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スピードよりもスタイル重視。スニーカーじゃなくハイヒール。
ヘルメットのかわりに中折れ帽で自転車に乗ったっていいじゃない!!
世界中で増殖する“おしゃれサイクリスト”たちをとらえた、
爽快ストリート・ファッション・スナップ集
(以上、裏表紙から引用)
CBN的な価値観からは遠いところにあると思われる自転車ストリートスナップ集です。グラフィック社の本ですが、シクロツーリストとは異なる、ファッション寄りの部署の仕事だと思われます。
“Cycle Chic”(
http://www.copenhagencyclechic.com/)
から厳選された写真が368枚収録されており、個性的でファッショナブルな自転車をたくさん眺める事が出来ます。海外の非スポーツ自転車が実際に活用されている場面をこれだけ見られる本はなかなかないのではないでしょうか。
と褒めたものの、この本を高く評価することはできません。
記載されている「サイクル・チック・マニフェスト」の一項目に「道路交通法に従う」とあるのですが、明らかに違反しているであろう写真がいくつも見受けられるのです。
海外の道路交通法には詳しくないのでひょっとしたら遵法なのかもしれません。が携帯で話す。ヘッドフォンで耳を塞ぐ。iPodを操作する。両手放し運転。傘差し運転。キャリーカートを引く。片手に飲みかけのビールなど。これらはすべて、本当に現地の道路交通法的にOKなのでしょうか?
明らかに日本国内だとわかる写真でも、傘差し運転やヘッドフォンなど、良く見掛ける迷惑運転が好意的に肯定的にスナップされています。ひょっとしたら私有地なのかもしれないので黒とは言い切れませんが。
最大の問題作は「子供を肩車しながら自転車に乗る男」です。ふたりともヘルメットを被っておらず、子供の頭は2.5mくらいの高さにあります。男の左腕は子供の足を押さえるために使われているので、ハンドルを握るのは右腕一本。片手運転です。背景に写ってるのはどこか外国の街並なので、残念ながらサーカスではなさそうです。急停止したらそれだけで子供の命が危険に晒されます。そのため、もし実際に目撃したとしても、事故の引き金になるのを恐れ、警告の声を掛けるのも躊躇ってしまいます。
写真の質は高く、実に洒落てます。「道交法や安全性を考慮しなければ」とてもいい写真ばかりです。逆に、だからこそこの本は問題です。もっとはっきりいってしまうと、危険であり有害だといわざるを得ません。
価格評価→☆☆☆☆☆(論外)
評 価→☆☆☆☆☆(論外)