購入価格 ¥0.7デローザ
就職するし、クルマでも買うか!と学生生活最後のIYH。
自転車のレースはアクセスの悪い場所で行われることも多いので、トランポとして購入。
…気づいたら、2ドア2シーターライトウェイトスポーツのキーを握りしめていた(´・ω・`)
購入したのはNB6Cロードスター(2000年)。運転席セミバケットシート、幌は劣化したためか取り外され、FRP製のハードトップに換装されていた。
走行距離は43000kmで、状態は年式なりとはいえ、雑に扱われた様子ではなかった。
車屋のおじさんに見送られ、発進…ガタッぷすん。
そういえば教習所以来MT車なんてほとんど乗ってなかった…以後1ヶ月くらいは発進に悩まされたのは言うまでもない。
所詮乗用車だろうと思っていたが、存外にとくべつなクルマだった。
1トン少々の車体に、ファミリアから持ってきた1600ccの実用エンジンを載せたFR車。
人も荷物もあんまり乗らない。運転する楽しさのためにいろんな物を犠牲にしている。
車両運動性能を高めるためマスの集中化を徹底しており、エンジンは室内ギリギリまで寄せてある。
そのためキャビンは狭く、隔壁があるためシートもほとんどリクライニングできない。
車中泊は絶望的と思って良い。なお助手席側足元はエンジンの補機が張り出しているため運転席側よりスペースが狭く、快適に座れるのは身長165cm程度まで。
また、トランスミッションにエンジンの熱が伝わってくるため、ちょっとペースを上げて走ると足元が暖まってくる。
着座位置は国産車トップクラスの低さ。スムーズな乗り降りにはコツがいる。
座るというより、車内に体を滑り込ませるように乗り込む。
一旦乗ってしまえば、バケットシートに腰がすっぽり収まる。
マツダスピード製のセミバケットシートはなかなかの出来で、ホールド性もセミバケなりにあるし、何より長時間運転し続けても腰が痛くならない。
着座位置の低さと、曲線的なボディのせいで見切りは良くない。
特にバックするとき、車体の中央線と方向がわかりにくく、駐車枠のど真ん中に止められるようになるまでは1ヶ月ほど時間がかかった。
運転した感覚はダイレクト。ステアリングも、シフトも、アクセル、ブレーキも敏感に反応する。
逆に言えば、雑な操作は車体を容赦なく揺らす。スムーズに走るためには大胆かつ繊細な運転操作が求められる。
サスペンションは柔らかいが、重心が低いためロールは程々。
この柔らかい足のため、ワインディングロードでは車体をロールさせながらヒラヒラと走る。ロードスターが最も輝く瞬間。
ただし、細いタイヤもあって車両の限界は低い。回頭性を第一として弱オーバーステアのセッティングがされているため、
限界に近づくとリヤタイヤから滑り始める。対処を誤るとそのまま吹っ飛んでいって板金14万円コースなので注意されたし。
下手にカウンターステアを当てるより、ブレーキ蹴飛ばしてその場でスピンしてしまったほうが被害は少ないことが多いらしい。
このクルマの売りは運動性能。裏を返せば不安定さ。ABS以外にお助けデバイスは装備されていないので、自分の腕と相談して安全に走りましょう。
その他快適装備も貧弱。今時、電動格納ドアミラーもリモコンドアロックもついてない。
ただしエアコンとオーディオとパワーウィンドウはついているので安心されたし。
あと、ドリンクホルダーも無いので、ロングドライブは辛いものがある。
こういう、小さくて軽くてチャチぃクルマは私の好みど真ん中。
将来、もっとエンスーなクルマに乗るための練習台として選んだが、まだまだ楽しめそうである。
・・・っと締めちゃダメだ、あくまでトランポなので、自転車レース参戦するときの使い勝手はどうなん?というお話をせねば。
まず、700Cホイールはギリギリトランクに入らない。タイヤを装着していない26HEホイールなら入るのだが。
トランクスペースは意外とあるので、着替えやポンプ、工具等、レースに必要な用品を収めるのには苦労しない。
室内に自転車を積載するのは絶望的かと思われるだろうが、前後輪を外して輪行袋に入れて知恵の輪のように押しこめば、助手席にロードバイクを積載可能。
ただレースでは人と連れ立っていくことが多く、2人2台となると車外に自転車を積載することになる。
ベタだが積載にはPIAA SARISを使用。
6本のバンドでボディに固定するが、しっかりと装着すればMTB2台でも難なく積載可能。
ボディを傷つけないように適宜ゴムバンド等で固定してやれば、高速道路を走っても平気。
後方視界が著しく悪化するのと、風切り音のうるささからかなりの空気抵抗になっているだろうが…
なお、ロードスターの車高は1200mm少々だが、自転車積載状態ではシートピラーの突き出し分だけ車高が高くなるので注意。
あと、固定位置によっては真後ろから見てもナンバーが隠れるので、こちらにもご注意を。
キツそうに見えるかもしれないが、2人2台のレース遠征なら意外にストレスフリーだったりする。道中の運転が楽しくて仕方ない。
価格評価→★★★☆☆ 維持費考えると…毎年ミドルクラスのカーボンロードが買える
評 価→★★★★★ 買ってよかった
年 式→2000
カタログ重量→ 1020000g