購入価格: ¥12,354 (税込)
標準価格: ¥18,360 (税込)
『シール性が高く、数年はノーメンテで済みそう。グリスアップの際はスナップリングを曲げたりシールを傷つけたりしないように注意』
■ Chris Kingのヘッドパーツのグリスアップ
前回の投稿から約5カ月後、本当にシールドベアリングの内部に問題がないかシールを外して確認してみた。その結果、グリスはほとんど汚れておらず、ベアリング自体も問題なし。水分や異物の混入も見られなかった。このままでも問題なさそうだが、せっかくなのでグリスアップすることにした。手順は以下のとおり。
①スナップリングとシールを外す
スナップリングの隙間に先端が細くて平らな棒を入れて持ち上げ、そのまま棒を横にスライドすれば、シールドベアリングからスナップリングを外すことができる。ただ、スナップリングはシールドベアリングの外輪に強くはまっており、スナップリングを曲げたりシールを傷つけたりしないように丁寧に作業する必要がある。なお、シールはピンセットなどでつまむだけでかんたんに外せる。
スナップリングを曲げたりシールを傷つけないように気をつけながら外す
②ベアリングの洗浄
ウエスなどでグリスを拭き取ったら、パーツクリーナーでベアリングを洗浄する。パーツクリーナーは速乾性の素材への攻撃性が低いタイプを使用。アルマイトの部分にパーツクリーナーがかからないように、別の容器に取ったパーツクリーナーをスポイトのようなものを使い、シールドベアリング内をパーツクリーナーで満たした。シールドベアリングを回して汚れや油分を浮かし、ウエスで拭き取ったら再びパーツクリーナーを注入。この作業をパーツクリーナーが汚れなくなるまで繰り返す。
アルマイトの部分にかからないように、パーツクリーナーを注入(左)
下ワンはフレームをひっくり返して作業(右)
③グリスアップ
パーツクリーナーを完全に乾燥させたら、シールドベアリングにグリスを注入する。このときグリスガンがあれば、ベアリングの隙間からグリスを奥まで注入できる。防水性と防塵性を期待してグリスの量は多めにしたが、Chris Kingのヘッドパーツのシール性ならもうちょっとグリスが少なくてもいいかもしれない。
グリスアップ後のシールドベアリング
④スナップリングとシールを取り付ける
シールドベアリングの外輪の内側にシールをシワが寄らないように入れたら、スナップリングも外輪の内側にはめる。スナップリングを縮めながらはめるには、ピンセットを使うのが便利だ。
シールはシールドベアリングの上に乗せるのではなく、外輪の内側に入れる(左)
スナップリングはピンセットを使えばスムーズにはまる(右)
なお、Chris Kingの純正のグリスは合成ポリウレア系であり、国内代理店のSimworksからシム・グリースというものが販売されている。私が今回使ったのはシマノのプレミアムグリスだが、Chris Kingのボトムブラケットで使ったかぎりでは全く問題ない。気が向いたら合成ポリウレア系のグリスも使ってみようと思う。
Chris Kingのボトムブラケットも、スナップリングとシールを外せば、同様にグリスアップが可能だ。ただ、スナップリングを曲げいで外すには、相当気を使いながら作業する必要がある。ヘッドパーツをグリスアップするなら、スモールパーツとしてスナップリングとシールを用意しておいた方が安心。ボトムブラケットならBB Injector Toolを使った方がスナップリングとシールを傷めずに済む。
Chris Kingのヘッドパーツは、GIANT FIXER Rに取り付けて約3年になる。FIXERは私の所有する自転車の中でも特に走行距離は少なめだが、洗車は1〜2カ月に1回程度わりと頻繁に行っている。このヘッドパーツのシール性はかなり高く、私の走行距離と洗車の頻度なら、おそらく5年以上はノーメンテで済みそう。シールドベアリングを手で回してみて、回転がスムーズなら特にグリスアップの必要はないだろう。
GripLock assemblyも分解してクリーニングした
価格評価→★★★★☆ (耐久性を考えればかなりおトク)
評 価→★★★★★ (シール性が素晴らしい)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→98g (実測で115g)