前々から2層になった保冷ボトルの隙間に、好きな柄の紙や布を入れると
カスタムジャケットが出来るんじゃないかと一人で妄想を膨らませていました。
そして、なぜか世の中にはカエル柄のボトルが売られていない。
これはもう私に「カエル柄」のカスタムジャケットボトルを作れと、神様が
言っているようなものではないか。
これを私に与えられた試練と言わずに、何と言おうか?
というわけで、こりゃもう作るしかないでしょ。
今回イケニエになるのは、ポラールの保冷ボトルです。
なぜポラールかというと、クマの絵を見るたびに、「クマなんぞに用は無い!
俺様が求めるものはカエルなんだ!!」と苦々しく感じていたからです。
「さらばクマ公、ようこそカエルちゃん」が今回のテーマです。
ところで、POLARの読み方は、「ポラール」「ポラー」どっちが正しいんだ?
なかには「ポーラ」という読み方をしている人もいるみたいだが。
大雑把な作り方としては、透明のアウターシェルの上部を切り取って、
インナー部分に布を被せて、アウターに詰めなおします。
最後に、切り取ったアウターシェルを半田ごてで溶着すれば完成するはず。
カスタムジャケットボトル作成の鬼門だったのが、切ったアウターシェルを
どうやってくっつけるか?
というのも、ポリプロプレン等に代表される軟質プラスチック等は、接着剤泣かせの
素材でして、あまりの接着性の悪さを逆手にとって、接着剤用のヘラや撹拌台として
使われるほどです。
しかし、それでも接着したいという要望はあるので、メーカーは軟質プラスチックも
接着できる接着剤は売っています。
ただし、この接着剤はまだまだ開発途上の製品で、接着条件として接着面積の確保や
変形しない場所での使用が挙げられています。
保冷ボトルのアウターシェルでの使用を考えると、接着面積は狭いわ、変形するわ、
おまけに屋外で使用するわで、劣悪な環境すぎて、とても使えるものとは思えません。
そこで、採用した方法は、半田ごてによる溶着というわけです。
用意するもの
・ポラールの保冷ボトル
・好きな柄の布(カエル柄がオススメ)
・カッターナイフ(新品の刃)
・マジック
・裁縫セット
・半田ごて(30W)
・ドライヤー
・すりこぎ
【ステップ1.切開】
カッターナイフで、外側の透明部分を切り取ります。
カッターの刃はケチらずに新品に換えましょう。
ポラールのボトルは、品によって、溶着させたと思われる部分に
ばらつきがあります。
個人的に、オススメなのは、画像左の凹みがあるタイプ。
こっちの方がナイフで切りやすいです。
切開する前に、後で溶着する際に、張り合わせ位置が分かるように
印をつけておきます。
私はマスキングテープで印をつけたのですが、何度か外したり、はめたり
しているうちに、マスキングテープが剥がれてしまいました。
マジックで直接書いて、最後に消した方がよいですね。
切開する時、調子の乗って切っていると、私のようにインナー部分まで切ってしまい
新品のボトルを無駄にすることになるので、くれぐれも慎重に。
【ステップ2.摘出】
力まかせに取り出すだけです。
アホほど堅いクリンチャータイヤを素手で外すのに比べたら楽なはず。
取り出しにくい場合は、ボトル全体を潰すようにすれば、ちょっと楽になります。
【ステップ3.偽装作成】
銀色の断熱材を基準にして、同じサイズの袋を布で作成します。
裁縫が得意な彼女(彼氏でも可)にお願いしてもよいのですが、私の場合は
まず彼女を探すところから始めなきゃならないので、時間節約のために、自分で
縫ってしまいます。
というか、手縫いでチマチマ縫っていると、なぜか心が落ち着くので、この作業を
他人に譲るなんてもったい無い。
布は、できるだけピッタリにします。
あんまりブカブカだと、あとで合体させた時に、シワになって見苦しくなります。
画像はちょっとブカブカで失敗したもの。
ポラールのボトルには持ちやすいように、「くびれ」があるのですが、このくびれが
クセモノです。
用意した布のくびれ部分にシワがよって、せっかくの絵が台無しになってしまうのです。
ここには絵がかからないようにするのが、ポイントです。
布の高さはちょっと小さめに。
というのは、合体後に溶着させようと思った部分から、布がはみ出してしまう事が
あるためです。
【ステップ4.合体】
銀色の断熱材を裏返しにして、絵柄が裏になるようにします。
これは、断熱材の絵柄が透けて見えるのを防止するためです。
ボトルの上部と断熱材を両面テープで止めます。
さらに、断熱材と布の上部を両面テープで止めます。
これをやっておかないと、合体後に、上の方がずれてしまい、みっともない状態に
なります。
布のお尻の部分が、あらぬ方向に動かないように、縫っておきます。
ドライヤーでアウターシェルを温めます。
温めることで入れやすくなるんじゃないかという期待が込められています。
ヒートガンで温めると、効果てきめんかもしれませんが、あまりに効果がありすぎて
アウターシェルが変形して、二度と元に戻らなくなるかもしれません。
ともかく温めたら、一気にオリャアァァーーーと押し込みます。
が、そんな簡単には入らないので、ここで「すりこぎ」の出番です。
すりこぎをボトルの内側に当てて、押し込んでやります。
別にすりこぎじゃなくても、ある程度の長さ・太さ・強度があれば、工具でも
シートポストでも、なんでもOKです。
押し込むときは、捻らないように。
捻ると、布も捻れて横方向にシワが入ってしまいます。
【ステップ5.溶着】
ここまでくれば、あとは半田ごてで、切った部分を溶着すれば完成です。
ちょっと難しそうな作業の気がするのですが、やってみれば簡単です。
ただし、換気には注意しましょう。
私が使ったのは30Wの電子工作用の半田ごてです。
あまり強力な半田ごてだと、アウターシェルがドロドロに溶けるかもしれないので
注意しましょう。
これで、カエル柄はもちろんのこと、アイロンプリントを使えば痛ボトルも
作成可能です。
ちなみに、ここまでくるのに3回失敗しました。
1回目の失敗:布が大きすぎたのに加えて、捻るように合体させたので、シワだらけになった。
→対策:布のサイズを適正に、真っ直ぐに合体させる。
2回目の失敗:上部の布が上下に波打って、溶着しようとしていた部分からはみ出てしまった。
→対策:布の高さはやや小さめにして、上部を両面テープで固定。
3回目の失敗:ボトル底で余った布が、変なシワになってしまった。
→対策:底の布が余る部分は、あらかじめ絞っておく。
【延長戦】
完成させた翌朝、カエルボトルにドリンクを入れようと思ったら、なんと溶着部分が
外れているではないか。
昨晩、指で押して軽く変形させたときは問題なかったのに。
指で押すと裂け目がどんどん広がって、無残な状態に・・・
ボトルとしては使えるので、その日はそのまま出発したら、家のすぐ近くで脇道から飛び出した
自転車に驚いて急ブレーキをかけたら落車。
なんだか、ついてないな~。
1週間後、外れた溶着部分を半田ごてで、上下に均すようにして、いちおう修正完了。
汚くなったのが、ちょっと残念。
評 価→★★★★★