくり利益率50%として、50億円の儲け。うははは、カエル御殿を建てて、一生遊んで暮らせるぜ!
カエル型サイコンカバーの付く、キャットアイのストラーダもバカ売れするだろうから、今のうちにキャットアイの株を買っとけ。
しかしながら、よく考えるとグミーキャストが硬化するのに6時間はかかる。
余裕を見ると、7時間は欲しい。
ということは、1日当たりの生産量はたったの3個。
1000万個作るのに、333万日。1万年ぐらいかかる計算か。シリコン型を10個用意しても、1000年かかる。
こりゃ、カエル御殿を目にする前に人生終わるな。
価格評価→★☆☆☆☆(いくら使ったか考えたくない)
評 価→★★★★☆(色と気泡に課題あり)
<オプション>
年 式→2012
実測重量→38.3g(サイコン込)