購入価格 ¥800円程度(材料費)
anywheremanさんのR500レビュー
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=7121&forum=30を読んでローラー台の実走感をアップできないか考えていました。
掲示板に書き込んでいろいろと考察しましたが実際に作ってみました。本来は三本ローラーでの実走感をアップするためにつくろうと考えました。
実走感とはどのような要素からなりたっているのか?数式を並べてあーだこーだ説明できないので感覚の話ですが以下の要素が影響していると考えました。(間違いがあればご指摘ください)
・自転車及び人が移動することによって発生する慣性
・ホイールのジャイロ効果と回転慣性モーメント
・空気抵抗
・左右のバランスを取る感覚
ローラー台では自転車及び人が移動することによって発生する慣性は得られないので固定ローラーではフライホイールを回転させることによって擬似的に得ているんだと思います。ただ市販のローラー台のフライホイールでは十分な効果を得られないと思います。上位モデルは下位モデルに比べフライホイールが重いのはそのためだと思います。3本ローラーではフライホイールはありませんが回転する3本のローラーにある程度重さを持たせることで実現しているのだと思います。ただ固定ローラーに比べればかなり小さくなります。
固定ローラー上ではホイールのジャイロ効果ありませんが三本ローラーではあります。また回転慣性モーメントはどちらのローラー上でもあります。これらはどちらもホイール(というかリムかな?)の重さが影響します。そのためanywheremanさんのR500レビューのようにWH-6700よりR500を使ったほうが実走感がアップしたのも頷けます。
空気抵抗はホイールのスポークによる空気抵抗以外、ローラー上では
ありませんし、その抵抗も走っている時に比べたら小さい。しかしこの空気抵抗というのは速度に対し2乗で大きくなる。そのため各メーカーはローラー台の負荷ができるだけ速度に対し2乗で大きくなるように努力している。しかしなかなか上手くはいかないようだ。成功した例としてマスターが投稿してくださったLemond Fitness Lemond Revolution があると思います
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9227&forum=101&post_id=15860#forumpost15860巨大なファンがついていてこれが回転することにより空気抵抗を生み出し負荷となるようにしているこれによる負荷とフライホイールの合わせ技でかなりいい実走感を生み出してるようです。
そして最後の左右のバランスを取る感覚ですがこれは3本ローラーしか無理ですね。しかしその3本ローラーも実際に走るのと同じかというとそうでもありません。実際に走るよりバランスをとるのは難しいです。左右のバランスはこれまた『自転車及び人が移動することによって発生する慣性』と『ホイールのジャイロ効果と回転慣性モーメント』によって成り立ちますが3本ローラーでは『自転車及び人が移動することによって発生する慣性』はかなり小さく、はっきり言って効果はほとんどないと思います。そのため『ホイールのジャイロ効果と回転慣性モーメント』のみで左右のバランスはなりたっていて実際に走るよりバランスをとるのが難しくなります。
前置きが長くなりました。これらのことを踏まえて今使ってるローラーの実走感をアップと簡単に乗るにはどうしたらいいのかと考えていました。で考えたのがホイールとタイヤによる方法です。簡単言うとどれだけホイール外周部の重量をアップさせ慣性、ジャイロを発生させるか、どれだけホイールで空気抵抗を発生させるかということです。
ホイール外周部を重くするのは掲示板で協力してくださった方がいて実験しましたが、負荷はアップして実走感はアップしたようです。ジャイロ効果による安定性のアップはしなかったようです。
なので私は今回、ホイールにプラ板を加工したファンをつけて負荷を実走に近づけようとしました。
口で説明するより実物を見て貰うのが早いと思います。このようになりました↓
ファンが透明なので見にくいと思いますので線で囲んだのがこちら↓
下側の写真では青と黄色の線に分けて囲んでいますが青と黄色ではファンの取り付け方向が逆になってます。
材料は
ホイール:WH-R561リア
プラ板:クリアPET素材プラ板1mm 300×400
タイラップ(幅細)
です。作り方は
スポークパターンに合わせてプラ板を切り、穴開けて回転方向に対して斜めになるようにして、R561にタイラップで固定しただけです。ホイールが回転すると扇風機のように風を生みます。そのため一方向に風に押される負荷がかかるのでわざと交互にファンの方向を変えています。
さてできたので走ってみたいのですが怪我により三本ローラーには乗れないので固定ローラーで実験しました。実験条件は
ローラー台:MINOURA V270-2
タイヤ&ホイール: ノーマルホイール ALEXLIMS ALX440SL&Continental Ultra Gator Duraskin Folding Road Tyres 25C
ファン付きホイール WH-R561&Panaracer PASELA blacks 23C
ローラー台はどちらも負荷を最小にして乗ってみました。具体的にどのようにアップしたのかを客観的なデータで示すのは難しいのであくまで個人の感覚による感想です。
結果はファンをつけたホイールは実走に近い自然な負荷を生んでくれた。ただし、思ったよりも大きな抵抗を生み出すことはできず、ファンの効果は限定的と感じた。
実際にローラー台の上で走ってみるとノーマルのホイールより負荷が増えました。それも低速域ではほとんど発生せず。20km/hあたりから負荷が上がって行くかんじでまさに空気抵抗!って感じでした。ただ、実際に走るときよりも負荷が小さいようで、ローラー台のユニットの負荷の方が最小に設定しても大きくて実走と同じとは言えませんでした。またLemond Fitness Lemond Revolutionのような騒音が大きくなるかと思いましたが、それほど煩くはなりませんでした。振動のようなものは皆無で、風きり音がしますがこれは壁をあまり抜けないようで隣の部屋だと気になりませんでした。
これらの結果から考察するとやはり自然な負荷を生むために空気抵抗を利用するのはありだと思います。ただし、今回作成したホイールではファンの形状が変だったり、枚数が少ないことから十分な空気抵抗を発生させることはできなかったと考えられます。また、自然な負荷を実現するためにはローラー台についている負荷ユニットの負荷を最小にすべきですが、私の使っているV270は最小でも負荷が高すぎるようでした。三本ローラー程度の負荷ならファンが生む空気抵抗を増加させて合わせればかなり平地での実走に近くなると考えます。一方上りの練習にはちょうどいい感じの負荷になりました。
今後の改良点
まずは空気抵抗を大きくすることだと思います。ファンの形状、取り付け角度、枚数を増やせば良くなると思います。またローラーの負荷を小さくする工夫もしなければなりません。そして写真ではわかりませんが、実はこのファン、結構ホイールからはみ出していてRDをインナー側に寄せると干渉してしまいます。そのため干渉しないように形状を考え直さなければなりません。
何はともあれ、完成度がダメダメの試作品でしたが、有益な結果が得られ、改良の余地もあることから今後も実験を重ねていきたいと思います。負荷だけでなく安定性をアップさせて三本ローラーに乗りやすくすることも今後の目標です。またこのアイディアはLemond Fitness Lemond Revolutionからヒントを得たものの、自分で考えてものです。どなたか先にしていたらすみません。またローラー台を作っているメーカーさんにとっては意外と自然な負荷を生むためにローラー台ではなくホイールに工夫するというのは盲点だったのではないでしょうか?ホイールメーカーもわざわざ空気抵抗を生むホイールを作り、その負荷を利用するという逆転の発想は無かったのではないでしょうか?このアイディアで製品を作りたいメーカーさんがいたらご自由に使って構いません。ただ、製品ができたら試乗会には呼んで欲しいなぁ...
価格評価→★★★★★(余ってたホイールを使ったので安価になりましたが、まともなものを作ろうとするとホイールから用意する必要がありそう)
評 価→★★☆☆☆(思ったより空気抵抗を生めなかった&改良点が多いので★2)