購入価格 ¥???(都税)
「自転車安全ルート推奨マップ」第一号として、ウチからそう離れていない「烏山通り」の迂回路が公表されました。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/bicycle_map/pdf/53_03homen/seijo.pdfまずは、新聞報道から。
銀輪の死角:安全ルート推奨マップ公開開始--警視庁 /東京
増加傾向にある自転車事故を防止しようと、警視庁は24日、ホームページで「自転車
安全ルート推奨マップ」の公開を始め、第一弾として成城署管内の推奨ルートを示した。
警視庁は102署ごとに交通量の多い経路を1カ所選び、迂回(うかい)に適したルート
を示すことを決めており、各署は順次策定したルートを公開する。
マップでは、学校や官公庁、商業施設などと最寄りの主要駅を発着点に設定。利用者が
多い通常ルートと、車の交通量が比較的少なく安全とみられる推奨ルートを色分けして表
示する。車線の多い交差点などは通行方法も説明する。
成城署は世田谷区の京王線千歳烏山駅の駐輪場から日本女子体育大学までの1・7キロ
を推奨ルートと認定。通常ルートの烏山通りより0・3キロ長くなるが住宅街で交通量は
少なく、所要時間はほとんど変わらないという。
推奨ルートを自転車で走った同大学4年の熊谷早悠里さん(21)は「烏山通りよりも
車が少なくて走りやすかったが、曲がり角には死角が多いので気をつけたい」と話した。
【伊澤拓也】
毎日新聞 2011年11月25日 地方版
(
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20111125ddlk13040236000c.html)
検証してみましょう。
撮影は2011年11月27日(日)の12時半から14時。
交通量はものすごく少ないです。
道路の姿を写真に撮るのに車の切れ目を狙ってますので、実態はもっと交通量多いです。
<推奨ルート>
烏山川の支流のひとつ、水無川の暗渠の上が、京王線の線路脇まで駐輪場として整備されています。
右手前からスタート、突き当たりが甲州街道旧道です。
右折(左写真)。直進(中写真)。信号のある三叉路、左が烏山通りです(右写真)。
烏山通りの南端です。歩道には両側とも「自転車通行可」の標識はありません。
東側の歩道は歩行者一人がやっとの幅です。
西側の歩道も烏山総合支所の先から狭くなります。
(左側の写真は烏山総合支所の先で南向きに撮ったものです。)
警視庁発表の図ではここの通行方法の注意は何も書かれていません。
この先が国道20号線です。渡ります。
ケヤキの街路樹が幅を狭める歩道を行きます。
この歩道には、自転車と歩行者の通行場所を分けるラインは引かれていません。
ここで右の路地に入ります。生け垣で視界が遮られます。
路地が斜めに接続しているので飛び出して来る自転車が多いです。
ワンボックスカーが通ると幅がいっぱいいっぱいの路地を直進します。
自動販売機のところで右に曲がります。カーブミラーありません。
突き当たりはブラインドカーブ。右の写真はカーブの向う側からみたところ。
そのまま直進していきます。
突き当たりを右に曲がる訳ですが、途中の角にあったカーブミラーは、
ここにはありません。
この先でやっと道幅が広がります。
それまで、3メートルちょっとしかない路地をクネクネ走らされた訳です。
ここから先は見覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうです、警官が女子大生を煽動、おっと、先導してマスゴミ取材陣に撮影させていた現場です。
左の写真、四つ角の左側には世田谷区立給田小学校。
右の写真、東京都立世田谷泉高等学校。
今日は日曜なので児童生徒はいません。平日はどうなることやら。
そのまま進むと中央高速道路下。
高速下はクルマがすっ飛ばすので注意。
高速下の歩道の立て看板。いかにも推奨ルート指定に合わせましたという風情。
高速の先も道幅広いです。公園に注意。その先が日本女子体育大学。
日本女子体育大学の東側の先は烏山通りです。
<烏山通り>
「烏山通り」は、東側に歩道、西側が路側帯になっている道路です。
途中から、烏山通り西側も歩道がつきます。
国道20号線の交差点に戻ります。
烏山通りは接続する路地に対して優先通行できるので、突っ込んでくる車などはなく、
車道の左側を整然と走る分には危険を感じることはありません、もっと混雑している時間帯も。
ただし、路上駐車があると危ないです。
もっとも道幅的に止めるとヒンシュクを買うので駐車自体は少ないですが。
冒頭の記事の曰く、
「通常ルートの烏山通りより0・3キロ長くなるが住宅街で交通量は少なく、所要時間はほとんど変わらないという。」
あ り 得 な い で す。
推奨ルートは、意外と歩行者や自転車の往来が多いですし、道幅が狭いので「密度」は濃いです。
曲がり角の死角をよく確認しながら通ると時間がかかります。
歩行者は交通量にカウントされないのでしょうか?曲がり角は確認しないで突っ込めというのでしょうか?この記事は。
またもや取材が足りません、毎日新聞。
日曜の昼間という交通量が少ない時間帯に撮影したのですが、
国道20号線と東八道路の東端に接続する烏山通りは交通量が多いので、
自動車対自転車の事故防止という点では、何らかの迂回ルートを設定すべきというのは認めます。
成城警察交通課に電話取材したブログがあります。当局の考え方がよくわかります。
http://blog.jablaw.org/?eid=1074752しかしながら、設定されたコースは、
給田小学校、世田谷泉高等学校、日本女子体育大学と学校も多く、
後半部分は幅員の広い道路を設定しているものの、
前半部分は、住宅地の幅員3メートル前後の路地を設定し、死角も多く、
歩行者対自転車の事故が増加する恐れがあります。
推奨ルートの真ん前に住んでいる知人に会う機会があったので、様子を聞いてみました。
曰く、元気のいい体育大学生や高校生がすっ飛ばすし、小学生はいるわで、カオスだよ、とのこと。
こんな生活道路に烏山通りを通行する自転車を誘導することは、残念なコース設定としか言いようがありません。
警察庁通達(
http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/taisaku/tsuutatu.pdf)で
「自転車と歩行者との分離」という項目が設けられていますが、
歩道から自転車と歩行者を分離させることしか書いてありませんが、
狭隘な路地においても「自転車と歩行者の分離」の趣旨が適用されるべきものです。
警視庁で一番最初に発表できたのでさぞかしドヤ顔なんでしょう、警察署長さんは。
去年、この地域を管轄する成城警察署烏山交番勤務とおぼしきオッサン警察官が、帰るべき交番が対向車線側にあるためか、
白チャリで甲州街道旧道の車道を松葉通り交差点付近から逆走してこちらに向かって来るので、注意したところ憮然としていました。
そういう意識の低い警察署が策定したのだから致し方ないというべきか…やれやれ。
評 価→☆☆☆☆☆(ちゃんと警邏して策定したのか疑問)
<オプション>
年 式→2011年11月24日