購入価格 ¥通行無料。駐車料も無料。
日本人サイクリストなら一生に一度は登ってみたい乗鞍畳平への登頂ルート。乗鞍スカイラインは岐阜県側、乗鞍エコーラインは長野側から登るコースである。クルマに自転車を積んで乗鞍スカイライン入り口付近までアクセスするなら、朴の木平スキー場バスターミナル又は、乗鞍スカイラインゲート脇の空き地にクルマを停めるのが一般的のようである。個人的には朴の木平の方が広くて安心して使える感があった。
乗鞍の傾斜は10%以上。ゲートから頂上までは14km程の距離がある。空気が薄いせいか、かなりキツイ。軽いギヤで景色を楽しみつつ、時折停まって写真を撮りつつ休憩しながら登るのがお勧めです。スタート地点が既に標高1000m級なため、走り始めてすぐに低層雲を突破する。雲の間からは時折立山連峰の山や、自分が登ろうとしている稜線が見える。
5~15分に1度ぐらいの頻度でバスやタクシーに抜かれる。タクはともかく、バスはローギヤ全開20km/h程度で、大量の排ガスと騒音を撒き散らしながらのそのそとどんくさい動きで登っていく。ハッキリ言って五月蝿いし排ガス臭過ぎ。マイカーで好き勝手に乗り入れるよりは環境にいいのだろうが、アレはアレでなんか素直に受け入れられない光景である。
ちなみに、バスの乗客は引き攣った顔で、
「・・・・・・・え?」
「・・・・・・・ハァ?」
「・・・・・・・なんで自転車居んの!!?」
という驚愕の目でこっちを見てくる。結構面白いw
騒音が無い間は、低高度ではウグイス、高高度では名も知らぬ高山性の野鳥の声、そして自分の呼吸音とロードノイズしか聞こえない。登るにつれて道端に咲く花や木の種類、枝振りが変わってゆく。そして、2000m級に突入すると、この写真の景色が現れる。
このガードレールの下にある木の切れ目が、森林限界線。これ以上の高さでは木は育ちませんよという自然の等高線である。高い所が大好きな鈍足坂馬鹿としては一つの目標点である。ここを越えてしばらく行くと、稜線の道へ出る。ここまで登ると、7月末でも寒い。ウィンドブレーカーを持っていって正解だった。稜線まで行けば平らな道も現れ、最後に少しキツイ傾斜(すぐ終わります)をこなせば、畳平バスターミナルに到着する。
しかし、本当の意味でのサイクリストのゴールはこちら。
岐阜側からのゴールライン。岐阜県と長野県の県境が真の最高地点。ここに立つ意味と比べたら、バスターミナルはただの意味補給ポイントでしかない。
ちなみに長野側から見たゴールラインはこんな感じ。
さて、土産を買って補給が終わったら下りに入る訳だが、ちょっと注意事項がある。空気が薄いせいで空気抵抗が小さいため、いつもの感覚で下ってると際限なく速度が上がり続ける。具体的に言うと、漕がなくても70km/hぐらい『出た』。(事後報告w) もちろん前からは、登坂中のサイクリストがフラフラと登ってくる訳で...なのでいつも以上に速度を落としましょう。
もう一つがリムの温度。高山では周りの気圧が下がってる分相対的にタイヤの内圧は上昇している。そこにフルブレーキングの熱が入れば大変な事に...という訳でちょっと下ってから空気圧を再調整することをお勧めします。
あと、寒いんでウィンドブレーカーもお忘れなく。
事故ってガードレールを飛び越えたら...熊の餌です。(怖っ
危険事項も含めて全てが非日常であり、魅力である。
その全てが、サイクリストにとっては麻薬となる。
素晴らしすぎます。乗鞍。
価格評価→★★★★★(だってタダだし。)
評 価→★★★★★(何度でも来たい場所。)
<オプション>
クマ避けの鈴。
ゲートの管理人さんにも言われたので、。