購入価格 約43ユーロ
XTグレードでケージ付きのモデル。ソールとのコンタクト面の拡大を図ったモデル。程度の差によりDH~XCまでケージ付は展開されているが、これだと大体AM~XC辺りが対象だろう。私はAMバイクで使用している。
純粋なM780を使った事が無いのでケージの恩恵は分からないのだが、以前使っていたCBのCandy 3に比べると幾分足裏に感じるペダルの面積が大きく感じる。気のせいなのかケージがあるからなのかは良く分からないが、ほとんどソールと接触しないCandyに比べるとこちらの方がもう少し前後に広く接しているように感じる。
Candy含め、CBのビンディングの着脱感にどうも慣れられなかったためシマノに変更したが、予想通りこちらの方がはっきりしていて分かりやすい。CBの場合はごく僅かなクリック感と音が鳴るだけで、たまにはまっているのか分からないことがあった。ロードのビンディングに慣れていると明確な感触が無いと少々不安に感じる事があったのだが、シマノはどちらかというとロードのそれと似ており、きちんと音と感触の両方で嵌った事を確認できる。走り出しに”あれ?”と確認しなくても良いので私はこちらの方が好みだ。
ただし、泥はけではCBには敵わなかった。粘土質の湿った土の上を登ったり下ったりしたとき、私のXTは嵌らなくなったが友人のCandyは問題なく嵌る、という事があった。泥の場合は柔らかいのである程度なら差はないようだが、もっと固い土がクリート側に詰まった場合、CBだと構造上ペダルが土を削りやすいのに対し、面で接してしまうXTはうまく邪魔な土を削れていないように見えた。この辺りは流石CBといった感じで、走る場所やコンディションによってはフィーリングより泥はけを重視した方が快適になるかもしれない。土が詰まるとフローティングの感覚が大きく変わってしまうのも、CBではなかった現象だ。ケージがある故の問題かもしれないが、詰まり方によっては外すときに結構な力が必要になってくるので、テクニカルなセクションで足を付く可能性が高い場合は事前にしっかりと土を落としておいた方が安全だ。
回転はダストシールがしっかりしているのか少々重めだが、ブロックタイヤの抵抗に比べると些細な事なので全く気にならない。砂が詰まって回らなくなるよりマシだ。スピンドルはクロモリなので重量は404gと重め。
ケージ付でシマノ、となるとM530辺りがお買い得で、このM785との重量差は約50g。50gを気にするなら他のペダルを使えば良いし、ケージが要らないならわざわざM780を買わなくても10gも差が無いM520を買えば良い。今更だが、ちょっと微妙な商品な気がするが、仕上げは素晴らしいのでXTである事に意味があるのだろう。
価格評価→★★★☆☆(下位モデルの倍と考えると高い気もする)
評 価→★★★★☆(ちょっと中途半端な気もする)