購入価格 ¥約20万(完成車標準価格+カラーオーダー+一部パーツ指定)
京都の老舗工房VIGOREの3代目ビルダー片岡聖登氏の『作品』。
フルオーダーコース(1から設計)とスマートオーダーコース(決まったサイズ・ジオメトリのフレームから選択して色を決める)の2通りのオーダー方法がありますが、私はスマートオーダーです。
【フレーム構造】
溶接方法はエンドとリヤブレーキのステーが銀ロウ。パイプはTIG溶接。溶接は非常に丁寧で、大変滑らかな仕上がり。
TIG採用の理由は、パイプに出来るだけ熱を掛けないようにしてパイプ本来の性能を最大限に引き出すためとのこと。
後で書きますが、乗り心地が物凄く楽しい事になってますw
クロモリフレームのチェーンステーといえば、エンドに向かって細くなるデザインを思い浮かべる方も居られるかと思いますが、このフレームはほとんど一直線。シンプルなだけに、オーナーが選んだ色が良く映えます。
【その他】
フレームにはダブルレバー台座とチェーン掛けが付いてます。
スマートオーダーでは、ドロップハンドル、フラットバー、ブルホーンの3つが選べますが、『ロードバイク本来の軽快なハンドリングを楽しんで貰うため』という片岡氏の思いにより、どれを選んでも変速系は基本的にダブルレバー式。(デュラコンでもいいけどね?)
ちなみに、私も同じ考えでダブルレバー派です。
カラーオーダー色は自由。言い換えればオーナーのセンス次第。ツートン、グラデーション、つや有り、つや消し、ラメその他諸々、過去に色んな仕様があります。
フォークはクロモリ製のオリジナル。クラウン無しの半円断面でかなり細身。オプションでカーボンフォークもあります。
どれを選んで組み合わせても良く合うシンプルなフレームです。
【乗り心地】
初めて試乗しに行って、1漕ぎ目を踏んだ時の感覚。
「な、なんじゃこりゃー!!?」
「足の裏にバネ付けてるみたいだ...ヤバイ、楽し過ぎるわw」
この第一印象がこのフレームの特性を一番的確に表してると思います。
背中・・・というかリヤのBB軸を後ろから強く押されてる感じ。
チェーンステーのパイプはBB側が薄く、エンドに向かって厚くなっているため、この辺に一旦力を溜め込んだ後ペダルを踏む力を緩めた時に力を開放・推力に上乗せしていると推測。
みょんみょんと本当に良く進みます。
クロモリにしろカーボンにしろある程度しなるフレームに乗るとバネ感を感じること出来ますが、ここまで全面的にバネ感が押し出され、体感出来るフレームもそうは無いと思います。
乗っていて本当に楽しい。
楽し過ぎて、速く走れるとか重量が軽いとか、ホントどうでもよくなった。
それぐらい楽しい。
『自転車に乗る』という行為そのものを本当の意味で楽しめるフレーム。
それがこのCrMo Racerなんだと思います。
とはいえ、CrMo Racerという名前なだけあって十分実戦で戦えるレベル。
レースでは、レーシング3の巡航性と相まって、トルクフルな加速と高い速度維持能力を発揮。スプリントの射程距離がアルミの倍位(私の感覚)伸びた感じがします。
一旦フレームに力を蓄えてから加速するので、トルク型脚質の私が乗ると、集団内での駆け引きには向きませんがゴール前と下りは、アルミや中堅クラスのカーボンに負ける気がしません。
これに乗ってるとメーカーの完成車に殆ど興味が湧かなくなるのが唯一の欠点(?)かな。
価格評価→★★★★★(性能を考えると安過ぎるぐらい)
評 価→★★★★★…(5個程度じゃ全然足りない)
<オプション>
年 式→2009年4月納車
納車直後の写真