購入価格 ¥6500(エントリ費用)
今年で7回目を数える真夏の山岳サイクリングイベント、長野県栄村の
「グルッとまるごと栄村」
2011年3月12日未明の栄村大地震に伴い、昨年は変則的な開催となりましたが、今年は100kmサイクリングが復活。新潟県境が近いこの村の村営スキー場をスタートし、新潟県津南町を経由し豪雪地帯の秘境・秋山郷まで足を延ばし帰還する100kmの山岳サイクリング。私は今年で6回目の参加です。
今年の獲得標高はどうやら、2200m程度の模様。例年とは異なるルートですが、少しだけ手加減してくれた模様(か?)。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=a2a13270588134b9fd384a98e4568de0「グルッとまるごと栄村」の副題は、
「北信州秋山郷サイクリング浪漫」
こんな風流な副題に騙されてうっかりエントリーしてしまい、挙句、とんでもない山岳コースがクセになってしまった人も少なからずいるはず。
* * * * *
8月5日、朝7時。
副村長が鳴らす「ぷぅぅ~っ」という拍子抜けするラッパ風の音に合わせて、10秒毎に数名ずつスタートしていきます。それにしても、いきなり暑い。
浜松から参加の、かつての仕事仲間F君とスタートします。スキー場から下ってすぐに国道R117 に出て少し下り、橋を渡って右折したらいきなり坂。緩い登りをしばらく進むと、7km地点辺りで、
「帰りに寄ってってー」
の声。帰りにもここを通るというわけか。
ここから、マジな登坂。途中、平坦で平和な部分もあるものの、つづら折れを繰り返してこの登りが長い。登り切ったら田んぼや畑の中の緩いアップダウンの続く道。
と思ったらまた登り。
結局、国道から850mを稼ぎます。
半分ちょっと上ったところのエイドステーションでは、何故か脚がちょっと震えていて、全く不測の事態。天気良すぎで熱中症の予兆か?みたいに一瞬思いました。ま、まずい!ここは冷静になって飲み食いするしかない、というわけで、アクエリアスをもらって一気飲みし、バナナをいただいてようやく落ち着いてきた。危ねぇ~。
その後、DAHONの内装+外装変速小径車に乗る人と激坂で暫し小径歓談。容赦のない激坂が我々をふるいにかけ、気がつけば同じような技量の人と走ることになります。上りながらの楽しいお喋りもまた、イイですね。
少々長めの五宝木トンネルの緩い下りをザーと行きます。涼しい。
下り切って平和な道でスイカを堪能。美味すぎ。
鳥甲山。今日は山がよく見える。いい天気だなあ。
ここから秋山郷に向かい、最南端の切明チェックポイントから、心が折れそうになる激坂で100mほど標高を稼ぎます。
道の狭さが心地よい。いい道です。荒れているし少々テクニカルではあるけれど、こういう道だからこそサイクリングにふさわしい。クルマも驚くほど少ないし、本当にいい道なんです。
さながら天然冷蔵庫の様相を呈する五宝木トンネルに向かって、淡々と300mほど高度を挙げます。
トンネル出口で昼食。これだけ長いトンネルだと、本当に涼しい。ここまで、エイドステーションで食い続けてきたので、それほど腹が減っているわけではないのですが、おにぎり2個を食います。
往路の登坂で難儀した森林を縫う坂を延々下ると、「帰り寄ってってー」の例のところにエイドステーションが出来上がってましいた。冷えたトマトが信じられない位、うまかった。ちょっと苦味が残っていて昔風の味わい。う、美味すぎる。
がしかし、この先で不思議なトラップにやられた。誘導係の合図を、一体どうしたことか見落としてしまい、ヘアピン左折するべきところを道なりに進んでしまった。どんどん下る。むむっ?国道に出てしまったぞ。いけねぇ~~、最後のチェックポイントを通過していないじゃ~ん!
万事休す。戻る元気ないよぉ、というわけでそのままスキー場への最後の坂を上って、ゴール!!
木製の完走メダルを受け取り、賞品くじを引いて、トマトジュースが当たったのだが、腑に落ちない。あれ~、何で間違えちゃったかなぁ~。走行距離は全然100kmになっていない。自分と同じようにゴールしてしまった人が他に2人。もう一度行っちゃおうかな!?という彼らの判断に大いに共感した自分も、木メダルを返上してUターン。上るはずのない坂を上って、最終チェックポイントに向かいます。(ヘロヘロ)
ようやく着いた北野天満温泉が最後のチェックポイント。昨年と同じく、そこには仮設住宅があります。というわけで、15km余計に走って、300m余計に登坂してしまったようです。こりゃまいったな~、と思っていたら、何と、F君と合流!F君は全く本調子ではなかったようで、苦しい走りを強いられていた模様。しかし、ゴールまではもう少し!
チェックを受け、バナナを有り難く食らいつつ、「道を間違えて一度ゴールして、また引き返して、遠回りしちゃった~」と言うと、係りの女性は
「えーっ!あら~、でも得したってことなんじゃな~い?」
と。
な、なるほど、余計に走ったんだからそれはいいことじゃないか!という何とも、サイクリング浪漫、な発想。まったくそのとおりだと、得心してしまったのでした。
栄村の道路復旧にあたっている工事会社の方々が設営した最後のエイドスポットが現れた。ネクタリンをいただいたが、これまた、美味かった。結局、食ってばかり。暑すぎて飲み食いせずにはいられなかった、と言うべきか。
下って国道に出て、国道を上り、脇道に入ってさらにスキー場まで上りますが、脇道に入ると、地元のおばあちゃんたち数名が応援してくれる。つい小一時間前にも応援してもらったのはナイショ。最後、残した脚を全開にして背後から若者二人が迫ってきた。それじゃオレも、ということで最後にケイデンスを一気に上げて、3人でシャレっ気たっぷりのスプリント風ゴール。
相棒も倒れこむの図
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栄村。
いいところ、いい道だ。
しっかり上って、しっかり曲がり、しっかり下る。本当に素晴らしいサイクリング浪漫ルート。イベント運営は手作り感に溢れ、豪華ではないですが、おもてなしの気持ちがとにかく嬉しい。水はしっかり補給できるので、ボトルは一本で十分。バナナやキュウリやトマトやスイカなど、本当に美味いものばかり、たくさん食える。サイコー!!
100kmクラス以外に45kmクラスもありますが、参加者は400人位でしょうか?大規模ではないところも魅力かもしれません。震災の影響も残り、豪雪地帯でもあるこの地の道路が滑らかだなどとはお世辞にも言えませんが、それが悪い方に作用していません。サイクリングを堪能する道としては、最高の部類に入るのは間違いないところです。
栄村とその周辺。
全く、本当に素晴らしい山岳サイクリンを堪能できる道です。
F君も私も、言い知れぬ充実感を味わうことが出来たのでした。
自分だけのオプション(笑)を加えて獲得標高2500m、距離114kmでした。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
年 式→ 2012
こんな80年代ヴィンテージなロードも走っていた!
1980年代前半のBSグランヴェロ末期モデル(多分)
パーツはほとんど当時のモノと思われます
リア7速!このレシオで走り切るとは、スゴイ
この剛脚ナイスミドル氏、一昨年もお見かけいたしました
素晴らしきロードレーサー!!