購入価格 1275US$+送料 @JensonUSA在庫処分50%OFFセール
レイノルズの32mmミディアムプロファイルフルカーボンホイールのクリンチャー版。
2011モデルからはリムが世代交代しモデル名がReynolds 32Cと変更されている。
すでに旧モデルのレビューとなってしまうのだが、そもそもREYNOLDSホイールのインプレ自体が少ないうえにクリンチャー版のレビューなんてなかなかないので現行モデルの参考程度にでもなればと投稿させていただくのでご容赦いただきたい。
上の人は184cm74kgの非レース志向、上りはキライwで淡々とロング走る方が好きな貧脚ルーラーとでも言うべきかww
毎日の通勤80%週末ライド20%な感じで運用中。
今年春から使用を開始して現在まで約2000km走行。
~~購入に至るまで~~
今年初めに導入した新メインバイク用に新ホイールを考えていたのだが当初の心づもりでは通勤メインで使用するために以下のような条件を考えていた
・予算は10万程度
・通勤ルートが都市中心部から郊外向けてのバイパス路線沿いのためSTOP&GOが多いわりに途中ではそれなりの高速巡航区間もありなので、空力もそれなりに重視しつつ重量も1500g台程度に抑えたい
・雨の日は基本的には乗らないが、通勤で使う以上ある程度通り雨にわか雨での走行は考慮する
・新フレームが予想以上のガチガチに硬いフレームであったため、ホイールで少しでも乗り心地が改善されると嬉しいかも
さらにはおいらが天邪鬼である事+新フレームが超マイナーブランドである事(なにしろCBNロードバイクアンケートでも選択肢が無いww)なため、メジャーブランド(シマノ、カンパ、フルクラム、マビック)は避けようという基本方針で選考を行っていた。
当初の候補は次あたり
Easton EA90 SLX / Aero
SRAM S30AL
DT Swiss RR 1850
他にもPro-Lite、Rolf-Prima(当時Wiggleで特売中w)等も考えたが耐久性や振れ取りに不安があるため候補外にw
またチューブラーも主な使用目的が通勤であるためパンク時の素早い対応が必要な点を考慮し候補外。
そんな時にJensonUSAにてReynoldsの2010モデル在庫特売を発見。
AttackとMV32C-ULがともに50%OFF、価格的にはAttackの方がリーズナブルではあったがハブがDT-240S、スポークがDT Aerolite(リアDSはDT Competition)と補修品の入手性を考慮してMV32C-ULが候補に急浮上したのである。
最も興味があったのは「フルカーボンホイールを日常使用する」というのは、どんなもんなんだ?って部分。
耐久性、振れ、雨天時のブレーキング性能等、不安でもあるが果たしてアルミと比較してどうなんだと好奇心を刺激されたのが購入決定の決め手であったw
○購入時の期待点、不安点
期待…軽さ、乗り心地、(ミディアムなりの)空力性能
不安…インターナルニップル故の整備性の悪さ、雨天時のブレーキング性能、耐久性
~~使用感等~~
購入時の測定結果は次の通り
フロント :581g
リア :719g
リムフラップ:19g×2
スキュアF :44g
スキュアR :47g
合計 :1429g
他、付属品は純正ブレーキパッド、タイヤレバー×3、インターナルニップルまわし、バルブエクステンダー×2本。
装着タイヤはおいらにとって基準タイヤであるMichelin AIRSTOP A1 BUTYL+Michelin Pro3 Raceをチョイス。
初期振れは前後共に皆無、一応ホイールバランスも見てみたがタイヤ装着後フロントがバルブ反対位置に約2g(1/16oz)の釣り用ウエイトでバランス、リアがサイコンのマグネットでほぼバランスする状態だった。
(フロントは、その程度では実用上問題無いと考えその後ウエイト撤去済み)
タイヤ装着の難易度はごく普通、リムフランジの厚みがあるため少し違和感があるがさして困難は感じない。
実走しての第一印象は「硬っ!!」ww
確かに、出足は軽い。
スルッと出てスルスル加速する。
しかし軽量フルカーボンホイールとして想像していたよりもはるかに縦方向への剛性を感じ正直低速での乗り心地は悪い。
乗り慣れてくると確かにカーボンらしい弾性も感じるし、踏んだ時にはそれなりの「撓み」や「タメ」を感じるが、それでも縦方向への硬さを感じ乗り心地の点で歩道走行したくないww
おいら程度の貧脚で掛かり云々するのはおこがましいんだが、踏めば踏むだけ加速する、軽さと剛性感は確かに感じる。
この縦の剛性感はスポークテンションを上げたものなどとは全く違い、リムの硬さがストレートに出ている印象だ。
このあたりはガチガチのフレームの問題もあるので、組み合わせるフレームによっては印象は異なるかもしれない。
ハンドリングは反応が良く、軽快でかつカッチリとした印象である。
TU版では横方向への柔らかさを指摘するレビューが見られるが、WO版では柔らかいと感じた事は今までない。
急坂で体重をかけてのダンシングでは時折わずかにリアのブレーキシューがリムに擦る「シュッ」っという音が聞こえる事もあるが、それも頻度は多くはなく、下りのコーナリングでの切り返し等の機動時等でフロントの横剛性に不安を抱く事も現在までなかった。
(もっとも、ヘタレさんなんでそんなにガンガン突っ込むダウンヒルなぞ滅多にしないんだがww)
特筆したいのはユニフォーミティーの高さと言おうかいかにも剛性のある真円度の高い円盤を回している感覚で、平滑な状態の良い路面を走行している時は、そりゃ気持ち良いんである。
新しいアスファルトや白線の上をついついえらんで走ってしまうw
空力云々はそもそも32mmプロファイルであるし実感としてはわからんww
ただ、明らかに35km/hあたりの「壁」が薄く感じられ40km/h越えて失速しにくく感じられるんだが、これが空力的なものなのか剛性等によるものなのかは謎。
MV32ではリアのスポーク組が変則的でNDSがDT Aeroliteのラジアル組みDSがDT Competitionの2クロスとなっているが、ディスプレイスタンド上で思い切り回してみてもスポークまわりの風切り音等は聞こえない。
横風による影響もほぼ普通だと思う。
ブレーキシューは付属の純正を使用しているが、ドライでの効き、コントロール性ともに良好で非常に満足している。
制動力の立ち上がりも良く握力に比例して制動力が増していき、コントロール性でアルミホイールに負けてはいないと感じる。
市街地走行が多いためにブレーキ頻度は高いのだが純正シューは減りもごく普通で約2000km使用後も半分以上残っており、交換用に用意しているスイスト黄色に交換するのはまだまだ先になりそうである。
純正シューの欠点は「焦げ」が付きやすい事で特にブレーキングサーフェースが馴染んでいない最初の500kmほどはブレーキ面に溶けたレジン様のカスがこびりつく事が多かった。
またトーイン調整の微妙な角度で鳴きが出やすいとも思う。
さらにレイノルズ純正シューは入手性が悪くこれもまた欠点か。
さてさて問題のウエット時のブレーキ性能なんだが…
やはりこれは悪いと言わざるをえない。
小降りの雨ではまだ制動力の立ち上がりが鈍いと感じる程度であるが、本降りで路面に水が浮き始めるとブレーキング開始から効き始めるまで明らかな空走を感じ、効き始めてからも効きはかなり低下する。
特にブレーキングサーフェースのゲルコートが落ち着くまでの間は、ウエットブレーキングは「全く効かない」と言って良いほどだった。
使用開始50km程度でにわか雨に降られた時にゃ、マジ死ぬかと関しましたよおいらは。
そんなわけでドライコンディション時の効きが良いだけに落差でよけいに効きが悪く感じてしまいウエット時にはおとなしく30km/h以下で走るようにしている。
まあ「雨やのにそんな無茶しぃなやぁ」ってホイールが言ってるのだと考えりゃ、これはこれで欠点ではないのかもしれないがww
現在までの2000km、決して路面状態が良いとは言えない走行条件が多かったのだが今のところ前後共に振れはほぼ出ていない。
インターナルニップルのため振れ取りが面倒なんで、これはけっこう嬉しかったりするw
ただしおいらは「古い」人なんで、少しの段差でも必ず抜重、少し大きな段差ならできるだけホップする癖が染みついているのでそもそもあんまりホイールが振れない方ではあるのだが。
実は通勤路で一か所、高架道路の継ぎ目が2cm弱の段差になっているところがあり、毎日そこで30km/hでバニーホップしてるんだが、このホイールにしてからむちゃくちゃホップしやくすなった。
軽さと同時に反応が良いってことなんだろうと思ってる。
ルックスに関しては、地味という意見も多いと思うが個人的には気に入っている。
UDカーボンのヌード仕上げリムに白のREYNOLDSロゴと確かに色気は少ないがそこはそれタイヤで色を持ってきてやればなかなか粋でもある。
ことおいらの場合はフレームもUDカーボンのヌードカラーに白いロゴのみってデザインなので全体での統一感がシャッキッと出て、なかなか良いんじゃねえのって思ってるんだが。
ただしあくまで粋なのは遠目で見た時だけで、近くで見るとREYNOLDSロゴのフォントがなんともダサいと個人的には思ってるw
なんというかね、妙にグレーで隈取りつけて、悪い意味で「古臭い」フォントはどーなのよって思うんだが。こういうデザインってフォントの選択次第でむっちゃお洒落にもダサダサにもなるから危ないね。
ロゴステッカーは厚みのあるしっかりしたもので耐久性はありそう。
ともあれ、遠くからみればそれほどダサいフォントでもないからやたらとレーシーな派手派手ホイールはちょっとなぁって大人なあなたにもお勧めできると思いますww
付属品のニップルまわしは、見た目からおそらくPillar純正と同一だと思われる。高級な造りではないがそこそこしっかりしており、それなりの耐久性はありそうだ。
http://www.reynoldscycling.com/index.php?p_resource=items_accessories_item&p_itm_pk=24またREYNOLDS純正として別売りでPRO SPOKE WRENCHも用意されているのだが、なんとこちらはSUPER BのOEMっていうかREYNOLDSロゴすら入っておらずSUPER Bロゴのままのようであるw
http://www.reynoldscycling.com/index.php?p_resource=items_accessories_item&p_itm_pk=23タイヤレバーはごくごく普通のプラ製だが、使ってみるとなかなか使いやすくて今ではツールカンに入れて携帯している。
リムテはシマノに似た感触のもので、そこそこ硬くそれなりに伸びて使いやすい。
スキュアーは軽量なわりにはしっかり閉まり緩みもない、クリック感はないが堅実なもので使用感は良好である。
~~結論~~
おいらの使用目的としては思ったよりも硬かったって点を除き満足している。
ただし一般論としては「中途半端」という印象を与えかねないとも思う。
軽量を求めるならWOではなくTU版にすべきだと思うし、空力を求めるならよりディープに、38mmや50mmクラスに行くべきなんだろう。
乗り心地を求めるならTUなりアルミ+チューブレスって選択も悪くないかもしれない。
確かにオールマイティーなホイールではあるが、得てしてオールマイティーとは中途半端の裏返しであるものである。
しかし、しかしである。
中途半端とは、その中途半端さに価値を見いだせる者にとっては価値があるものだ。
自分の求めるものをしっかり把握した上で、その中途半端さを万能性にできる人にはお勧めできるホイールだと思う。
ウエットでのブレーキ性能さえ注意すれば日常遣いは充分可能、ルックスに関してもカーボンバイクはもちろんだがクロモリなどと合わせても意外とイケる気がする。
フルカーボンホイールで反応の良くて高剛性とレース機材って感じのホイールだが、実は普段遣いやロングライドに使う方が向いてるんじゃないだろうか?
あくまで個人的印象なんだが、シャカリキに走る人よりも走る事を楽しむ大人な人にお勧めしたい。
価格評価→★★★★★ (この購入価格なら文句のつけようがないと思う)
評 価→★★★★☆(中途半端と感じるか、使いやすい万能性と感じるか)
<オプション>
年 式→2010
カタログ重量→ g(実測重量 1300g)